巻頭企画 天馬空を行く

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厳しいと思えば厳しい。だから「気にしない」

公約通り、会社の業績は急回復を果たした。それどころか、今なお順調に数字を伸ばし続けている。非常に厳しいと言われている業界の中で上昇を続けられる秘訣は何であろうか。

「今の時代、どの業界も楽なところはありません。でもね、自分で大変だと思うから大変なんですよ。
たしかにカー用品を買う人はどんどん減っています。車は買っても、付属品まではなかなか買わない。非常に現実は厳しいのですが、私は気にしません。売上が減ったなら、その分をどこかで補えばいいんです。
例えば『車検サービス事業の拡充』というのを就任時の基本方針の1つに掲げています。ディーラーよりもリーズナブルな価格で厚遇のサービスを展開するようになりました。他にも、車のちょっとした凹みを直す軽鈑金サービスも始めました。
また、2525円で車を貸し出す格安のニコニコレンタカーも私が社長に就任してから始めたものです。既存の店舗で展開できるので、初期費用をあまりかけずに済むのが利点です」

未開拓の分野にいち早く目を付け、そこから新たな利益を生むという、発想の転換が好調の裏にあるわけだが、それだけではない。既存の主力分野をきちんとケアすることは大変大事にしている。社長就任後、タイヤの売上は毎年堅調な伸びを記録しているのだ。

「放っておいたら減るだけ。だから、私は『タイヤを売れ』という方針もずっと継続して出しています。
私が商売をするうえで注意するポイントは、いつでも柔軟に対応できる頭にしておくことです。いつでもその時の状況によって対応できるようにしておけば、どんなことがあったって当社は生き残れるという考えを持っています。
電気自動車やハイブリッド車がもっと増えて、今まで当社になかった何かが必要になってくるかもしれない。そうしたらそのときに対処すればいいというくらいの身構えでいいんです」

柔軟に対応するが、その対応に抜け目がないことは言うまでもないだろう。

規模の拡大より継続を重視。社員が定年まで働ける会社へ

これからの(株)イエローハットはどうなっていくのだろうか?堀江氏にこれから会社が向かう方向について聞いてみよう。

「イエローハットと言うと、やはりCMの影響が大きいのか“自動車用品の小売店”のイメージが強くあります。しかし、今でもホームセンター等への卸売のウエイトも大きいですし、2輪用品販売の売上もそこそこのシェアを占めています。私は欲深いので(笑)、あれもこれも全てにおいて業績を伸ばしたいと考えています。特に卸売や2輪用品販売の分野ではナンバーワンになりたい。
ただし、やみくもに会社を大きくしようとは考えていません。リスクを負ってまで大きくするよりも、会社が継続して存在し続けることが重要だと思っています。社員が定年まで働ける会社であることが私の理想としているところです。
小売店としてのイエローハットとしては、お客様から『イエローハットがあってよかったな』と思われるお店でありたい。住まいから割と近いところにあり、タイヤやバッテリーなどがすぐに交換できる便利なお店として地域の人に親しんでもらい、愛される店づくりを今後も目指していきます」

新たな起業家たちへ─「高い志で慎重に会社の維持を」

最後に、起業家へのメッセージを伺ってみた。

「私はあまり言える資格はないのですけどね、自ら進んで経営者になったわけではないですし。
だから、起業家の方をすごく尊敬しています。イエローハットのフランチャイズを始める方も、もともとカーショップを経営していた経験のある独立心旺盛な方がほとんど。私たちはそういう方々をサポートしていますが、やはり苦労は相当なもの。朝早くから夜中まで働いている方が多い。鍵山創業者社長も365日、休みもなく朝早くから夜遅くまで働いていました。そういう姿を見ているので、想像以上に大変なことだと感じているし、私にはとても起業なんてできない─だからこそ畏敬の念を覚えますね。ただビジネスだから気持ちだけではうまくいかない。せっかく高い志を持っているのだから、慎重にやっていって、長く続く会社をつくってほしい、と私は願っています」

(取材 / 2012年12月)

株式会社 イエローハット (Yellow Hat Ltd.)

本社所在地 〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町1-4-16 馬喰町第一ビルディング
設立 1961年10月(1962年3月設立)
資本金 150億72百万円(2012年3月31日現在)
店舗数 イエローハット(国内)553店
モンテカルロ13店 / 2りんかん37店
国内グループ 計603店
イエローハット(海外) 15店   (2013年2月9日現在)
ホームページ http://yellowhat.jp

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