巻頭企画 天馬空を行く

20151001_tenma_h1-02

 

これからの経営者が持つべき発想

20151001_tenma_ex03様々な社会的要因から“人”の確保に苦労する企業が増えているなかで、これからの企業経営者に求められているマインドとは何か。その核心を端的に伺った。

「率直に申し上げて、これからの経営者は“ギブアンドテイク”の精神を持っていないと生き残れないと思います。『社員の頑張りに報いよう』との思いが社員の生産性向上に繋がるわけであり、『雇ってあげているのだから利益貢献して当然だろう』といった発想を少しでも持っている経営者が淘汰されていく時代が、大げさでなくこれからやってくる。なぜならば先にも触れたとおり、就業労働人口が減りながらも景気は回復しつつあるという、空前の売り手市場だからです。最低賃金がここ3年で50円も上がる時代、仮に時給を100円アップしなければならないとしたら、ひと月の労働時間が220時間とした場合で2万2千円、年間で考えると1人あたり25〜30万くらいの負担増、従業員が100人いたら年間3000万です。
 これだけ最低賃金が上がってくると予想される時代において、ギリギリのオペレーションをしている企業というのはやはり厳しいと言わざるを得ません。だからこそギブアンドテイク、すなわち社員の待遇を良くしたうえで相応のパフォーマンスで返してもらいたいというところに思いを馳せることが、これからの経営者に求められる思考ではないでしょうか。それくらいシビアな時代であるだけに、目の前で人が辞めていく、そして新規に採用しづらいという現状は、そうした時代背景に関心のない経営者ほど、実感を伴って突きつけられているはずです。だからこそ人事評価制度、いわゆるギブアンドテイクをしっかりとした形でやっていこうと考えている企業も増えています」

高橋社長はそうした現状を踏まえ、日本の中小企業経営者に伝えたいことがあるという。

「今は人材の流動化が激しい時代なだけに、会社を辞めていく従業員も多いかもしれません。かといって採用したくてもなかなか人が集まらず、会社説明会や面接をドタキャンされたという経験は一度や二度ではないかもしれない。従業員に対する悩みは年々強まっているはずなのですが、だからといってやさぐれないで頂きたいと私は思います。
 自分が傷つきたくないがあまり、社員を信じず『どうせ裏切られてしまうのだろう』『すぐ辞めてしまうだろう』『言っても無駄だろう』などと考え自己防衛してしまっては、誰も幸せになれません。“人の上に立つ”ということは傷つくことと同義であり、自ら風を切っていくからこそ大変な面もあるわけですが、自分の意志で経営者というポジションにいる以上、まずは相手を信じ、それを貫いていくことが好業績に繋がっていくと私は確信しています。なぜならば信じる先にしか、部下は付いてこないからです。人材マネジメントで最も大事なマインドは、自分がどれだけ傷ついたとしても相手を信じ続けること。これが成功への近道です。例えば不正が起きたとしたら、本人や上司を責めるのではなく自分を責めてほしい。社員が無能で働かないのも、よりよいアイデアを生み出さないのも全て経営者である自分のせい。常に自責の念を持ち続けることも、いい組織をつくるうえでは非常に大事なことなのです。
 他方、中小企業で働く従業員の方々に伝えることがあるとするなら、『頑張れば収入は増える』と思いながら日々の業務に臨んで頂きたいですね。今は“残業を減らして労働生産性を上げていこう”というのが国の方針ですし、自らの生産性を上げればおのずと収入は増えるはずなのです。『日本人の給料はまだまだ上がる』というのが私の持論。もしも今いる会社でそれがなし得なければ、最後は辞めればいい。自らの生産性を上げ、市場価値の高い人材になっていくための努力を続けていれば、今の会社かどうかは別問題として、必ず日の目を見るときがやって来ると思います」

人事評価制度の本質

社員は生産性を高める努力をし、経営者はそれに報いるための仕組みを作りあげることが労使の理想の関係であると力説する高橋社長。最後に、人事評価制度の本質を語ってくれた。

「社員の生産性を高めるためには、彼らが能動的に動いてくれる仕組みを整えることが大切です。そう考えたとき、やはり従業員の頑張りが皆の納得感を伴って給料や報酬に連動している組織が理想と言えるのではないかと思います。給料に直結する仕事とそうでない仕事があったとしたら、人は最終的に本能で動きますから、ほとんどの人が前者を選ぶというのが自然の道理なのです。
 私はこれまで、『何とか社員と向き合える術を知りたい』『全社員の給料を上げて幸せになってほしい』と心から願っている多くの経営者に出会ってきました。ただし皆さん、それをどうやって体系立てて全体フレームをつくっていけばいいのかが分からない。そのときに役立つのが、人事評価という制度です。成果とプロセスをバランス良く評価できる人事評価制度を効果的に組み込み、頑張りと報酬を連動させていくことができれば、労使の関係は劇的に改善します。そしてこの形は、“脱年功制”の先にある、日本型経営のスタンダードになっていくのではないでしょうか」

(取材:2015年8月)

20151001_tenma_logo01


株式会社 あしたのチーム
20151001_tenma_o01

本社所在地 〒104-0061
東京都中央区銀座 6-4-1
東海堂銀座ビル 6F
URL http://www.ashita-team.com/
設立 2008年9月25日
資本金 2億6810万円(資本準備金含む)
従業員数 60名

1 2 3


amazonからのご注文
2019年9月号
COMPANYTANK 2019年9月号

巻頭企画「天馬空を行く」には、元ボクシング世界王者の内山高志さんがご登場!世界王者の栄冠を掴むまでの足跡を辿ります。

定期購読のご案内
 
LINE@無料会員登録はこちらから

LINE@無料会員登録はこちらから

interviewer's eye

カンパニータンクのインタビュアとして活躍されている各界の著名人たちに本誌編集局が逆インタビュー。

杉田 かおる 名高達男 矢部 みほ 宮地 真緒 鶴久 政治 時東ぁみ 水野 裕子 畑山隆則