光岡会長の「我流人生」

「我流人生」。光岡自動車の現行モデル「ガリュー」のコンセプトにもなっているこの言葉には、「常識や世間体に流されず確固たる不動の人生や価値観を持ち生きる」という意味が込められており、これはそのまま、光岡会長の生き方を表すキーワードとなっている。

「僕は、とにかく自分の道を最後まで歩きたいと思っている。独立からして、『好きな車を好きなように売りたい』という想いによるものだったし、会社を続けるうちにそれが今度は『好きな車をつくりたい』に変わった。メッセージというわけではないが、自分の持っている考えは曲げたらいけないと思うね。
　あと、僕はとにかく仕事を楽しみたいと思って仕事をしてきた。拠点を設けるのも、まずは東京や北海道といった普段行けない場所、仕事をした後の遊びも楽しめる場所だったしね（笑）。もちろん、やるからには全力で成功させるように動く。勉強もするし、時には役所と喧嘩だってしたけど、それでみんなが無理だと言うようなことだって実現してきた。だから日々の仕事の中でも、やりたいことがあるならやってみたらいいじゃないか（笑）。そんな“我流人生”を生きてきた結果、今があるんです」

終始笑顔で、事業について語ってくれた光岡会長。しかしその内容は波乱万丈山あり谷あり、想像もつかないような苦難も経験してきたことだろう。とにかく仕事を楽しむ。その姿勢こそが、もしかしたら全ての仕事を成功に導く秘訣なのかもしれない。世界戦略、そして電動運送車の実用化･･･光岡会長はこれまでも、そしてこれからも、仕事を楽しむことで我が道を行き続ける。

（取材 / 2014年2月）