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巻頭企画天馬空を行く

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プロサッカークラブがつなぐ「絆」

20130101tenma_ex06日本に深い爪痕を残した、2011年3月11日の東日本大震災。既に開幕し、翌日に第2節の開催を控えていたJリーグは、この非常事態を受けて即日リーグ戦の中断を決定。リーグ戦が再開された4月23日までのおよそ1ヶ月半の間、被災地をホームタウンとしているベガルタ仙台をはじめとする各クラブや所属選手は、各地で募金活動や物資の支援、チャリティマッチの開催といった復興支援活動を積極的に行ってきた。

「これまで選手たちの中には、試合ができることが当たり前だと考えていた人もいたかもしれません。でも、そうじゃないんだと。多くの人に支えられて、選手たちはサッカーができているのだということを改めて実感したことでしょう。そんな人々の想いに応えるためにも、エスパルスとしては先に掲げた3つの理念を追求していきます」

スポーツは娯楽、エンターテイメントであり、震災などの非常事態においてはないがしろにされる面も少なからずあったであろうことは想像に難くない。しかし、スポーツを通じて感動・興奮し、それが明日への活力へとつながっていくという無形の力は確かにあるはずだ。その担い手であるプロスポーツチームの長として、竹内社長は語る。
「2011年の東日本大震災以降は、『絆』という言葉が様々な場面で掲げられてきました。その言葉をエスパルスに当てはめてみると、例えばおじいちゃんがお孫さんをアウトソーシングスタジアムに連れてくる。エスパルスの試合を通じて、おじいちゃんとお孫さんの間に会話が生まれる。これも『絆』の1つの形なのではないでしょうか。最近は核家族化が進んだことによる家族のつながりの希薄さが取り沙汰されていますが、エスパルスを中心に家族の絆、さらに言えば地域の絆が生まれてほしいですし、エスパルスはその接着剤となる存在でありたいとも思っています。そのための力がスポーツにはありますし、地域で応援されている我々の使命の1つとして、その責任を強く感じています」

エスパルスの、Jリーグの、これから

Jリーグの発足から20年が経ち、日本サッカーは大きく飛躍を遂げた。日本代表はワールドカップに4大会連続で出場し、ヨーロッパの一流クラブで活躍する選手も増えてきた。しかし、日本サッカーの根幹はあくまで日本にあり、その最大の担い手は国内最高峰のプロサッカーリーグ、Jリーグだ。

「日本代表の試合は確かに盛り上がり、5〜6万という観客動員と高い注目を集めています。ただ、その熱がどれほどJリーグに還元されているのか。Jリーグと我々のクラブの原点は、あくまでスタジアムにあります。お客さんがスタジアムに足を運びたいと思うよう、様々な質を上げていかなくてはなりません。それはプレーそのものもそうですし、審判、そして我々運営側にもできること、やらなくてはいけないことがたくさんあります。試合を観に来た人たちに感動を与えられるチームづくり、スタジアムづくりはJリーグ全体で考えていかなくてはいけないですし、その中において、私たち清水エスパルスは常にJリーグで1番を目指していきます。それを成し遂げることこそがファン・サポーター・スポンサー、そして応援して頂けている地域の方々に対する最大の恩返しになりますから」
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(取材 / 2012年6月)

株式会社 エスパルス(S-PULSE CO., LTD)

現社名営業開始年月日 1998年2月1日
本社 〒424-0901 静岡県静岡市清水区三保2695-1
サッカースクール事務局 〒424-0037 静岡県静岡市清水区袖師町1492
(エスパルスドリームフィールド内)
ホームページ http://www.s-pulse.co.jp

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