巻頭企画 天馬空を行く

アリババ株式会社


アリババ株式会社 Alibaba.com Japan Co., Ltd.
代表取締役社長 CEO
1957年生まれ。1986年にソフトバンク株式会社入社。営業本部などでの勤務を経て、ソフトバンク・イーシーホールディングス株式会社で取締役に就任。2000年よりソフトバンク・ヒューマンキャピタル株式会社(旧イーキャリア株式会社)代表取締役社長に就任。その後、同社子会社のアビリティデザイン株式会社代表取締役社長などを経て、2006年11月よりマイスペース株式会社の代表取締役に就任。2007年11月よりアリババ株式会社の代表取締役社長に就任。

2011年1月、中国の名目GDPが日本を追い抜き、日本は42年間掲げてきた「世界第二位の経済大国」という看板を下ろすこととなった。この事実を待つまでもなく、日本の内需は刻一刻と縮小を続けている。2005年をターニングポイントとして、人口減少社会へ突入した日本。就労人口が減り続ける国内で、消費財の需要に明るい兆しは見られない。国内経済の突破口は、新興国をはじめとする海外市場の成長力だ。 今、中小企業が海外へ打って出るときがきた。インターネットのプラットフォームで、全世界への販路拡大活動を支援するアリババジャパンに取材した。

インタビュー・文:中原陽子  写真:佐治純一

縮小する内需

海外の市場で地歩を固めている日本企業は珍しくない。トヨタなどの自動車メーカーは言うにおよばず、東芝、パナソニックなどの電子機器メーカー、資生堂やカネボウなどの化粧品メーカー、ユニクロなどの衣料品メーカーも海外市場での評価は高い。キヤノンやパナソニック、ソニーなどの精密機器メーカーは海外市場を占有している。これらの多くがいわゆる大企業と呼ばれる、資本力に長け、日本市場でトップに君臨する企業群だ。

だが、日本に数ある企業の中で、中小企業が占める割合は非常に高い。新聞などのメディアにおいては大手企業の動向ばかりが目につきがちだが、日本における中小企業の数はおよそ419.8万社。全企業数の中で99.7%を占める割合となっている(総務省「平成18年事業所・企業統計調査(基幹統計)」より)。

これら中小企業のほとんどが、これまでは世界第2位のGDPを持つ日本国内のニーズを掘り下げ、シェアを分かち合うことで成長を図ってきた。だが、2005年をターニングポイントとして日本の人口は減少。出生率は低下し、生産人口が縮小する中、もはや内需に期待はできない状況だ。

成長エネルギーは海外に

「今後、日本の中小企業の成長のエネルギー源となるのは、凄まじい勢いで成長を続けている新興国の内需です」

そう話すのは、アリババ株式会社(以下アリババジャパン)の代表取締役兼CEO、香山誠氏だ。アリババジャパンは、中国に本社を持つアリババグループの旗艦企業であるアリババドットコムとソフトバンクの共同出資により、2008年5月に設立された。

「我々アリババジャパンが担う業務は、アリババグループが創業から10年かけて中国および世界中に培ってきた顧客資産を、日本企業が海外に出ていくための資産に変え、日本企業に提供することです」

アリババグループは、中国でトップシェアを誇るeコマース(電子商取引)企業。現在、中国で活動する企業はおよそ4千数百万社。 アリババのサービスに登録している中国企業はおよそ4000万社だというから、その規模は圧倒的だ。

アリババグループの創業は1999年6月。創業者のジャック・マー(馬雲)氏が、インターネット上での企業取引を可能にするマッチングサイト「Alibaba.com」の提供をスタートしたのが始まりだ。会員数は爆発的に増えた。「Alibaba.com」は見る間に世界最大級の電子商取引サイトへと成長を果たし、アリババグループは2005年には米国Yahoo!と業務提携、2007年11月には旗艦事業である「アリババドットコム」が香港証券取引所に上場し、時価総額2兆円を超え話題を呼んだ。

そのアリババグループが過去10年に培ってきた「顧客資産」を、日本の中小企業向けに提供しているのがアリババジャパンだ。

●アリババグループの事業概要 (クリックで拡大)

アリババグループにおける、主な事業のイメージ図。B2Bのプラットフォームを提供する「アリババドットコム」は、マッチングサービスを通し企業に対して販売先企業の開拓をサポートする。一方、「タオバオ」は、2003年にC2Cプラットフォームの「タオバオワン」を、2008年にB2Cプラットフォームの「タオバオモール」をオープンし、企業と個人に対し、消費者への販売をサポートするプラットフォームを提供している。

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