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10代で「芝居」の虜になって以来、芸能界一筋に歩む伊藤さん。2010年5月号の初登場から、弊誌カンパニータンクのインタビュアの仕事に対してはどういう想いがあるのだろうか。

― 中小企業の経営者とお話しされることは、日常でもほとんどないのでは?

伊藤 友人にも何人かはいるのかなとは思いますが、少なくとも近しい人の中に経営者はいないです。そして“インタビュア”というお仕事をさせて頂くことも今までなかったので、本当に色んな人がいるんだなって思わされます。私は芸能界という業界でしか生きてこなかったし、アルバイトすらしたことがなく、もしかしたら世間からずれているところもあるかもしれない。でも、だからこそお話をしていて「こんな風に思っているんだ」って感じることができますよね。それも職種や業種によって持っている想いが違ったり、その反面「人を大事に」など、皆さんに共通している考えもあります。だから“もっと知りたい、もっとお話を伺いたい”と思いますし、純粋に対談は楽しいです。
最近は女性経営者の方もすごく増えましたよね。お話ししていると、上手く言葉にはできないんですが、随所で男性にない優しさや細やかさが感じられるんです。女性だからこそ理解できるのかもしれない感覚だと思いますが、考え方やお仕事のスタンスが見えてくるな、と。

― 男性にはない強さとも言えるでしょうか。

伊藤 私の短大時代の友達も、1つのことに満足せず色々な挑戦をしていた子が多いように思います。卒業してから、学校に通い直したりとか、結婚して子どもが産まれてもフルタイムで働いている子とか─。そういう友人たちとたまに会って話を聞くと「ああ、私も頑張らなきゃな」と刺激を受けるんですよ。同じ女性が頑張っているとやっぱり嬉しいし、応援したくなりますね。

― また男女に関係なく、弊誌にご登場頂く経営者の方の中には、伊藤さんと同世代の方も多いと思います。何かメッセージはありますか?

伊藤 物資的にも便利なものが増え、バブルなど社会情勢の色々な変化も肌で感じて生きてきた、ある種、恵まれている世代だと思います。たくさんの選択肢を与えられる一方、今みたいに何でも手に入るわけではなく、憧れで終わってしまったものも多かった。だからこそ、「欲しければ自分で探して見つける」力が身に付き、楽しいこともいっぱいあったと個人的には考えているので、そういう経験を活かして仕事に取り組んでいきたいですね。そんな環境に育った私たちの世代は、色々なものに対する“嗅覚”が他の世代よりも鋭いと思うので、それを仕事にも繋げていけたら、そして私たちが経験したことを下の世代にも伝えていけたら良いのかな。でも、ちょうど体調の変化も押し寄せてくる時期。何かしたい気持ちはあるけれど、疲れやすいとか体力的にきつくなってくる年代ですから、あまり肩肘張らずそこそこに、仕事も遊びも両方頑張りましょうとお伝えしたいですね。

女優業もインタビュアの仕事も、自分なりに楽しむことを忘れない伊藤さん。今後も様々な場面で自分らしく、仕事を楽しまれていく。

― 今後も舞台でのお芝居がメインになるのでしょうか?

伊藤 そうですね。私は器用なほうではなくて、何をするにも時間がかかる性格なんですね。だから、全てのものに対してたくさんの時間を費やして準備してから臨みたいという想いがあり、テレビよりも舞台の仕事に重点を置いています。テレビでの演技は1、2回リハーサルをして本番というのが普通です。でも私は最低でも1週間、長くて2〜3ヶ月ある舞台の稽古でみっちり役を作り上げてから本番を迎えるほうが安心するんですよ。それに、1つの仕事を始めると「あっちも、こっちも」ってできなくなってしまうんですよ。やはり不器用な性格なんですね(笑)。「あなたは舞台の方が合っている」と周りの方も見抜いてくれているので、これからも自分のキャパシティの中で最大限の努力をしながら仕事に没頭できたらと思います。そうすればいい歳の重ね方ができ、おばあちゃんになるまで役者を続けていけると信じているんです。セリフが覚えられれば、ですけれど(笑)。

─ 無理はせず、良い意味でマイペースを保つこと。それが伊藤さんのスタイルであり、仕事を楽しむ秘訣なのかもしれません。

伊藤 本当にそうだと思いますね。私が長年、芸能界にいて感じるのは「人は自分が歩んできたようにしかなれない」ということ。先輩である大女優さんなどのお芝居を見るといつも、「余裕があってすごく素敵。私もああいう風になりたい」と思うんですが、今の自分がそう思ったとおりにできるかと言われたら、絶対に無理だなって。その女優さんの年代まで自分が年を重ねないと。逆に、私が若い頃に「こうなりたい」と思っていた方の年代になった時には、やっと当時思っていたような演技をできていると感じるんです。その時々の自分の気持ちを大事にしていたら、自分が育ってきた年数プラス、見て・感じて・勉強してきたことが肉付けされ、自分というものが形成されていく。それでしかないので、私は私なりに頑張っていこうと思います。それだけ夢中になれるのが女優という仕事で、結局私はこの仕事が大好きなんですよね。

伊藤つかささんは透明感のある笑顔や、透き通るような声がとても印象的。「人見知りは結局、30歳過ぎまで直りませんでしたね」と照れながらはにかんだ表情からも、謙虚なお人柄が伝わってきた。しかしお話を伺っていると、そんな自身のことをしっかりと見つめ、受け入れることで、自分らしく突き進んでいると感じられる。そんな伊藤さんの、真の“心の強さ”というものを垣間見ることができた。

(取材 : 2013年2月)

伊藤 つかさ

いとう・つかさ/1967年生まれ、東京都渋谷区出身。母の勧めで幼少期より「劇団いろは」に所属、子役としてドラマを中心に出演する。その後1980年、「3年B組金八先生 第2シリーズ」で、生徒役を演じたことで人気を博す。1981年にシングル「少女人形」をリリースし、アイドル歌手としてもデビュー。その他声優などにも挑戦し幅広く活躍、近年は舞台での芝居をメインに活動している。
■伊藤つかさオフィシャルブログ「maniac love」
http://ameblo.jp/itohtsukasa

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カンパニータンクのインタビュアとして活躍されている各界の著名人たちに本誌編集局が逆インタビュー。

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