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女優 伊藤 つかさ
幼少期より子役として活動し、長きにわたり芸能界で活躍されている伊藤つかささん。大人気ドラマ「3年B組金八先生」、第2シリーズの生徒役で一世を風靡して以来、女優・歌手・声優と活動の場を広げてきた。デビュー当時から変わらぬ愛らしい笑顔が印象的な伊藤さんに、これまで芸能界一筋に歩んできた道のりを伺うと共に、カンパニータンクのゲストインタビュアとして感じたことなどを掘り下げていく。

インタビュー・文・編集:カンパニータンク編集部

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伊藤つかささんを語る上で欠かせないのは、誰もが知るあの人気ドラマへの出演だろう。その後アイドルとして歌手デビューし、芸能界の中の様々なシーンで活躍されてきた過程をまずは伺った。

― 5歳から劇団に入り、子役として芸能活動をスタートされたそうですね

伊藤 はい。でも人見知りだった母が、私はそうならないようにと入れてくれたのがそもそものきっかけでして。「女優さんを目指して」というわけではなかったのですが、入って割とすぐにレギュラー出演のお仕事を頂けて、稽古やレッスンはほとんど受けていなかったんですね。現場で仕事を覚えるという感覚で日々を過ごしていく中で、現場の共演者さんやスタッフさんと仕事の合間に遊ぶことが楽しくなっていって(笑)。辛いという感情は皆無で、むしろ当時から、私にとって仕事は「日常にあるもの」「当たり前のこと」でした。

― 「3年B組金八先生」に出演、クラスのアイドル・赤上近子役の演技が注目され、伊藤さんの存在が世の多くの人に知れ渡ったと言っても過言ではないと思います。

伊藤 中学2年で金八先生のオーディションに受かった時はもう、本当に嬉しかったです。子役時代から、同年代の共演者があんなにいる現場が初めてでしたしね。生徒に選ばれるのは中2〜高3まで、皆が皆同い年ではないけれど本当に仲が良かった。その関係が自然と現場の雰囲気にも表れ、本当に良い作品に関わらせて頂けたなと。もちろん、人気ドラマに出演させて頂くプレッシャーもありましたが、当時は「あの教室にいられるだけで幸せ」と思っていました。私は毎回台本を頂くと「今日は何個台詞があるだろう?」と真っ先に確認するくらい、台詞は多くなかったので(笑)、初めてテレビ局にファンレターが届いた時は本当に驚きました。金八先生への出演を機に、1981年にはアイドル歌手として歌わせて頂くことにも繋がって、色々な意味で忘れられない経験になりました。

― 女優として、アイドルとして、これまでにテレビ・映画・舞台をはじめ様々な場面で幅広い経験を積まれてきた伊藤さん。それぞれの仕事における違いや魅力って何だと思いますか?

伊藤 ドラマや映画などの映像作品と、舞台という場での“表現”は、必然的に変わってきます。歌でも、マイクを持って人前で歌うのと、演技の中で歌う時とでまた違った表現の仕方があるんです。上手くは言えないですけど、「芝居は歌え、歌は語れ」と言われるくらいなので、どこかで全ては繋がっているとは思います。私もアイドルとして歌を歌い出した時は、「恥ずかしい」「歌うのは苦手かも」という思いが先行していたんですが、初めて出演したミュージカルで“歌うことってこんなに楽しいんだ!”って思えたんです。そして、この舞台に立った時の経験が、仕事に対する価値観や考え方を大きく変えるきっかけとなりました。

伊藤さんは現在、舞台での芝居を中心に芸能活動を続けている。その理由を紐解いていくと、自身が出演した初めての舞台が非常に大きく影響しているようだ。

― 伊藤さんの初舞台は、ミュージカル「不思議の国のアリス」のアリス役でしたね。

伊藤 はい。金八先生の仕事が一段落して、中学3年生になる時にどっと忙しくなったんです。本当は高校受験に力を注ぐためにお仕事をひと休みしようか迷っていたのですが、それさえ考える暇がなくなっていました。その中で決まったのが、テレビや映画でなく歌番組でもない、「舞台」という初めての現場で─。結局、学業と仕事を並行して続けたんです。
まずはお稽古が始まって、共演者・スタッフが一丸となっている熱気に圧倒されました。それと一番衝撃的だったのは、年上の共演者の方、特に20代の役者さんが皆、稽古をしながらアルバイトをしていたこと。当時はその意味も分からず「何で稽古が終わってから違う仕事に行くんだろう?」と漠然とした疑問を抱いていました。後々、頂ける出演料だけでは食べていけないから働いているのだと理解するのですが、その時に、“それでもお芝居をやりたい”という方々の想いを知ったんです。それまで私は、母に入れてもらった劇団で頂いた仕事を1つずつこなすという感覚でしかなかった。それが日常でしたからね。でも、「ちゃんと1つの仕事として捉えて頑張らなくちゃ」って決意できました。

― お芝居の仕事を一生続けていこうと思われた、と。

伊藤 ええ。舞台に立ってお客様の反応が直に伝わってくる感覚は、何ものにも代え難い喜びでした。お客様から頂く歓声を一身に浴びて、「このまま舞台の上で死んでもいい」とさえ思ったほど。ステージから見ると、観客席側は暗くて何も分からないし、見えたとしてもお米粒ほどの大きさですが、それでも反応って分かるんですよ。例えば、「昨日とは少し動きを変えて演じてみよう」って変化をつけると、お客様の反応も全く異なるんです。もう、怖いくらいにひしひしと伝わってきますよ(笑)。私のお芝居を見て「感動した」「元気が出た」と言ってくれたり、お手紙をくださったりすると、自分のしたことで誰かの心を動かしているんだと分かり、改めて「嬉しいな」「凄い仕事をしてるんだな」って思うんです。私は、そんな舞台の魅力の虜になりました。もちろん歌も映画もドラマも楽しいところはあるけれど、舞台に立つ感覚は絶対に忘れたくないなあと。1年に1本でもいいから、毎年続けていけたらと思います。

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