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シリーズ企画インタビュアーズアイ

女優 五十嵐 めぐみ

女優・五十嵐めぐみ氏は、前号でご登場頂いた大門正明氏とともに、カンパニータンク創刊号よりインタビュアとしてご活躍されている。鮮烈な主演デビュー、結婚による引退、女優業復帰と様々な経験をされてこられた五十嵐氏にとって、女優という仕事、そしてインタビュアの仕事はどのように感じられているのだろうか。「Interviewer's Eye」第2回という場を通じ、五十嵐氏の思いをお届けする。

 カンパニータンクのゲストインタビュアとして、数百名の経営者にお会いしてきた五十嵐氏。インタビューの際には嬉しい瞬間もあるそうだ。自身のインタビュー記事を振り返りながら、語って頂いた。

五十嵐 インタビュアとしていろんな会社さんにお邪魔させて頂くなかで、時には自分の子どもたちと同年代の経営者の方とお話しする機会があります。皆さんすごくきちんとした考えを持っていて、なおかつ行動を起こし、経験を積み重ねてこられている。そして組織の長として、従業員を雇い、他の会社さんともお付き合いをされている。ゼロから会社を作りあげてこられた経営者の方の頑張りには驚かされますし、そんなお話を聞くと「ああ、これからはこういう若い人たちの時代なんだな」と気づかされ、それと同時に頼もしさを覚えます。
よく「今の若い人は・・・」なんて話も聞いたりしますけど、一線で頑張り、結果を出されている方も数多くいる。「言われているほど日本の未来も暗いばかりじゃない、若い人のなかにも素晴らしい人材はたくさんいる」と嬉しくなりますね。そういう方からは、私のほうが元気を頂けるんです。

─カンパニータンクは「経営者の元気を伝える情報誌」と銘打たせて頂いています。

五十嵐 私にも、伝わっていますよ。この想いはインタビュアとしてお会いしたからこそ、抱くことができたものです。ありがたい話ですね。

─若くして組織を牽引される経営者には、ビジネスプランもさることながら「やってやる!」という勢いを感じます。五十嵐さんがおっしゃっていた「無鉄砲なところ」という点は、もしかしたら共通しているのかもしれませんね。

五十嵐 もちろんたくさんの失敗もしてきているでしょうし、いいことばかり、ということでもないとは思います。しかし自分が選んだ道を納得して歩み、結果を出されている。これは素晴らしいことだと思います。

─「その仕事が好きだから」ということが大きいのでしょうね。ちなみに、五十嵐さんは女優以外のお仕事で「これをやってみたい」というものはありますか?もしくは・・・経営者になるとか。

五十嵐 私には難しいでしょうね(笑)。ちょっと、想像できないです。

女優、そしてインタビュア。公演活動なども含め、これからも様々なジャンルでご活躍されていく五十嵐氏に、「これから」という点について伺う。

─女優というお仕事は、その年齢だからできる役、というものもあると思います。女優としてのこれからの意気込みを聞かせてください。

五十嵐 女優という仕事については、今はあまり「こういう役をやりたい」というのはないんですよね。私たちの仕事は呼ばれてなんぼ。「この役をやってほしい」というオファーを頂けるのが一番の幸せですし、その期待にいつでも応えられる状態を保つことを常に心がけています。

─そのために今、具体的に何かされていることってありますか。

五十嵐 日常生活のなかで極力歩くようにしたり、日本舞踊のお稽古などを通じて体力の維持、特に足腰の鍛錬をするようにしています。この仕事は常に立ったり座ったり、そのなかで姿勢や立ち居振る舞いも美しく見せなければいけません。それを考えた時に、やはり足腰が丈夫でないと。もちろん、台詞を覚えることも大事ですけどね。

─足腰が大事、というお話は「なるほど」と思いました。初めての視点で、新鮮に感じます。

五十嵐 足腰が弱っているというのは、同じ舞台に立っていると気がつくものなんです。役者さんのなかにも、足腰が弱ってしまったことで一線を退かれる方も多いですからね。私も生涯現役でいたいですから、日頃の鍛錬は欠かしませんよ。
経営者の方もお仕事によっては生活リズムが不規則になられる方も多いと思います。そのまま放っておくと病気を招くこともありますから、第一線でご活躍されている皆様にも、ぜひともお体に気を遣って頂きたいですね。

─では、インタビュアとしては。今後こんな話を聞いてみたいとか。

五十嵐 今はどんな人にでもお会いしてみたいですね。皆さん、経営者として第一線でご活躍されている、魅力的な方々ばかりですから。私自身もこの仕事を始めるまではインタビューをされる側でしたから、常に勉強をしながらいろんな方のエピソードをお伺いしていきたいと思っています。

最後に、こんな質問を。

─好きな言葉って、ありますか。

五十嵐 「誠実」ですね。私の「めぐみ」という名前、本名は漢字で「恵実」と書きます。自分の名前に使われている文字でもありますから、「実」という言葉を大事にする気持ちはいつでも持ち続けていますよ。

気さくにインタビューに応じてくれた五十嵐氏。経営者インタビューを通じて「元気をもらえる」とおっしゃって頂けたことは、作り手としても幸いであった。また、女優として、そして母として歩んでこられた五十嵐氏の持つ強さから経営者が得られるものも、きっと大きいのではないかと思う。その相乗効果によって、さらに日本中に元気を伝える─。誌面を通じ、その一翼を担っていきたいと決意を新たにした次第である。

(取材:2012年1月)

五十嵐 めぐみ いがらし・めぐみ

愛知県名古屋市東区出身。愛知淑徳高校卒業後、上京。1976年、TBSポーラテレビ小説「さかなちゃん」17代ヒロインとしてデビュー。その後、映画・舞台・テレビドラマと実績を重ねる。また、自身の子育ての体験を基に、心身障害児への理解を求めるための執筆活動、講演活動などにも精力的に取り組んでいる。
最近では、厚生労働省・厚生労働大臣からの任命により「健康大使」として健康づくりへの理解を深めるべく、各省庁、団体が主催するイベント・講演会へ参加している。

〜五十嵐めぐみ氏 著書〜 『ありのままで』

夫のガン死をこえ
LDの息子とともに

テレビ小説「さかなちゃん」で一躍注目を集め、結婚を機に引退。夫をガンで亡くし、復帰した女優の仕事と、LD(学習障害)の息子を育てる新たな日々。その不安や悩み、喜びや発見を、いま初めて綴る。LDへの理解と支援を願って─。

五十嵐めぐみ 著教育史料出版会 発行
2000年2月 発刊
1575円
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