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─そもそも、お店をオープンされようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

矢部 失恋がきっかけでした。そこで、毎日のようにバーに通って話を聞いてもらっていたのですが、ふとある時「自分でお店を持てば良いのでは?」と思い立ちました。当時を振り返ってみると毎日がすごく楽しかったですね。資金集めや、インテリアなどの値段交渉を自分でするといった体験は非常に新鮮でした。そんな充実した日々でしたので、お店のオープンが非常に待ち遠しかったですね。カンパニータンクさんのインタビューで飲食店や美容室といったお店に伺いますが、オーナーさんたちのお店に懸ける想いというのが、より深く理解できるようになったと思います。

─「YABEKE」を運営されるにあたって、こだわった部分というのはありますか?

矢部 「矢部美穂」がいるからお客様が来るというスタイルの営業は避けたかったんです。それに、「YABEKE」のメンバーなら私がいなくても大丈夫だという確信がありました。母は以前はお店を切り盛りしていたし、身内びいきではありませんが、すごくイイキャラなんですよ!TVの取材が来ても母のほうがクローズアップされたりして(笑)。現在は私がお店に足を運ぶことはそうないのですが、私がいなくてもお店が成立している。お客様に支持して頂いている理由は、私ではなく「YABEKE」が良かったからだと感じます。お店を開いたことで、家族の関係が非常に良くなったりもして、ある意味で失恋して正解だったのかもしれませんね(笑)。

自分の店でありながら、あえて足を運ばないという運営スタイルは、矢部さん自身の「自分をプロデュース」の一環であるのだそうだ。次に、弊誌カンパニータンクのインタビュアとしての矢部さんについて伺ってみた。

矢部 カンパニータンクさんには2007年からずっとお世話になっていまして、これまでにお会いした経営者の方々は、100人をゆうに超えていると思います。数々の対談を通して、「やり続ける」という言葉に共感しました。お話を聞かせて頂く経営者の方々は皆、抱いた夢を叶えるためならどんな困難に直面しても諦めない。仮に挫折を経験されていても、諦めずにピンチを乗り越えて、さらにはそれをチャンスに変えていっています。そのようなお話を聞くことで「私も頑張らなくちゃ!」と思えるようなパワーを頂いているのです。
そして、カンパニータンクさんのテーマである「企業は人なり」という部分にも共感を覚えます。対談の中で、「ある人との出会いがきっかけで助けられて、今もその方との交流は続いています」というお話をよく伺います。私もインタビュアとして出るようになって最初の頃は、「経営者の方のお話を伺ってそれきり」という形でした。ですが、「YABEKE」をオープンしてからは、お店に足を運んでくださる方もいらっしゃって、対談後も交流が生まれるようになり、人と人との繋がりの素晴らしさを直に感じるようになりました。これからも一回一回の出会いを大切にしながら、より深い繋がりを生んでいけるようにしていきたいですね。

─矢部さんはこれまで数多くの方々と対談されてこられましたが、今後インタビューをされる方々に伝えていきたいことはありますでしょうか?

矢部 せっかくの機会ですので、お会いする経営者の方には、本音をストレートにぶつけてほしいです。私も本音でぶつかっていくタイプですので、今経営者の方が思っていらっしゃることを包み隠さず話して頂ければ、より意義深い対話になると思います。本音でぶつかることで、その方の人間味みたいなものが見えてくると思うし、短い時間かも知れませんが心を通わせられるはずです。

2012年12月には自身が主演を務める映画も上映されるなど、現在も精力的に活動されている矢部さん。今後についても伺ってみた。

─役者やタレント、経営者として活動されておられますが、それぞれの分野での今後についてお聞かせください。

矢部 バー以外にもう1店舗、別の業態で店をオープンしたいですね。雑貨屋とかが良いなと最近は思うのですが、「好きだから」で成功するほど商売は甘くないと思います。いずれにせよ、家族の得意分野ややりがいを感じられるような分野で展開していきたいかな。
そして私自身ですが、40歳になった時に周りから「矢部美穂はいい女だな」と思われるようになりたいですね。2013年は36歳という年女を迎えますので、40歳までのこの4年間が非常に大事。内面も外見も綺麗でいられるよう、自分自身を高めていきたいです。そのためには、何事も自分から行動するようにしないとダメだと思いますので、自分で目標やテーマを立てて、常に新しい刺激を求めて挑戦し続けていきます。

 笑顔で明るく話をする矢部さんとのインタビュー中は、常に笑いが絶えなかった。話の中で出てきた「頑張っていれば、必ず味方が現れる」という言葉は、矢部さん自身の生き方の明確な指針となっている。この言葉は、様々な逆境にも負けずに挑戦し続ける現代の経営者にも当てはまるのではないだろうか。これからもその前向きな姿勢を崩さず、様々な場面で我々に元気を与えてほしい。

(取材 : 2012年11月)

矢部 美穂 やべ・美穂

1977年生まれ、北海道出身。1992年、学研主催のコンテスト「New MOMOCO CLUB(ミスモモコ)」において、応募者1万2000人の中からグランプリに輝く。それを契機に、マルチタレントとしてグラビアやバラエティ番組を中心に活動。後に女優として、テレビドラマ、映画、舞台などに出演し、活躍の幅を広げている。
オフィシャルブログ「ナイスバーディ」
http://ameblo.jp/miho-yabe/

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