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注目企業インタビュー

大学で工学を学び外資系企業に就職。2004年、実家の(有)マルコー電装の2代目に。従業員と共に困難を乗り越え、2021年にワイヤーハーネスを製造する宇都宮通信工業(株)と事業統合する。二社の強みを武器に、「人の力がすべて」という指針を掲げ挑戦を続けている。

有限会社 マルコー電装
宇都宮通信工業 株式会社
住所 【(有)マルコー電装 本社/工場】
〒 321-2353
栃木県日光市沓掛520-4
URL https://www.mrk-dns.co.jp/
住所 【宇都宮通信工業(株)】
〒 322-0026
栃木県鹿沼市茂呂297-2
URL https://www.kinjirou.jp/

吉井 電子部品関連の会社を2つも経営する手塚社長。まずは、これまでの歩みを教えていただけますか?

手塚 2社のうち、(有)マルコー電装は1982年に父が創業したもので、現在まで主に電子部品の検査・組立・梱包を手がけています。私は当社の取引先だった外資系メーカーに技術職で就職し、やがて2004年に父が他界したことで姉が経営を手伝っていた当社に移り、2代目代表に就任したんです。前職での製品開発の経験も生かされ、事業は順調に推移していきました。ただ、その後2009年頃からはリーマンショックで仕事がゼロになり、スタッフ全員を路頭に迷わせてしまうほど追い込まれていったんです。

吉井 大変な苦境に陥られたのですね。そのような状況から、どのようにして立ち直られたのでしょうか?

手塚 しばらくすると「海外の工場では電子部品の品質が保てない」「検品を手伝ってほしい」というご相談をメーカーさんからいただくようになりました。そこで解雇したスタッフと共に再度業務を再開することができ、おかげさまで販路拡大に至ったんです。2021年には同じコネクターを取り扱う宇都宮通信工業(株)とM&Aで一緒になり、私が社長を兼務する運びとなりました。

吉井 M&Aで、より展開可能な領域が広がるということなのでしょうか?

手塚 ええ。ワイヤーハーネスの小ロット生産に強みを持つ宇都宮通信工業(株)と、検品のスキルを持つ当社が組み合わさることで、さらに付加価値を高めつつ製品をつくり、そのまま検品・出荷まで一貫対応するという流れが安定化するため、可能性も無限大に生まれるんです。

吉井 それは素晴らしい。手塚社長と従業員の方々との信頼関係が、現在の会社の姿をつくり上げたように感じます。

手塚 ありがとうございます。マルコーという社名には、両親の名前に共通する「幸」という漢字をもとに、「幸せを丸で囲む」という由来があります。皆を幸せにする会社であり続けることが私の信念ですし、その点にこそやりがいを感じるんです。そのため当社では、従業員から何でも自由に話してもらう個人面談を定期的に実施するなど、できる限り働きやすい環境づくりに努めているんですよ。

吉井 何より、従業員の方々への思いを重んじてこられた手塚社長。ぜひ、具体的な今後の展望をお聞かせください!

手塚 事業承継やIT導入、事業再構築など各種の補助金を積極的に活用し、設備増設や人材育成に投入することで、ロボットや大型産業機械に用いるワイヤーハーネスの製造といった新たな挑戦を画策しています。(有)マルコー電装のキャッチコピー「ヒューマン・テクノロジー・カンパニー」の指針を一貫し、人の力を重んじる会社として、今後も従業員やそのご家族を守りぬけるよう、走り続けてまいります!

GUEST COMMENT

吉井 怜

ストレスなく働ける環境づくりに全力を注ぐ手塚社長からは、スタッフさんへの惜しみない愛情と大きな責任を背負う覚悟を知ることができました。2社のタッグが生み出すさらなるパワーアップが私も楽しみです。手塚社長ならではの技術と人柄、経営手腕による事業拡大を応援しております!

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