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注目企業インタビュー

塾長 小川 力也
府立高校にて33年間の教員生活(中高・理科担当)の後、大学合格をゴールラインに設定するような従来の中等教育の在り方を変え、生徒自身が設定した将来の目標に向けて大学受験のその先も意欲的に学んでいけるようにするための教育を目指し、2018年6月、大阪府富田林市に「科学教室 力塾(りきじゅく)」を立ち上げた。

生徒 奥川 陽平
中学時代から「科学教室 力塾」に通い、探究活動を通して自らの長所に気付き磨きをかけて、将来の夢を抱いた。そして、その夢を実現するために選んだ大学に、高校時代の研究成果を生かして受験する「総合型選抜」で見事合格。

科学教室 力塾
住所 〒584-0032
大阪府富田林市常磐町
【研究棟】15-10 石田ビル3F
【学習棟】15-5
URL https://rikijyuku.com/

詰め込み型教育とは一線を画し、講師よりも生徒が人前で話し、主体的に探究していくことが特徴の「科学教室 力塾」。中高校生たちはこの場所でやりたいことを見つけ、その実現に向け学びを加速させていくという。若い情熱を温かく見守る小川力也塾長にタレントの嶋大輔さんが話をうかがった。


中高校生の新しい学びを推進

 「科学教室 力塾」さんは文字通り科学を学ぶ場ということですが、どのような塾なのでしょうか?

小川 教科書に載っていることを生徒たちに教えるのではなく、生徒たち自身が自ら課題を見つけ、解決していけるような学習環境をつくりたくて当塾を立ち上げました。そんな当塾の教室は変わっていまして、教員ではなく生徒たちが前に立ってプレゼンテーションを行うプレゼンテーションルームを設けているのです。また、その隣には実験室も用意しています。

 なるほど。塾長である小川先生はもともと学校で教師を務めていらっしゃったとうかがっています。

小川 はい。33年にわたって教員生活を送ってきました。定年まで10年という頃に、富田林高校の当時の校長先生が、科学教育や学校改革に意欲的な教員を探しておられることを聞き、応募したのが現在につながるきっかけでした。当時から力塾のようなことがしたいと思っていて、元校長先生のお考えとぴったり合致したんです。赴任後はプロジェクトチームで議論を重ね、高校受験で分断されることのない中高一貫を通して「探究と貢献」を軸とする学校を立ち上げようということになりました。そうして誕生したのが富田林中学校・高等学校であり、科学部では生徒たちに自由に研究をしてもらいました。皆すごく頑張って、アユの生態に関する研究が大阪府の学生科学賞で最優秀賞(知事賞)を受賞するなど、輝かしい成果を上げてくれました。

 それは素晴らしいですね!なぜ学校から塾に環境を変えたのでしょうか?

小川 富田林中学校・高等学校では中高一貫校への転換期にすごく意義のある仕事をさせてもらいましたが、5年目が経とうとしていた頃に体を壊してしまい・・・医者からは燃え尽き症候群だと言われました。学校という大きなものを自分のやりたい方向に動かすには大変なエネルギーが必要です。しかし、あまり無理もできない状態でしたから、塾という学校よりも小さい規模ならば動かせるかなと思い、教職に区切りを付け、新たな挑戦に踏み切る決心をしました。

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