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注目企業インタビュー

工場勤務を経て金融会社に勤める。将来を見据え新たな道を模索していた際に、「装着型サイボーグHAL®」を活用した鈴鹿ロボケアセンターが設立される情報を見つけ、創業メンバーとして参画。現在はセンター長を務め、理学療法士などの専門スタッフと共にHAL®の認知・普及に尽力している。

鈴鹿ロボケアセンター 株式会社
住所 〒510-0293
三重県鈴鹿市岸岡町1001-1
鈴鹿医療科学大学千代崎キャンパス内
URL https://robocare.jp/

小倉 こちらは、サイボーグを活用したリハビリに特化した施設だそうですね。初めて見るマシンを前にして、とてもワクワクしています。

竹腰 「HAL®」は、茨城県つくば市のCYBERDYNE(株)が開発した世界初の装着型サイボーグです。当社では「ロボケアセンター」という名の通り、HAL®を使ったリハビリプログラムを提供しております。

小倉 HAL®の機能について、ぜひ詳しくお聞かせいただけますか?

竹腰 人が体を動かそうとすると、脳から動きたいという意思が電気信号となって筋肉に伝わり、体を動かすのです。ところが、脊髄損傷や脳卒中、事故の後遺症などでその信号が伝わりにくくなると、思うように体を動かすことができなくなってしまいます。HAL®は、そんな方の微弱な生体電位信号を皮膚に貼ったセンサーで読み取り、意志に沿った動作をサポートします。

小倉 それはすごい。機械的に動かせるようにするのではなく、あくまで本人の意思に合わせて動きを助けてくれるというのが画期的ですね。

竹腰 ありがとうございます。HAL®を使えば、自力では体を動かせないような方でも、ほとんど負荷をかけずに体を動かせます。体が動けば身体と脳神経のつながりが強化され、身体機能が向上していくことも期待できるんです。

小倉 まさに未来のリハビリだと感じます。これまでの改善事例があれば、いくつか紹介していただけますか?

竹腰 背骨を損傷して歩行速度が時速1kmまで落ちた方が、HAL®を使ってリハビリを続けたところ、1年後には時速4kmの一般的な速度で歩けるようになりました。他にも、脳出血の後遺症で体の右半分が麻痺していた方が、ひじやひざを曲げられるようになったケースもあるんですよ。

小倉 運動機能を支えるという点で考えると、仕事の補助などさまざまな現場で応用できそうですよね。

竹腰 HAL®は用途に合わせていくつかのモデルがあり、腰を痛めやすい介護施設の職員さんや、重いものを運ぶ工場で働く方の業務を助けることができます。また、災害時のがれきの運搬などもHAL®を装着すれば楽に行えるようになるでしょう。さらに、アスリートのトレーニングにも応用していくことを見据え、自分のイメージどおりに筋肉を動かせているかどうかをHAL®のモニターでチェックし、練習に反映させる検証実験を社会人ラグビーチームと共同で進めているところです。

小倉 無限の可能性を秘めたHAL®を、ぜひ世の中に広めていただきたいです!

竹腰 はい。どの施設にもHAL®が置いてあり、誰もが気軽に使える世の中を目指したいです。そのためにも、まずは当施設でリハビリをされた方に「来てよかった」と言っていただけるよう、全力を尽くしてまいります。

GUEST COMMENT

小倉 隆史

私も実際にHAL®を装着させていただきましたが、やはり体の状態を数値で確認できるというのは、説得力が違うなと感じました。高齢化が進む社会においてHAL®の需要は高まるばかりだと思いますし、ぜひ竹腰さんのお力で普及させて、人生100年時代を自分の足で最後まで歩ける人を増やしてくださいね!

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