学業修了後は鹿島建設(株)に入社。IT部門に配属され、システム開発に10年従事する。さらに2社で経験を積みながら副業でHP作成にも携わり、2021年に独立。最初に開発した在籍管理システムを自社展開すべく、同8月にショーラボ(株)を設立した。
ショーラボ 株式会社 | |
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住所 | 〒104-0061 東京都中央区銀座6-13-16 銀座Wallビル UCF5階 |
URL | https://sho-lab.jp/ |
矢部 まずは、佐藤社長がITの分野で起業された経緯をお聞かせください。
佐藤 私は大学時代にアメリカンフットボールに打ち込み、社会人でも続けたいと思って卒業後はアメフト部がある大手建設会社に就職しました。仕事ではIT部門に約10年勤務し、自分のアイデアがプログラムやコードによって形になっていくことに魅力を感じて、少しずつ独立したいと考えるようになったんです。
矢部 大手勤務から一歩踏み出すのは勇気のいるご決断だったと思います。
佐藤 家庭を持っていたので、妻の説得が一番のハードルでした(笑)。安心してもらうために勤務しながら副業でHP作成などの実績を積み、4回の家庭内プレゼンを経て独立が許されたんです。
矢部 自分勝手ではなく、きちんとご家族の許可を得たところに、佐藤社長の誠実さが表れていますね。法人化のタイミングはどのように訪れたのでしょうか?
佐藤 あるお客様からご依頼を受けて開発したWebアプリ「ふりあど」を自社でリリースしたことがきっかけでした。このアプリは企業が社員の勤務状況を把握できる在籍管理システムで、各自のスマホから社内のどこにいるのか、リモートワークなのか出張中なのか、という情報を自動的に集めることができます。今は毎日出社しない働き方も一般的になってきて、会社にいない人が休みなのかリモートなのかがわからず困るケースもあるそうで、そういったお悩みの解決に役立てられればと。
矢部 推していく商品もできて、お忙しい毎日を送っていらっしゃるのでは?
佐藤 ええ。仕事もそうなのですが、実は今年2歳になる娘が生まれつき心臓が悪く、移植手術を必要としているんです。日本はドナーが少ないのでアメリカに渡ることを決意し、協力してくれる仲間と募金活動をしています。大変な額の費用が必要なので簡単ではありませんが、仕事と並行しながら、めげずに前を向いて頑張っているところです。
矢部 そうだったのですね――難しい状況でもくじけず歩み続ける佐藤社長の精神力にはただただ頭が下がります。
佐藤 娘のことがあって、私の中の仕事に対する価値観はガラリと変わりました。以前はITを駆使して自分のやりたいことを実現するために動いていましたが、募金活動に多くの方が参加してくださるのを見て、もっと人と人とのつながりに感謝しつつ、自分もそこに貢献したいと考え始めたんです。コミュニケーションが苦手な人を助けたり、たくさんの人の相互理解を深めたり――そのためにテクノロジーを活用したいですね。
矢部 佐藤社長ならばきっと、その目標を達成できると信じています!
佐藤 ありがとうございます。まずは娘のために全力を尽くして、落ち着いてきたタイミングで本格的に始動できるよう準備を進めていこうと思います。

GUEST COMMENT
矢部 美穂
自分のアイデアを実現するシステム開発に情熱を燃やしてきた佐藤社長が、娘さんの心臓移植に向けた募金活動がきっかけで価値観を変え、困っている人たちをITの力で助けるために行動されているというお話が印象的でした。大変な状況の中、勇気を奮い起こして歩まれる社長を全力で応援しております。