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注目企業インタビュー

どこまでいっても最後は人間の力が大切

石黒 なるほど。お取引先の大事な商品を扱う仕事だけに、プレッシャーも大きいでしょうね。

太田 はい。私たちがエンドユーザーのお客様と直接やり取りすることはありませんが、最終的に商品を受け取るのはエンドユーザーの方々です。赤のボールペンを注文したのに青が届いたとか、プレゼント用なのに指定の日に間に合わなかったとか、そのようなことがあると「もう、この会社の商品は注文しない」と言われてしまいます。ですから、誰よりもエンドユーザーのお客様に満足していただくことが当社の使命なんです。

石黒 (株)GLCさんでは、お仕事をする上でそうした意識がスタッフの方々にちゃんと浸透しているようですね。

太田 ええ。当社のような業態は季節による業務量の変動が多いので、スキマバイトを御利用するスタッフさんがメインになります。すると、どうしても商品を丁寧に扱う意識が薄れてしまいがちです。しかし、当社は他社にはない大きな強みで差別化に成功しているんですよ。

石黒 その強みというのを、ぜひとも詳しくお聞かせください。

太田 物流業界に限らず、スタッフさんを番号や二人称で呼ぶ現場を今でも多く感じます。当社では必ず名前で呼び、休憩時間になったら声をかけ、就業前には仕事内容を丁寧に説明するようにしています。人間は機械ではありません。いくらAIが発達しロボットが導入されても、物流の現場で大切なのはどこまでいっても人間の力です。アルバイトさんも当社の大きな戦力になっていますし、彼らにはどこへ行っても通用する人材になってほしいと思っています。実は、当社とお取り引きをしている大手人材紹介会社によると、小さな会社にも関わらず当社はアルバイトの発注人数が全国5位だそうです。しかもリピートを希望する人の数はトップだというんですよ。物流の仕事は運送や決済、ネットショップの仕組みなど、多様なことを知らなければできませんし、働いているうちにどんどん知識が豊かになってきます。私にとっても本当に楽しくて達成感のある仕事です。

中小物流会社でシステムをつくりたい

石黒 前社長の急逝でご苦労も多かったと思いますが、お話をしていても、太田社長が心から物流のお仕事を楽しんでいらっしゃる様子が伝わります。

太田 実は当社がわずか3年で急成長できたのは、同人誌委託で有名な(株)虎の穴様のおかげなんです。コロナ禍で高まった通販の需要に対応するタイミングで当社とのお取り引きが始まり、物流の増大とともに当社の規模も拡大しました。ただ、その成長に実態が追い付いていない面もあるので、スタッフには「申し訳ないけれど、他社が3年かける改革を半年で達成していくから頑張ってくれ」と話しているところです。

石黒 太田社長が見据える物流の未来がどのようなものなのか気になります!

太田 物流の仕事はAIやロボットなどの導入でより自動化していくでしょうが、それが可能なのは大手物流会社だけです。当社のような中小企業は少子化の中で人材の奪い合いになると思います。ですから私は、そうした時代に中小物流会社が対応できるシステムを、他社と協力しながらつくり上げていきたいと考えているんですよ。また、私は食べたり飲んだりが大好きなので飲食業にも挑戦したいですね。リスクを分散すべくそうした別の事業も手がけながら、物流業界の仕組みを改善したいと思っています。

GUEST COMMENT

石黒 彩

ネットショップで買い物をするユーザーの1人としては、丁寧で正確な配送をしてくださるかどうかが最も気になります。その点をしっかり踏まえた(株)GLCさんのお取り組みは本当にありがたいですね。物流の将来について真剣に考えておられる太田社長の姿勢にも感銘を受けました。5年後、10年後の(株)GLCさんが楽しみ。さらなるご活躍を期待しています!

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