インタビュー

卸・販売

仙台金時 株式会社

徳島県出身。漁師として10代から働きつつ、飲食店経営なども経験する。2011年に東日本大震災が発生した際にボランティアで宮城県を訪れ、仮設住宅の施工やリフォーム業で貢献。その中で地域の農家と縁ができ、仙台に残ることを決意する。その後、徳島産の金時芋やオクラなど、それまで宮城県でほとんど栽培がなかった作物を育てることに成功した。

仙台金時 株式会社
住所 〒982-0834
宮城県仙台市太白区青山1-12-21
パレスMシード 105
URL https://www.sendai-kintoki.com

 濵松専務は徳島県のご出身だそうですね。東北の地で農業を始められたのにはどのようなきっかけがあったのでしょうか?

濵松 私は東日本大震災の復興支援で宮城県を訪れ、その中で地域の農家の方とのご縁ができました。初めのうちは地元へ帰るつもりだったのですが、「芋でもつくらないか」と盛り上がったことから、この地に残ることを決めたんです。

 大きなご決断をされましたね。現在は「仙台金時」というブランド芋を主に生産されていらっしゃるとか。

濵松 はい。「仙台金時」は、徳島の名産である「鳴門金時」を改良したもので、程良い甘さとしっとりした食感が特長です。もともと、さつまいもは宮城県ではほとんど生産されておらず、苦労の連続でしたが、徳島で芋の研究をされている先生を紹介していただき、その方の助力もあって軌道に乗せることができました。2016年に商標登録して以来、確かな美味しさと名前の響きの良さが人気を博し、宮城県内はもちろん関東圏でも売れているんです。

 また、「仙台金時」に加えてオクラの栽培もされていて、摘み体験もできるそうですね。

濵松 オクラについても宮城県は栽培量が全国最下位だったので、オクラの産地である徳島県のノウハウを取り入れて育て始めました。すると、1人では取り切れないくらいの収穫量になり、今は週末に50組ほどのご家族連れが摘み体験に来てくださるようになったんです。

 地元から遠く離れた地で、前例のないチャレンジを続けられる原動力は、どこから湧いてくるのでしょうか?

濵松 始めたなら途中で投げ出したくない、という気持ちがあるのだと思います。以前、知人から「うまくいくわけがない、できるならとっくに誰かがやっている」と言われたことも、私の反骨心を刺激しました。そうして継続した結果、今では障がい者雇用や新規就農者支援など幅広く社会貢献できるようになりましたし、挑戦して本当に良かったです。

 事業としてますます成長していかれることと思います。今後のビジョンについてはいかがですか?

濵松 「仙台金時」を使った芋焼酎をつくるなど、アイディアは尽きません。また、当社独自のノウハウを確立させて、後進に農業を伝えていきたいと思っています。日本の農業が衰退しつつあるのは、経験豊富な農家の方が技術を教えようとしなかったことも原因なんです。若い世代で農業に興味を持ってくれた人を育てていく“伝える農業”を普及し、皆で成功する仕組みを整えていきます。

GUEST COMMENT

嶋 大輔

お話の端々から、農業に対する情熱を感じさせてくださった濵松専務。実食させていただいた「仙台金時」とオクラはどちらも本当に美味しくて、ぜひもっと世に広めていただきたいと思いました。「伝える農業」という言葉がすごく素敵ですし、その器の大きさを武器にこれからも日本の農業発展に力強く貢献していただきたいです!


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