インタビュー

建築

残業や休日出勤を減らす方針へ

 ここまでお話をうかがい、石田社長がとても楽しみながら仕事に取り組んでいらっしゃる様子が伝わってきました。

石田 電気は暮らしに欠かせないものですし、オール電化が進み需要は増えることがあっても減ることはないので、そうした日本のインフラを支えている点がこの仕事の大きな魅力だと思っています。また、完工までの過程の中で職人の皆さんとやりとりしながら進めていく部分も私は楽しいと思っているんです。かつては現場で一緒になる方々に嫌われないようにしようと思っていたのですが、ある時から、好かれるような仕事をしようと考えを変えたところ、職人の方々の対応も変わってきましたね。

 大変なこともある中でもポジティブに歩みを進めてこられたんですね。

石田 そうですね。個人事業主として独立を果たして以来、10年以上1人でやってきました。寝ないで頑張るときもありましたし、今もなお、時期によっては忙しいことももちろんあります。ただ、メリハリをつけて走り続けてきたことで、それが私にとって当たり前のものとなっていったんです。

 慣れないことも続けていくことで習慣となっていくものです。稼ぐときは稼ぐ、遊ぶときは遊ぶ、というスタイルを確立されてきたんですね。

石田 そうなんです。また、この仕事はやった分だけしっかりと利益になります。だからこそ、これまでできる仕事はすべて請け負ってきましたし、社員たちにも休日手当や残業手当ももちろん出して還元していました。とはいえ、そうしたワークライフバランスが取りづらいスタイルを続けていくと人材不足にもつながってしまうのでは、と思うようにもなりまして・・・。

 いかにプライベートと仕事の時間のバランスを取れる働き方をするか、を重要視している方が増えていますよね。

石田 ええ。そういった時代の流れに合わせて、最近では協力会社にも依頼して従業員たちがワークライフバランスをしっかり取れるようにしています。

50歳までに5人のスタッフを雇用!

 経営者として、職人として常にアップデートされていらっしゃるんですね。柔軟に手腕を発揮しておられる社長の姿勢は素晴らしいと思いますよ。自分自身の変革をためらわない石田社長の将来が、ますます楽しみになりました。

石田 ありがとうございます。これまでいろいろな話を先輩方から聞いて思ったのは、1人で長年にわたって事業を続けてきている方は自分に自信があるからこそ、誰かに仕事を頼んだり、雇用を増やしたりしていない方が多いんだな、と。ただ、むしろ仕事を人に頼れる人の方が会社を大きくしやすい、という話も聞いて、確かに1人で歩みを進めていくのは気が楽ですが、法人化を果たしたこともあって数年前から人材も増やしているんですよ。1人でやり続けていたら、当社はここまで成長できなかったでしょうし、人の力を借りて大きくなれたので、周りの皆には感謝しています。

 今後についても教えてください。

石田 今の目標は、私が50歳を迎えたときに当社に5人のスタッフがいるようにすること。この業界で、なおかつ当社の規模で5人のスタッフを抱えるということは本当に大変なことなのですが、だからこそ安定して5人のスタッフがいる状況をつくりあげたいと思っています。目標を掲げたからには達成するまで走り続けていきたいですね。

GUEST COMMENT

嶋 大輔

10年ごとに目標を定め、着実に達成してきた石田社長。脂の乗り切った時期にあえて生き方や発想を変え、今後はスタッフさんへの気遣いを大切にしていこうという決意は、並大抵の努力でできることではありません。熱い心と柔軟なスタイルでますます成長し、社長が電気工事業界でチャンピオンの座に就く日を私も楽しみにしています。

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