インタビュー

医療・福祉

株式会社 イージスシールド

教師として働く父親のもとで育ち、自身も教育の道を志す。大学卒業後は小学校の教員となり、定年まで勤め上げる。教員時代から発達障がいのある子どもたちの就労問題に携わりたいと考えていたため、就労特化型の放課後等デイサービス「イージスシールド」を設立した。

株式会社 イージスシールド
住所 〒810-0063
福岡県福岡市中央区唐人町1-6-17
URL https://aegis-shield2021.com/

矢部 樋口社長は、教育の世界で長年ご活躍されてきたそうですね。

樋口 私は教員として40年近く現場第一線で仕事をし、その中で発達障がいのある子どもたちが卒業後に働ける場所を探すのに苦労している状況を見ていました。また、私の師にあたる方がキッズスクールを手がけており、私も事業として発達障がいのある子どもたちの就労と自立をサポートしたいと考えたことから、当社の立ち上げに至った次第です。

矢部 なるほど。現在の「就労特化」のスタイルは、樋口社長のそうした強い思いが反映されたものだったのですね。

樋口 はい。就労のためのトレーニングをしたり、準備をしたりする放課後等デイサービスは多くありますが、それに加えて私たちは実際の就労先とのつながりも持っています。一人ひとりが世の中に出てしっかり働ける仕組みを整えている点は、他にはない特長ですね。また、子どもたちの中にはその場の雰囲気を読み取ったり、皆と合わせて動いたりするのが苦手な子がいて、一般学級では本人が一生懸命でも周囲に理解されないケースもあります。しかし、ここでは同じ境遇の仲間として皆で認め合えるので、安心して通ってもらえるんです。

矢部 それは心強い。子どもたちが伸び伸びと成長するには、そうした安心感が欠かせないと思います。実際の活動内容についてもぜひ詳しく教えてください。

樋口 私たちは、就労契約を結ぶ就労継続支援A型事業所や一般企業への就労を目標としたサポートをしております。例えば、調理体験では必要となる食材の検索や仕入れから本人たちにやってもらいますし、公共交通機関を利用してもらうこともあります。作業に必要なスキルだけでなく、社会の中に少しずつ順応していくことが、自立のためには重要だと思うんです。もちろん、本人の意思を尊重することは忘れず、子どもたちが何に興味を持っているかを把握しながら、それに合わせた活動をしています。

矢部 子どもたちの変化を間近で見られるのは、やりがいも大きいでしょうね。

樋口 子どもたちが前向きにここに通っている姿や、課題をクリアして喜んでいる顔を見られると、心から嬉しくなります。保護者の方からも「自立を目指して寄り添ってもらえるのがありがたい」とお声掛けいただいていて、大きな手応えを感じているところです。

矢部 では最後に、将来のビジョンについても力強く語ってください。

樋口 施設を大きくするより、一人ひとりの成長をしっかり見守りながらサポートできる規模で展開したいと考えています。他の区の方からも施設をつくってほしいというお話をいただいているので、一つずつ課題をクリアして実現させたいですね。これからも中学生・高校生を中心に、就労を目指す子どもたちの支えになれるよう全力を尽くしてまいります。

GUEST COMMENT

矢部 美穂

子どもたちは皆、いずれは成長して社会に出ていきます。それまでにどのような準備をしたかで、その後の人生は大きく左右することでしょう。そんな中、一人ひとりの個性をしっかりと理解した上で適切な指導をしてくださる樋口社長のスタイルは、間違いなく子どもたちの将来を良い方向へ導くと確信しました。


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