40歳。学生時代から棒高跳びを続け、筑波大学進学後もスポーツ分野の研究に従事する。オリンピック選手のサポートで得た知見を生かし、2021年6月に(同)ポジティブアンドアクティブSports R & Dを設立。現在は国産の棒高跳ポールの開発・販売など、多彩な事業を展開している。
合同会社 ポジティブアンドアクティブ Sports R & D | |
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住所 | 〒305-8574 茨城県つくば市天王台1-1-1 筑波大学グローバルスポーツイノベーション棟201 |
URL | https://panda-srd.com/ |
宍戸 こちらは、スポーツ用器具の研究・開発を手がける会社だそうですね。武田代表は、アスリートとしても長くご活躍されているとお聞きしました。
武田 中学2年から棒高跳びを始め、今もマスターズで競技を続けています。「どうすればより高く跳べるのか」を突き詰めるため、筑波大学入学後、大学院まで人間の体の動きを研究しました。やがてスポーツ用器具の開発に携わるようになり、その知見を活かして棒高跳ポールの開発に着手、2021 年 6 月に起業する運びとなりました。当社は日本のオリンピックアスリートを支援する筑波大学の研究チームが源流で、長年の活動で得た知見を社会に還元すべく設立されたんです。
宍戸 キャリアも実績も豊富な武田代表が、実際にどのような器具を開発されているか、ぜひ詳しく聞かせてください!
武田 当社では、素材にグラスファイバーを使用し、軽量で初心者や女子選手向けの「DEFY」、軽量化と高い反発性の両立を実現した「LEAP」、2種類のポールを開発しました。初となる国産ポールということで多くのご注目をいただき、受注生産でご提供しているところです。他にも、ポールの先端に取り付けるプラグの開発・販売もしております。
宍戸 日本の棒高跳び選手にとって国産ポールの登場は嬉しかったでしょうね。
武田 ありがとうございます。開発中はクラウドファンディングで資金を集め、材料の提供や製造面でも多くの企業様に協力していただきました。皆様のおかげで、日本人に合った最高のポール開発を実現できたと思っています。
宍戸 ポールを使用した選手たちからのレビューを聞けると、より一層やりがいを感じるのではないでしょうか?
武田 はい。器具の開発は一筋縄ではいかないことも多々ありますが、選手たちから「扱いやすいポールだった」「記録が伸びた」と声を掛けていただいた時には、その苦労がすべて報われるんです。私は今、棒高跳びの日本人女子選手がオリンピックで活躍する姿を見ることを大目標に定めています。当社のポールは棒高跳びを始めたばかりの女子中学生にも愛用していただいているので、5年後、10年後が楽しみで仕方ありません。一方、60歳から棒高跳びを始められた方も当社のポールを使ってくださっていて、全世代の人たちに競技を普及することも、私たちの役目だと感じています。
宍戸 武田代表がいてくだされば、日本の棒高跳び競技の未来は安泰ですね。今後のビジョンについてはいかがですか?
武田 器具購入の障壁をなくし、1人でも多くの方に棒高跳びの魅力を知っていただくためにも、より軽量かつ丈夫で、反発力の強いポールを開発し、コスト面の改良も続けていくつもりです。また、棒高跳び以外の競技の器具でも開発を進め、日本のスポーツ界に恩返しできるよう、この先も走り続けていきます!

GUEST COMMENT
宍戸 開
競技者として打ち込んできた棒高跳び。そのバックグラウンドと研究者の目線を生かし、これまでにないポールの開発に挑む武田代表は、ご自身の“好き”を原動力に仕事を楽しまれている、本当に幸せな方だと感じました。これからもさらなる高みを目指し、日本スポーツ界の発展に貢献されてください!