大学で建築設計を学び、卒業後はゼネコンに14年、不動産ファンドに2年、大手設計事務所に13年勤務する。その中で建設プロジェクトを統括するコンストラクション・マネジメントの仕事を数多く手がけ、2021年に独立して(株)建築査定コンサルティングを設立。建築予算を適正かつ透明にすることを使命に活躍している。
株式会社 建築査定コンサルティング | |
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住所 | 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-28-7 高田馬場ヒルサイドパレス508 |
URL | https://www.kenchikusatei.com/ |
吉井 こちらでは建築費用の査定コンサルティングというユニークな事業を手がけられているそうですね。瀬川社長は建設業界に身を置かれて長いのですか?
瀬川 ええ、私は大学の建築科を卒業してゼネコンに就職し、現場作業から企画まで多様な経験を積みました。支店の立て直しなど重要な業務にも携わった後は、不動産ファンドや設計事務所に転職して、建築の発注者から委任を受けるコンストラクション・マネジャーとしてコストマネジメントに従事。2021年に当社を立ち上げた次第です。
吉井 充実のキャリアを歩んでこられたのですね。その延長線上に、今の事業があるということなのでしょうか?
瀬川 おっしゃる通りです。当社の仕事を端的に説明するなら、建築物の施主様にコストの「ものさし」をご提供すること。建築の中でも、特に大規模プロジェクトには適正な予算管理が欠かせません。そこで当社は、建設会社から提出される見積書を第三者の目でチェックし、記載ミス、項目の重複、過大な単価などによって金額が膨れ上がっていないか確認していきます。私たちの目的はあくまでも新築・改修工事の予算の透明性を担保することですが、結果として費用を3~7%ほど削減できる場合もあるんですよ。コスト・査定マネジメント専門の業態としては、日本では間違いなく当社が先駆け的存在であると思います。
吉井 なぜ、誰も成し得なかった事業展開を実現できたのか、社長ご自身は何が秘訣だと考えていらっしゃいますか?
瀬川 私はこれまでに国土交通省・外務省・東京都などが発注する公共工事の予算チェックを数多く担当してきました。だからこそ、官公庁や自治体の工事に求められる、客観的な資料に基づいた予算基準を誰よりも熟知しているんです。他にもこれまで2万件以上の査定実績があり、特に大型物件のコストマネジメントを得意にしていますが、そのような人材は非常に少ないのが実情なんですよ。
吉井 圧倒的な実務経験が、顧客の信頼感につながっているのですね。
瀬川 不動産業界は、1+1が100になってしまうことがあるほど、「どんぶり勘定」が横行する世界です。しかし私は建築技術者として1+1は2であるとコツコツ数字を積み上げ、根拠ある正しい予算をご提案するよう徹底しています。
吉井 そんな社長のもとには、この先もたくさんの依頼が舞い込むと思います。今後についてはいかがですか?
瀬川 不透明な部分が多い状況が続くことで、物件を購入されるお客様に不信感を持たれたり、損をされたりすることがないよう、厳密な予算チェックで不動産・建設業界の透明性を高めていきたいです。そして最終的には、建設工事において査定マネージメントを導入することが当たり前になるような世の中を実現したいと思います。

GUEST COMMENT
吉井 怜
巨額の予算が動く建築の世界は透明性が特に重要なのに、見積もりのチェックさえ当たり前でなかったことを知って驚きました。その中で専門知識を生かし、中立的な立場から「ものさし」を提供してくださる瀬川社長の存在は頼もしい限り。今後も多くの建設プロジェクトが円滑に進むよう、尽力されてください。