300人規模の建設会社に勤める中で頭角を現し、トップの職人に上り詰める。他の職人の技術の底上げをすべく努力をしていたが、徐々に会社の方針との温度差を感じるようになり、退職を決意。培った経験を最大限に発揮すべく2018年に「中村屋」を立ち上げた。現在は職人が長く活躍できる環境づくりにフォーカスして事業展開している。
中村屋 / 合同会社 一徹 | |
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住所 | 〒252-0232 神奈川県相模原市中央区矢部3-12-16 202 |
URL | http://nakamuraya-constr.com/ |
建設現場に資材を配置する揚重と、その資材を組み上げる建て方工事を専門に手がける「中村屋」。代表の中村氏は会社内における適材適所の人員配置を心がけ、職人が長く安心して働ける環境づくりに尽力している。その独自の経営哲学に、女優の宮地真緒さんが迫った。
より良い職環境を追い求めて
宮地 中村代表は、ここまで建設業界一筋で歩んでこられたそうですね。まずは独立までの経緯からお聞かせください。
中村 私はもともと、300人ほどの職人が在籍する建設会社に勤めており、日々の技術研鑽に励んでいました。その会社には地位も給与も高いトップの職人が10人ほどいましてね。私もそこを目指して努力した結果、到達することができたんです。しかし、次第に仕事のやり方や人間関係の部分でギャップを感じるようになっていきました。
宮地 高みに登られたからこそ、見えるものも多くなったということでしょうか?
中村 そうですね。私は、技術を持つ人間が率先して指導を行い、全体の底上げをするべきだと考えて意見していました。ところが、会社からは「お前ができても他ができないからやらない」と反対されてしまって。このままでは成長が止まると思い、退職することを決めたんです。そこから別会社へ移り、信頼できる後輩ができたことから、一緒に独立して2018年に当社を立ち上げました。
宮地 1人の職人から経営者へと立場を変えられて、見るべきことも増えたと思います。手応えはいかがでしたか?
中村 最初はホームページもなく、まったくの無名の状態でしたから、営業でごあいさつにうかがっても門前払いをされたり、単価の低い案件だけを回されたりするなど、苦労した時期もありました。それでも地道に営業活動を続け、確実に仕事をしていく中で、少しずつ良いお付き合いをさせていただけるお客様が増えていったんです。ありがたいことに、今ではキャパシティの問題でお断りしなければならないほど多くのご依頼をいただけるようになり、対応力を上げるために人員拡充を急いでいます。
宮地 コロナ禍の中で事業を成長させ続けるのは簡単ではありませんし、代表の経営者としての手腕を感じます。
中村 ありがとうございます。逆に、厳しい状況だからこそ、しっかり生き残った会社には自然と依頼が集まってくると信じ、努力を続けています。現在、スタッフは13名まで増えましたが、2021年中にはさらに15名ほど雇用して、よりチーム力を高めていくつもりです。
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