インタビュー

建築

有限会社 たけだ材木店

老舗材木店の長男として生まれ、幼少期から家業を意識して育つ。学業を終えるとホテルマンとして社会経験を積み、さらに木材市場での修業を経て家業に入る。業務にIT技術を導入するなど変革を進めるために40歳で3代目社長となり、現在まで業容拡大を続けている。

有限会社 たけだ材木店
住所 〒811-1365
福岡県福岡市南区皿山2-7-18
URL https://takedazaimokuten.com/

 こちらは半世紀以上の歴史を持つ材木店だとうかがっています。まずは、武田社長のこれまでの歩みからお聞かせください。

武田 私はこの会社の創業者である父親のもとに生まれ、幼い頃から後継ぎになることを意識していました。しかし、学業修了後は家業から離れて社会経験を積んだほうが良いと考えてホテルマンとして働き、サービス業に従事していたんです。程なくして私は木材市場へ転職し、材木業のいろはを3年にわたって勉強しました。

 では、家業へ戻られるタイミングはどのようにして訪れたのでしょうか?

武田 父親が体を壊してしまったため、24歳のときに家業へ戻ることにしました。その後父親は亡くなってしまい、一緒に仕事をする時間が短かったことはとても残念でしたね。そして、叔父が事業を引き継ぐこととなり、私は社員として家業に貢献していました。しかし、時代が進むにつれ、業務にIT技術を導入する必要が出てきて、叔父の世代では対応しきれない部分も増えてきたんです。そこで、私が3代目に就任することになりました。

 業務改革という使命を持って代表取締役に就任されたのですね。

武田 はい。業務をデジタル化することだけでなく、旧態依然とした体制面も改革していくことを決意し、その中でスキルや適性を考慮した人材の入れ替えも進めました。当社では用途に応じた豊富な樹種の建築木材はもちろん、建具や新建材、住宅設備機器なども取り扱っています。また、都市部の狭い家屋でも作業がしやすいようにするために、プレカット加工をして作業場まで運搬するなど、よりお客様に喜ばれるサービスを追求してきました。

 老舗の看板を背負いながらも守りに入ることなく改革を進められたところに、社長の手腕を感じます。お客様目線でのサービスを考えていらっしゃるのも、かつてのサービス業でのキャリアが生かされているのでは?

武田 そうかもしれませんね。また、質の高いサービスを提供するにはスタッフのモチベーションも重要になると考え、木材運搬であれば運んだ本数がそのまま給料に反映されるなど、スタッフの頑張りが収入に直結するシステムも整えているところです。スタッフたちの存在がなければ事業を続けることはできませんから、上下関係ではなく、共存関係で歩んでいければと考えています。

 この先もますます会社を進化させていくことと思います。最後に将来のビジョンについてもお聞かせください。

武田 これからは人材の採用と育成に力を入れ、少しずつスタッフに任せる仕事を増やしていくつもりです。また、お客様のご要望にしっかり応えることをモットーに、まい進し続けていきます。

GUEST COMMENT

巻 誠一郎

「スタッフに任せた現場は、私はできるだけ触らないようにしています」と話す武田社長。サッカーのクラブでも、監督・コーチ・選手の階層ごとに役割を守っているチームほど結束力が高いので、越権を避ける社長の姿勢をこれからも大切にしてほしいですね。今後も、材木業界を牽引し続けてください。


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