インタビュー

建築

株式会社 翠雲堂

東京都出身。(株)翠雲堂を創業し、社寺建築と仏具製作を手がける祖父と父親の背中を見て育つ。大学時代の欧州旅行で西洋芸術の素晴らしさに感動すると同時に、日本の伝統文化、仏教美術の奥深さを改めて認識し、家業に入ることを決意。学業修了後は繊維卸会社で社会経験を積み、程なくして家業へ戻る。2012年に5代目社長に就任し、さらにレベルの高い建築を実現すべく体制強化を続けている。


株式会社 翠雲堂
住所 〒270-2218
千葉県松戸市五香西3-6-1
URL https://suiundo.co.jp/

1937年の創業以来、80年以上にわたり質の高い仏具製作、社寺建築を手がけてきた(株)翠雲堂。5代目社長の山口氏は伝統技術を守りつつ、さらなる高みを目指して攻めの経営を貫いている。「本物を追求する」という同氏の強い信念に、女優の宮地真緒さんが迫った。


変化を恐れず改革に着手

宮地 こちらは戦前から仏具や社寺の建築に携わり続けていらっしゃる老舗企業だとうかがっています。まずは、山口社長の歩みからお聞かせください。

山口 私は幼少期から創業者である祖父や父の背中を見て育ったんです。とはいえ、家業を継ぐんだと強く意識はしていませんでした。転機となったのは、大学時代の欧州旅行。西洋の建物の歴史に触れた際に、「日本にもこれに負けない歴史や、仏教美術の奥深さがあるんだ」と強く認識したんです。

宮地 なるほど。海外文化に触れたことが、日本の伝統芸術の素晴らしさを再認識するきっかけになったのですね。

山口 はい。折しも当時2代目社長を務めていた父が優秀な大工を集めて本格的に社寺建築へ乗り出しており、私にも「手伝ってほしい」と打診があったんです。ただ学業修了後は、一度社会経験を積むべく繊維卸会社に入社して仕事のいろはを学ぶことにしました。その後家業へ戻り、現場で経験を積みながら、少しずつ地位を築き上げ、2012年に代表取締役社長に就任しました。

宮地 後を継がれるタイミングはどのようにして訪れたのでしょうか?

山口 先代が高齢になったこともあり、私が事業を引き継ぐことになりました。当時は建築ブームが訪れていて、会社としての在り方を今一度考えなければならないタイミングでしたね。そこで私は、現状を維持しているだけでは前へ進めないと思い、すべての分野で仕事のレベルをもう1段上へ引き上げるべく、改革に着手しました。

宮地 老舗の看板を守られる立場で、あえて改革に乗り出すところに、社長の経営者としての手腕を感じます。どのような取り組みをされたのでしょうか?

山口 まずは、建築部門で現場を指揮できる人間をそろえるために、腕利きの職人や一級建築士などを雇用し、少数精鋭の体制を整えました。さらに、社寺建築に欠かせないヒバ材の産地である青森に新しく工場を建て、常に上質な木材を確保できるようにしたんです。こうして、社寺の設計施工から仏具一式に至るまでのすべてを一貫対応できる基盤ができ上がり、オンリーワンかつナンバーワンの企業へと成長させることができました。

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