インタビュー

製造・技術

失敗を糧に生産管理システムを導入

鶴久 では、現在請け負っているお仕事についてお聞かせください。

松尾 私は長年、自動車や機械などのモーター部分の加工用金型の製造に携わってきたため、現在も培った技術を生かして精密部品加工や研削加工を手がけています。お客様からの細かなご要望にお応えするため、最新鋭の設備で対応しているんですよ。また、生産管理システムを導入し、各部署のスケジュールや各工程の稼働状況などをすべてデータとして見える化することで、生産効率の向上も図っているんです。

鶴久 徹底した現場管理をしていらっしゃるのですね。

松尾 実は、生産管理システムを導入したのには理由があるんです。というのも、会社設立からしばらくは、「やればできる」の理念を重んじ、いただいた依頼は絶対に断らず、すべてお受けするということを続けていたんです。しかし、同時に遂行できる作業には当然、限界があります。10年以上も無理を続けるうちに、少しずつ納期が遅れてしまう案件が増えてしまったんです。それまでは「困ったらフォーバンドに頼めば大丈夫」と信頼してくださっていたお客様も、「納期が遅れるなら依頼はできない」と離れていきました。そのように一度信頼を失ってしまったからこそ、納期を必ずお守りするという当たり前のことを改めて強く意識することができ、管理システムの導入に至ったんです。

鶴久 過去の失敗を糧に、より良い組織をつくろうと努力されているところに、社長の経営者としての手腕を感じます。

松尾 ありがとうございます。作業工程をしっかり管理するようになって、納期遅れがなくなったことはもちろん、不必要な外注作業を依頼することもなくなり、今は無理のない受注数で利益率を上げることができていますね。もともと、ものづくりに対する社員一人ひとりの気持ちは他のどこにも負けないほどのものがあります。そのうえ、業務が効率化したことで社員のモチベーションもさらに向上しました。最近では会社をよりよい組織にするためのアイデアを積極的に出してくれていて、ありがたい限りです。

世界に通用するQCDを実現

鶴久 会社のさらなる成長を見据えて、2019年からは働き方改革への取り組みも始められたそうですね。

松尾 ええ。製造業界は古くから、過酷な条件で長時間にわたって労働する体質が続いてきました。そこで当社は、時代に合わせて変えるべきところは変えていこうと、残業時間の短縮に取り組んでいます。もちろん、ただ残業時間を減らすだけでは社員の給与が下がってしまうので、成果報酬制度を取り入れるなど、短時間で結果を残したいと皆が思える仕組みを整えているんです。

鶴久 働きやすい環境づくりをしてくれる社長のところには、この先もたくさんの仲間が集まってくることと思います。

松尾 そうであれば嬉しいです。私の夢は、いつも頑張って仕事をしてくれる社員たちの給料を、大手企業並みに引き上げること。そのためには、まだまだ事業を拡大する必要がありますから、品質、コスト、納期を意味するQCDを、海外のライバル企業にも負けない水準にするよう、努力し続けてまいります。

GUEST COMMENT

鶴久 政治

「仕事だけでなく、私のプライベートの予定なども見える化して、全員がそれを把握したうえで動けるようにしています」と語っていらっしゃった松尾社長。堂々と構えられ、取り組みのメリット・デメリットや自らのあるべき姿をはっきりと見据えていらっしゃるところに、この上ない頼もしさを感じました。改革の次に訪れる大きな飛躍を、私も期待しています。

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