インタビュー

建築

株式会社 一円工業

学業修了後は、バイク好きが高じて金属加工会社に入社し、溶接業を手掛ける。ある時、地元の知人の紹介で、親子3代にわたって営む老舗電気工事会社から誘いを受け、27歳で転身を決意。電気工事士の資格を取得した後、同社に入社を果たした。それから14年ほど経験を積み、代表者の退職に伴い、社員を引き継ぐ形で、2019年3月に新会社を設立。現在は、前身の会社から継いだ仕事に加え、新たな依頼も獲得し、事業を軌道に乗せている。

株式会社 一円工業
住所 〒534-0011
大阪府大阪市都島区高倉町3-11-11
URL https://1-maru.co.jp/

大阪府大阪市を中心に電気工事を手掛ける(株)一円工業。前身の老舗電気工事会社から経験と技術を受け継いで、2019年に新たに設立された同社は、代表取締役を務める辻良一氏の下、社内体制の整備・強化、働き方改革や人材育成に力を入れている。時代に即した考えで改革を推し進める辻氏に、元ボクシング世界王者の西岡利晃さんが話を伺った。


仲間の生活を守るために一念発起

西岡 まずは、辻社長の現在に至るまでの歩みからお聞かせ頂けますか?

 私はもともと金属加工会社に勤めていて、電気工事とは関係のない仕事に就いていました。そうした中、親子3代にわたって電気工事を営む会社の社長に声を掛けて頂いたのがきっかけで、27歳で電気工事士の道へ進むことになったんです。実は当時、入社予定日の直前に交通事故で足を骨折してしまいまして。それで入社時期を延ばして頂いている間に、少しでも知識を付けておかなくてはと、電気工事士の資格も取得しました。

西岡 勉強されてからの入社とは言え、全く未経験の業界となるとご苦労も多かったでしょう。
辻 そうですね。その上、この業界は10代から職人として現場経験を積んでいる人も多い中で、私はスタートが20代後半で、周りよりも遅かったんです。その遅れを取り戻そうと、とにかくがむしゃらに頑張りました。その結果、たくさんの先輩に可愛がって頂き、いろいろなことを吸収できましたね。

西岡 ご自身の努力で、スピーディーに成長してこられたのですね。そこから、経営者になられた経緯が気になります。

 私自身、起業への思いがあったわけではなく、当時は前職の社長の右腕になろうという覚悟で仕事に臨んでいました。それがある時、社長が会社を辞める決断をしまして。きっといろいろな事情があったのだと思います。しかし、このままでは社員が路頭に迷う羽目になってしまう・・・。そこで、思い切って自分が会社を立ち上げようと考えたんです。社員のみんなにも「自分が社長になるから、一緒に働くかどうか考えてほしい」と伝えると、ありがたいことに、ほとんどの社員が付いてきてくれました。

西岡 それは素晴らしい!皆さんのために、という思いで一念発起されたんですね。突然の起業で、不安もあったのではないですか?

 もちろんありました。しかし、もともと前職の社長の近くで経営の仕方や人との付き合い方をずっと見てきましたから、その学びを生かせば頑張れるはずだという思いもありました。
 そして何より、たくさんの周囲の方々に支えて頂きまして。事情を知っている元請けなどの取り引き先の方々が、立ち上げたばかりの当社に継続して仕事を依頼してくださったんです。他にも、協力業者や知人の行政書士などの力を借りて、順調なスタートを切ることができました。

西岡 周囲の方が手を差し伸べてくれたのは、社長の人柄があってのことだと思います。社長は義理人情に厚く、男気がありますね。

 私がこういう仕事のスタイルになったのも、前職の社長の影響が大きいんですよ。前職の社長が、プレッシャーを背負いながらも代々続く会社を引き継いだり、いろいろなしがらみにも辛抱強く対応してきたりする姿を見て、自然と自分にも、責任を全うする「男気」というものが刷り込まれていったんです。だからこそ、前職で現場をまとめていた頃も、「チーム辻」として、メンバーの失敗は全て自分の責任だという意識は常に持っていました。現場から会社全体を監督する立場に変わり、まだ「社長」と言われるのは小恥ずかしい部分があるものの、自分なりに精一杯、楽しく頑張れていますよ。

若い世代が「頑張れる」仕組みづくり

西岡 では、改めて御社の事業について詳しくお聞かせください。

 電気工事の施工・メンテナンス、施設の電気引き込み・保守など、電気設備に関する一通りの業務を手掛けています。規模についてもビルやマンションといった大型施設から、住宅などの小規模な建物まで、幅広く対応しているんです。

西岡 それだけの対応ができるのも、前職の会社でしっかり経験を積んだ職人が揃っているからこそですよね。チームワークも出来上がっているわけですから、非常に心強いでしょう。

 そうですね。おっしゃる通り、当社にはベテランも多く、知識・経験・技術共に申し分ない仲間が集まっています。電気という目に見えないものを扱う私たちの仕事は、危険と隣り合わせの現場も多いので、さまざまな場面で培った経験が生きるんです。
 ただ、これから会社を発展させていくには、その技術をしっかり継承してくれる若手の力が必要だと考えています。

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