幼少期から起業を志し、大手運送会社で働きながら夢の実現を模索。その後、ある職人との出会いを機に、31歳にして建設業界へ足を踏み入れる。そこで職人と会社の双方が福利厚生への意識が低い現状を目の当たりにし、業界改革へ乗り出すことを決意。(株)Neoを設立し、現在は良質な外壁工事を手掛けながら、職人そして業界全体の地位向上を目指して奮闘している。
株式会社 Neo | |
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住所 | 〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜3-19-11 加瀬ビル88 4F |
URL | http://neo-type.yokohama/ |
建設業界において、誰もが二の足を踏んできた職場環境の整備に乗り出し、ひたむきに業界改革を目指す(株)Neoの鈴木社長。数々の困難に打ち勝つために、どんな信念を抱いているのか。そして社長が思い描く未来とは──タレントの水野裕子さんが迫った。
建設業界の存続のために独立
水野 鈴木社長は、別の業界からこの建設業界に入られたと伺っています。
鈴木 そうなんです。私は、幼い頃から「いつかは起業して社長になりたい」という夢を抱いており、まずはそれを実現する方法を模索して、大手の運送会社に就職しました。働きながらどの業界に進むべきか考えを巡らせていたのですが、ある時、建設業界で働く職人の方と偶然知り合って。その出会いがきっかけとなり、31歳にしてこの業界に足を踏み入れることになったんです。
水野 若くして職人になられる方も多い中で、全くの未経験から業界へ入られるというのは、簡単なことではなかったと思います。
鈴木 ええ。自分より年下の先輩ばかりでしたが、そんなことを気にしても仕方ありません。仕事は「見て覚える」スタイルでしたから、作業の写真や動画を撮影して帰宅後に復習をしていました。実際に現場に出る前にはイメージトレーニングをするなど、1日も早く先輩たちに追い付けるよう工夫を凝らしながら勉強し、技術を身に付けたんです。失敗もありましたが、そこで諦めてしまってはそれまでの努力の意味がなくなってしまいますので、気持ちを切り替えて再スタートをするようにしました。
水野 限られた時間の中で、頭を整理してから行動することの大切さは、私もスポーツに携わりながら実感しました。そこから独立に至った経緯というのは?
鈴木 第一線で働くうちに、建設業界が抱える問題点が見えるようになりまして。職人たちの多くは生涯この仕事を続けますが、「自分の生活が成り立つなら、現状で十分」と考えがちで、企業側もそれに乗じて保険などの福利厚生面への配慮を怠っていました。この状況をそのままにしていては、建設業界で働きたいと思う若者が減り、職人の技術が衰退してしまう──そんな業界の未来に危機感を覚え、独立して職人の働く環境を整えることを決意したのです。