近年、企業側が社員にマイホーム取得を促す傾向にあるという。年金制度が破綻し退職金もままならない今、定年退職後の生活を考慮してのことだ。実際、持ち家取得者に対して「持家手当」「持家促進手当」「住宅ローンの利息を会社が一部補助」などの具体的補助策を開始した企業もある。日本リアライズ特集第二部では女優の矢部美穂さんが、同社の法人営業部を牽引する大山さんと定山さんに、表題の理由を聞いた。
「老後」をリアルに考える
矢部 御社では新たに、法人営業部を立ち上げられたそうですね。
大山 はい。今まで弊社では個人のお客様を対象に、マイホーム購入を含めたライフプランをご提案させて頂いてきました。しかし企業が社員を守る時代と捉え、法人様にご提案することの社会的意義も大きいことから、現在は私と定山が中心となって展開しています。
矢部 つまり企業経営者の方々に対し、“スタッフがマイホームを持つことの重要性”を伝えていくということでしょうか。
定山 そうですね。どの経営者様も基本的に、「頑張ってくれている社員を守りたい」「会社を発展させるため社員に頑張ってほしい」という願いはあると思います。しかし年金制度が破綻し、終身雇用が崩れ退職金もままならないのに、会社がスタッフの面倒を見てあげられるのは定年退職まで。しかも昔と比べ、健康な高齢者が増えて退職後の人生も伸びています。つまり、定年まで勤めあげてくれた社員に待つ「老後」は、誤解を恐れずに言えば「お金がないのに長生きしなければならない状況」でもあるのです。
矢部 だから老後は少なくとも、家賃を払う必要のないマイホームを持っている必要があると。
定山 ええ、ですから社員に家を持たせてあげることは、社員の老後を守ることにも繋がります。定年退職した社員の家賃を払うわけにはいきませんが、在籍している社員の老後を一緒に考え、支援してあげることはできるのです。
矢部 私が一社員だとして、経営者に老後の心配までして頂けたとしたら、やっぱり嬉しく思います。大事にしてもらっているなと感じますからね。