松村 となると、中立の立場というのが求められそうです。
有村 おっしゃるとおり、そこが一番重要なポイントですので、自分が偏った考え方をしていないかということを常に頭に置き、検証しています。最近は働く方にも労働に関する情報が届くようになり、権利の主張ばかりする人も増えていますが、「本当にそれに見合うだけの働きをしているのか」と疑問に思う場面も多々あります。仕事をするなかで「自分にとって何が大切なのか」ということを従業員一人ひとりが主体的に考えていくことも必要だと思っています。
松村 なるほど。働く側も企業に頼りすぎてはいけないと思いますし、やはり企業と従業員が考え方を共有しながら成長していくということが健全な企業経営につながっていくのでしょうね。
有村 その役割を果たす一例として挙げたいのが“就業規則”。法律では従業員数10人以上から作成義務が生じるのですが、10人未満でもトップの想いを浸透させていくツールとして就業規則を作ることをお勧めしています。立ち上げ時期を乗り越えたメンバーは、事業拡大後の中間管理職として中心になりうる方々です。その人たちと会社のルールを作り上げていくことで、後々、トラブルになりにくくなるのです。
また私はキャリアコンサルタントとして、一人ひとりの職業人生をサポートさせて頂いています。こうした取り組みも通じて企業目的を果たすための両輪がバランスよく回るよう、お役に立てたら嬉しいです。
松村 代表の明るい人柄があるからか、その言葉に温かみを感じます。
有村 おそらく人生において、仕事に費やす時間が最も長いという人がほとんどですよね。だからこそもっと前向きに、楽しく働いてほしい─。そういった観点から、有意義な労使関係を創るための人事周りのご相談を得意とした社会保険労務士として、今後も活動していきたいですね。また、他の社労士の方々と交流していくことで、私自身の視野も広げていけたらと考えています。

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GUEST COMMENT
松村 雄基
社会保険労務士は、ある意味で企業のマネージャーのような仕事だということをはじめて知りました。企業と従業員のあいだに中立な立場で入って成長をサポートするという非常に社会的意義のあるお仕事だと思いますから、ぜひ今後もご活躍されてくださいね。