インタビュー

スペシャリスト

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変わりゆく日本を生きる心構え

「アベノミクス」以外にもTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の参加も取り沙汰されており、今後は製造業以外でも、不動産業、士業、医療関係など、大きな変化が訪れると思います。

20130801_cl_ex01森永 最初にお話ししました格差の拡大・富の二極化は、現状の政策が続いていくならば、あらゆる分野において表面化してくるでしょうね。不動産であれば、駅前のタワーマンションなどの人気物件の価格はさらに上がり、そうでない物件は横ばい。また、TPPが開始されれば、医療業界は激変するでしょう。保険外診療を保険内診療と同時に行うことを可能にする混合診療による、医療費の高騰。これにより、誰もがある程度平等に診察を受けられる現行の体制は崩壊します。現にアメリカでは既に医療機関が真っ二つに分かれており、盲腸での一泊二日の入院費が200万円もするような施設もある反面、安価で診察を受けられるNPO法人運営の病院では診察に5時間待ち、などというのが現状です。

―それがいわゆる「グローバルスタンダード」であると。

森永 それは私は良くないことだとは思うのですけどね。ただ、実際にそれを推進しようとしている人たちがこの国を動かしているのも事実。そして、その変化の象徴がTPPであると言えるでしょう。

―今後この日本で起業をする、もしくは起業を果たしたばかり、という人もたくさんいます。最後に、そのような方々へのメッセージをお聞かせください。

森永 まず起業した人たちに伝えたいのは、起業直後は徹底的に無駄を省き、自己資金を確保するべきということですね。企業経営の理想は、無借金であること。借金を背負うことは、その相手に対して経営に関与する余地を与えてしまいますからね。事業を運営していくにおいては、まずは無借金の状態を目指すべきで、高価な革張りの椅子やふかふかの絨毯というのは、自己資金のみでの経営を実現させてからにするべきだと思います。
また、私は個人的には週休3日・サービス残業廃止論を唱えているのですが(笑)、これはどういうことかというと、日本人はもっと遊ぶべき、色々なものに興味を持つべきだと考えているんです。そうすることで、日本人はもっとクリエイティブになることができます。イタリアやスペイン、フランスといった国々が、なぜ良いものを作れるのか、それは遊んでいるから。日本人のものづくりの能力は非常に高いのですが、そこにクリエイティブな要素、すなわち「楽しさ」を加えれば、これまで以上にもっともっと良いものができると思うのです。これはものづくりに限らず、どの職種、どのサービスでも同じことです。
起業も含め、これから新しいことを始めようとする人たちには是非ともいろいろなものに興味を持ってほしい。それこそ傍から見ればバカらしく見えることであっても、その世界に興味を持ち、没頭していくことで、新たなビジネスのヒントやマーケットの可能性に出会えたりするわけですからね。

■ 森永卓郎氏のコレクション

20130801_cl_ex02 自身を「オタク」と称し、人生を楽しむ一環として様々な物品をコレクションしている森永卓郎氏。そのジャンルは60を数え、インタビューさせて頂いた作業部屋にあるものは、その1/1000程だという。ジャンルも、食玩、ミニカー、アニメグッズ、フィギュア、携帯ストラップ、ペットボトルの蓋など多岐にわたり、森永氏曰く「フリーマーケットに行けば、私のコレクションにどの程度の値がつくのか相場が分かる」とのこと。中でも出色なのはお菓子メーカー「グリコ」のおまけコレクションで、これまでに世に出た総勢約2万5000種類の内、1万種類を収集。これはグリコ本社の博物館にある5000種類を優に上回っている。また、著名人の名前にひもづけたグッズにサインを入れてもらった「有名人だじゃれコレクション」といったものもあり、こちらも既に350名以上の著名人からサインを頂いているそうだ

(取材:2013年4月)

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