マイホームを持つことの意義
矢部 では改めて、マイホームを持つことの具体的なメリットを教えてください。
古川 大別して7つあります。第1に、冒頭でも申し上げたとおり「老後の住居確保」です。老後に必要なお金を年金や退職金でまかなえた時代であれば、一生ずっと賃貸でも基本的には問題ありませんでした。しかし端的に言うと“お金がなく長生きする我々世代”は、定年後の20〜30年を含めて一生涯、家賃を払えますか?ということなんです。
矢部 ずっと家賃を払い続けることを考えると、ちょっと恐ろしい気がします。
古川 第2に「『万が一の安心』が得られる」ということ。社宅有りの企業もありますが、仮に社宅住まいの社員さんに万が一のことがあれば、そのご家族はもう社宅に住むことができません。しかし住宅ローンを組んで団体信用生命保険に加入すれば、返済中に返済者が死亡あるいは高度障害状態になった場合に保険金でローンの残高が返済されるので、万が一のことがあっても安心なのです。
それに伴い保険を見直すことで、無駄な支払いを無くすことができます。そもそも昨今では家賃並みの金額でマイホームが買えるうえ、さらに住宅ローン減税もありますので、ざっと考えても月々3〜4万
は支払いが少なくなるでしょう。ということは実質的に月々3〜4万
、給料が上がったと考えることもできますよね。普通に考えたら5〜6年は勤めないと上がらない給料分が、家族の万が一の安心を守ったうえに付いてくる。そう考えると、メリットは大きいと思います。
矢部 安心とお小遣いを同時に得られたら嬉しいです(笑)。
古川 そして第3に「優れた住環境」が手に入るということ。特に昨今の新築マンションは遮音性能が高いため、賃貸物件にありがちな騒音に悩まされずにすむケースがほとんどで、“ピアノ可”という新築住宅も増えていますね。セキュリティにも優れているので安心して仕事に打ち込めますし、例えば長期旅行にも行きやすくなるでしょう。
それに現代はストレス社会。余談ですが日本人が60歳までに死亡する確率は約8%で、その半分近くは自殺です。そしてその自殺は鬱やストレスから引き起こされてしまう。そのストレスを軽減させるという意味では、快適な住まいというのは重要なファクターです。新築住宅に完備された上質の風呂・リビング・システムキッチンなどがある生活を通じてストレスが軽減されれば、きっと生き生きとした人生を送れるでしょう。暮らしが活力となり、仕事にも最大のポテンシャルで臨めるはずです。
矢部 毎日のことだからこそ、住宅には癒しを求めたいですよね。
古川 第4に「責任感・計画性・経済感覚の向上」が挙げられます。住宅ローンを組む、すなわち借金をすることでお金に敏感になります。ローンの存在が浪費を抑制し、貯蓄志向に向かわせます。実際、賃貸に住む方よりも住宅ローンを組んでいる方のほうが貯蓄率が高いという統計上のデータもあるんですよ。また、責任感・計画性・経済感覚というのは、優れたビジネスマンの必須条件でもありますよね。
矢部 お金の大切さを身を以て知れるのもいいですね。
古川 お金という意味では、第5に「お金の勉強ができる」というのもマイホームを持つことのメリットです。住宅ローンを考えるということは、金利や返済年数、収入や税金、生活費や将来設計など、今後かかるであろう「お金」について真剣に考えるということ。日本では小学校から大学を通じて学ぶことのない「お金の知識」を、弊社スタッフが個々の状況に合わせてお伝えさせて頂きます。
矢部 生きている以上、必ずお金は必要ですから、正しい知識を身に付けるに越したことはありません。なるほど、実利だけでなく知識が得られるのも見逃せないメリットですね。
古川 それと第6に「満足感・自信・誇り・精神的部分に作用する」という利点もあります。そもそも自分が勤める会社の上役がずっと賃貸住宅に住んでいたとしたら、部下はどう思うでしょうか。一生で一番高い買い物をして得られる満足感や自信、家族を守っているという誇りが、精神面にプラスの作用をもたらします。
矢部 その思いはきっと、質の高い仕事にも繋がっていくはずです。
古川 そして最後、第7に「対外的・内部的信用」を得られるのもプラス材料ではないでしょうか。マイホームを購入したというだけで社会的信用が高まります。また当然のことですが、住宅ローンを組んでいる人のほうが離職率は低いです。高い意識で仕事にも臨んでくれるでしょう。ただし銀行の審査の仕組み上、年収が同じなら独身でも家族がいても同じ額だけ融資してくれるので、その人に合った物件を見極めご提案させて頂くことも、弊社ライフプランアドバイザーの大切な要素の1つと考えています。