インタビュー

卸・販売

株式会社 メディアゲイト

三重県鈴鹿市出身。幼少期に北海道へ引越す。学業修了後は運送会社に就職し7年間勤務。その後、横浜の映像ソフト卸問屋に転職し、北海道の支店長を経験した。2003年、(有)北海道メディアソフト販売を立ち上げ独立。商号・社名を変更し、現在に至る。

本社 〒060-0906 北海道札幌市東区北6条東2-2-7 札幌総合卸センター2号館 2F
TEL 011-704-5200
FAX 011-704-5201

逆境を逆手にとったシステム

矢部: 本柳社長は、どのような経緯で映像ソフトの卸販売業を始められたのですか。

本柳: 以前は運送会社に勤めていたのですが、肉体労働ですからいずれ年齢的にも限界が出てくるだろうと思っていました。そんな時、配達を担当していた横浜の映像ソフト卸問屋さんから「この仕事をやってみないか」と誘われ、人生の転機と捉えてこの業界に飛び込んだのです。そして5年間その会社で卸問屋のノウハウを学ばせて頂き、北海道の支店長を経て、2003年に独立を果たしました。

矢部: 御社では北海道の小売店を中心にDVD等を卸していらっしゃると伺っています。卸業というと全国の小売店を対象にすることもできると思うのですが、どうして北海道にこだわっていらっしゃるのでしょうか。

本柳: 卸先を東北や関東にまで広げてしまうと現地の問屋さんとバッティングし、価格競争を引き起こして、共倒れしてしまう可能性があるからです。ですから、問屋業界ではそれぞれの地方をテリトリーとし、ネットワークを組んで協力体制をとっています。例えば道内の小売店から他の地方の問屋さんに注文が入った場合は当社のことを紹介してくださいますし、逆に他の地方から当社に注文が入ってきた場合はその地方の問屋さんを紹介させて頂くんです。特に、当社は北海道地区の総販売代理店としてメーカー各社から北海道での販売を一任されている立場にあるので、北海道の先に進出するつもりはありません。

矢部: 話によると、御社では独自の形態で商品を卸していらっしゃるとか。その特長をお聞かせ頂けますか。

本柳: 当社が他社と決定的に違うのは、小売店に無償で商品を提供し、売れてから買い取って頂くという点です。通常、小売店側は商品を買い取らなければ棚に陳列することができません。一度買い取った以上は売れない限り在庫となり、販売スペースを圧迫するためリスクとなります。そのため、これまでは多くの小売店が発注に対して慎重な姿勢を崩しませんでした。しかし、私の経験から言わせてもらうと、DVDは陳列されていればほぼ確実に売れます。だからこそ、このシステムを考え出したのです。初めは北海道中の小売店を1軒1軒回って営業し、このシステムに協力してくださるメーカーさんを探し・・・成功させる自信はありましたが、苦労もしましたね(笑)。ただ、前職でメーカーさんとのパイプを築くことができていたので、協力して頂けたのは幸いだったと思います。

矢部: 新しいことを始めると、理解してもらうまでに時間がかかりますものね。旧知の仲だったとはいえ、一体どのようにしてメーカーからの協力を得たのでしょうか。

本柳: 例えば矢部さんが東京から北海道まで荷物を発送すると、本州に発送するより送料が多くかかりますよね。それと同じで、関東のメーカーさんが北海道の問屋に卸すと送料が高くついてしまい、利益にならないんですよ。だから、これまで北海道はあまり重要視されてきませんでした。そこを逆手に取り、当社に商品を一括して送って頂くことで送料を抑え、なおかつ集金業務なども当社がまとめて管理できることをアピールし、興味を持って頂いたんです。

矢部: 発想の転換ですか。新たな需要を開拓するためには、今まであまり重要視されてこなかった地域の開拓も必要ですものね。最近は配信サービスが当たり前になってきているので、DVDの市場も影響が出ているのではないでしょうか。

本柳: 確かに動画の配信サービスも伸びているようですが、DVDの需要にあまり影響は出ていません。特に当社では売れる作品を厳選して小売店に提案していますので、失敗することはあまりないんですよ。逆に在庫は当社が抱え込んでいますから、売れる商品を押していかないと収益に繋がらないんです。つまり、小売店の売上が当社の利益になるので、毎月約5000本発売される新作の中から選りすぐった商品を卸しています。そのためにも、常にスキルの向上と市場の把握は欠かせませんね。

現状に満足せず、挑戦し続ける

矢部: 起業されてからの5年間を振り返るといかがです。

本柳: いやぁ・・・時間が経つのは早いですね。初めはゼロからスタートして、取引先が増えていくにつれて社員も増えて、支店も出して。それに伴い人件費や設備面でもコストがかさむようになり、別事業に手を出して痛い思いをしたこともありました。以来、「慌てる乞食は貰いが少ない」ということわざを教訓にしているんです(笑)。経営面でも人材面でも、焦っても良いことはありません。その辺のバランスの取り方は、まだまだ未熟だなと感じます。

矢部: 社長自身にいくら商材の才能があっても、現場で動いてくれる社員一人ひとりの力が無くては上手くいきませんものね。

本柳: このシステムはメーカーさんと小売店さん、双方にとって利点があることが前提ですから、利益を減らすようなことがあれば当社の信頼に関わります。売れる商品を卸すことで小売店さんの売上が伸び、小売店さんに発注して頂くことでメーカーさんの利益になる。それが当社の売上に繋がるシステムなので、常にそのことを考えた仕事を心掛けなくてはいけません。そのためには社員のモチベーションをどのように上げていくかが、1番のポイントになるでしょうね。例えば社員は私の背中を見て仕事をしている訳ですから、何が起こっても揺るがずに、見本となるような人間であり続けなければいけません。売上に関しても、当社は常に前年度対比120%〜140%
を記録していますが、それに満足するのではなく、その中から隙間を見つけて挑戦し続けていくのが私の役目だと思いますね。

矢部: それこそが経営者にとって必要な志だと思いますよ。最後に、社長にとっての仕事のやりがいを聞かせてください。

本柳: 先に申し上げた通り、この業界は人脈が必要ですから簡単に新規参入はできません。その中で、当社が1から作り上げたシステムを成功させることができたのは大きな自信となりました。前例となる会社もなく、先代のように前を歩いてくれる存在もいませんでしたが、逆に挑戦のしがいがありましたね。自分に負けないようにその気持ちは今でも変わりません。まだまだ完成というには伸び代があるシステムだと思いますので、これからも改善を重ね、より良いものに磨き上げていきたいと思います。

矢部: メーカーさん、小売店さんのためにも、これからもぜひ頑張ってくださいね!

GUEST COMMENT

矢部 美穂

「運送業でファイティングスピリットと人としての生き方を学んだ」とおっしゃっていた本柳社長。だからこそ、新しい卸販売のシステムを成功させることができたのでしょうね。メーカーとの信頼も堅く、今ではメディアゲイトを通さないと商品を卸すことができないところもあるそう。今後の成長が楽しみな企業です!

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