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注目企業インタビュー

岩手県出身。幼少期に横浜へ引越し、少年時代を過ごす。整備学校に通った後トヨタのディーラーに入社し、様々な仕事を経験するも、28歳の時に独立を決意。トラック1台で開業した。その後、日軽エンタープライズのFCとして2000年に法人化を果たし現在に至る。

軽貨物輸送の総合商社 有限会社 日軽急送
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一国一城の主

若原: 南社長はこれまでどのような経緯を経て、日軽急送を興されたのでしょうか。

: 以前はトヨタのディーラーに勤めていたのですが、30歳を目前に控え、男として一生サラリーマンで終わっていいのかと悩んでいたのです。丁度その時、営業先でこの軽貨物運送という仕事を知り、興味を持った事が独立へのきっかけとなりました。そして、小さくても良いから一国一城の主になろうと決意し、平成6年、トラック一台で開業したのが当社の始まりです。その後、FCとして事業所展開が出来る日軽エンタープライズの存在を知り、事業所を興すと同時に法人化してFCに加盟し、日軽急送となりました。

若原: 個人事業主としてスタートした平成6年、社長にとってはどのようなスタートでしたか。

: 最初は色々な仕事に手を出していましたね。それこそ、車で動く事なら何でも。空いた時間は営業に回ったりもしましたし、お声が掛かれば飛んで行くといった状態で、とにかくがむしゃらに、昼夜問わず働いていました。それでもやっぱり、始めたばかりの頃は自分の給料もとれるかとれないかという状態で、苦しい日々だった事を思い出します。そういう面では、FCに加盟した力は大きかったですね。現在は50人くらいの代理店ドライバーが当社に所属し、経営を安定させる事が出来るようになりました。

若原: やはり前職も同じ車に関する仕事とはいえ、経験や人脈が無い状態で異業種へ飛び込まれた訳ですから、ご苦労も多かったでしょう。それを乗り越えて今があるのですね。ところで、代理店ドライバーとは一般の従業員としてのドライバーと、どのような違いがあるのでしょうか。

: まず大きな違いが、当社の社員ではないという事です。当社のドライバーはいわば個人事業に近く、彼らにとって当社は『所属している代理店』という形になります。抱え込みの社員ではない分、個人個人に合わせた仕事を割り振り出来るので、普通の宅配便からハンドキャリーまで、幅広い配送作業が出来るのは強みですね。従業員としてのドライバーとは違い、当社が給料を渡す訳ではなくドライバー自身が仕事で稼がなければいけない環境も、上手く共存共生出来ている一因だと思います。

若原: FCに加盟し、代理店ドライバーとして少しずつ人が増えていく中で、手応えを感じだしたのはいつ頃でしたか。

: 石の上にも3年、とはよく言ったもので、丁度3年目になってようやく自分の給料を安定して取れるようになり、事業所の経営も上手く回りだしました。それまでは常に先行きに対して不安を抱えていましたけれど、同じ業界内での成功者の後ろ姿を見て自分にも出来ると信じ、ひたすらに走っていてやっと光が見えた時でした。

若原: 成功のイメージを強く描いていた人ほど成功するといいますから、苦しい時期でもひとえに自分を信じてきた社長の努力の賜物でしょう。では、3年目からは割と順調に業績を伸ばされて?

: そうですね。5、6年目には仕事の形も絞り込みまして、現在の企業関係の仕事を中心とした体制に切り替えました。運送と言えば、割と皆さん個人の宅配貨物というイメージが強いかと思うんですけど、当社は京浜地区を中心にした企業関係の軽貨物や企業メールを中心としています。当時はまだ種別問わず様々な依頼を引き受けていましたが、このまま中途半端な状態ではいけないと強く感じ、現在の体制を創り上げました。

信頼を運ぶ

若原: 独立されてから13年、法人化されてから7年。試行錯誤を重ね、幾多の苦労を乗り越えてこられた南社長ですが、独立を決めた時、ご家族には反対されなかったのでしょうか。

: 幼い子供が居ましたから、妻も本当は思う所があったんでしょうけれど、何も言わずに私の夢を理解しサポートしてくれました。事業が軌道に乗り、生活も安定してきたので、今では一昨年購入した念願のマンションで、親子3人水入らずに暮らしています。

若原: ここまで社長が走り続けてこられたのも、きっとご家族の支えがあってこそでしょう。先ほどからひっきりなしに事務所へ連絡が入ってきている事も、業績好調な証ですね。

: それこそ、ひと昔前までは名刺を行く先々に配っていたんですけれど、最近では電話で直接依頼を受けるケースが増えました。今では人手が足りないくらいです。ドライバーへの仕事の割り振りも、効率的な運営をこなす上で重要になってきました。当社に所属しているドライバーは年齢層が幅広く、50代、60代の方もいますので、適材適所という意味で、彼らには比較的軽い貨物や単体の荷物を運んで貰うなどして、個人の能力に合わせて仕事を割り振っています。

若原: 仕事の割り振りをする上で、ドライバーの方は従業員ではないにしろ日軽急送の看板を背負って走る事になりますよね。日軽急送としてここだけは大事にして欲しい事って何ですか。

: まずは確実に配送する事が第一です。品物を受け取る際に確実に積んだかどうか。降ろす際に間違いがないかどうか。毎回伝票と照らし合わせて、しっかり確認するよう徹底させています。誤配が起こると工場の生産ラインが止まってしまう危険性もあるので、我々の仕事に於いて確実な配送は絶対だと指導しています。あとは挨拶ですね。単純な事ですが、お客様に対して元気に挨拶が出来るかどうか。お客様にはそういう部分を見られているので、大事にするよう伝えています。

若原: そういう基本的な部分を大事にされてきたからこそ、多くのお客様に支持されるのでしょう。今後は、どのような目標を持って展開していくおつもりですか。

: まずはここをもっと充実させ、しっかりとした基盤を作り上げた上で、都内全域、1区につき1事業所の割合で拠点展開していきたいと思っています。都内全域に展開となれば、同業他社との縄張り争いを避ける事は出来ないと思うのですが、私自身、争い事が苦手ですし、過去に苦い思いをさせられた事があったので、その辺は上手く調整しながら展開する事が目標ですね。どんなに資本力や名前があっても、やはり最後は信頼関係、人と人との繋がりが次の仕事に繋がりますので、私共はお客様に誠意をもって接する事を一番大切にしています。それを忘れなければ、見ていてくれる人は必ずいるので、これからもそういった部分を大切にしながらしっかりと足場を固めていきたいですね。今後の事業展開のためにも、現在、提携してくださる企業を募っていますので、是非一声掛けていただければと思います。

若原: 近い将来、都内を日軽急送のトラックが走り回っている、そんな光景を目に出来る日が楽しみですね。これからも御社のご活躍を心より願っています。

日軽急送

GUEST COMMENT

若原 瞳

荷物を単なる「物」として考えれば、簡単に運ぶ事も出来るでしょうけれど、配送業というのはその荷物を作った人、送った人、送られた人の気持ちを運んでいるのだろうと思います。そういった部分を大切に出来るか出来ないかが、お客様の信頼の決め手となるのでしょう。争い事が嫌いだと仰る社長のような穏和な方なら、大事な荷物を預けても安心できますね。まして、企業の運営上必要な荷物を運ぶ大事なお仕事。これからも、荷物と共に、多くの人々の気持ちを届け続けてくださいね。御社の発展を陰ながら応援しています。

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