インタビュー

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株式会社 アライバル

東京都足立区出身。20歳の頃から運送業一筋、32歳の時、勤務していた運送会社の出向社員として現在の業務であるオフィス移転業と出会う。そして3年前、若手スタッフからの熱い期待を胸に「アライバル」を設立。業界大手以上の迅速な対応、細やかな気配りとサービスにより業績アップ。更なる飛躍を目指す。

本社 〒123-0862 東京都足立区皿沼2-1-19 5F
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TEL 048-288-6060
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URL http://arrival.jp/

近年、情報網の発達により、劇的にその姿を変えている日本経済。会社設立の容易化により、そのスピードに拍車が掛かり、勢いはとどまるところを知らない。日々複雑化する社会の中で、寄せては返す波のごとく連日数十、数百の新たな会社が誕生し、消えてゆく。
そうした情勢の中、今から約3年前に「アライバル」誕生。オフィスに特化した内装、レイアウト、移転を速やかに行いながら、上向きつつある経済と共に業績を積み上げてきた企業だ。オフィスのレイアウトを大幅に変更したり、パーテーションで間仕切りをしたり、業務拡大による移転作業などが主な諸業務となる。
時代の追い風を受け、業績は著しく伸びている「アライバル」。その最大の原動力とは、意欲的に働くスタッフの若い力。
無気力な若者が目立ち始め、マンパワーの重要性が浮き彫りになっている今、「やる気」や「働きがい」といった従業員の心のゆくえは企業浮沈のカギとなり、それが会社の命運を分けるといっても過言ではない。それでは、若いスタッフのモチベーションを上げる秘訣はどこにあるのか。一つの答えが、ここにあった。


稲葉社長待望論

大門: はじめまして。3年前に会社を興し、法人向けのオフィス移転業として業績好調という噂を聞きつけ、本日はその秘訣を伺いにやって参りました。早速ですが、まずは稲葉代表の歩みからお聞かせ願えますか。

稲葉: 出身は地元の足立区です。この町で生まれ、この町で育ち、この町で会社を興した次第です。

大門: 足立区といえば千住でお馴染みで、ビートたけしさんの出身地であることも良く知られていますよね。主要幹線が整備された土地で、他県へのアクセスも便利な区というイメージがあります。それでは、会社設立に至るまでの経緯をお聞かせ下さい。

稲葉: 私は20歳の頃からずっと運送業に携ってきました。現在の仕事に出会ったのは今から約8年前。当時勤めていた運送会社の出向社員として、オフィスを移転する仕事を5年ほど経験しました。その頃、ライバル業者が数多とある運送業よりオフィスの移転業に魅力を感じていたんですよね。そこで、出向社員として一緒に働いた仲間と独立し、2003年の7月10日に誕生した会社がアライバルです。

大門: 確かに最近ではガソリン代の急騰、民間企業でも駐車違反を取り締まることができるようになり、運送業受難の時代に突入しているのかもしれません。いつ頃から独立をお考えに?

稲葉: 実は、「是が非でも独立したい!」という強い気持ちは無かったんですよ。私を慕ってくれるスタッフからの強い要望がありまして「そういうことなら・・・」と、次第に独立へ気持ちが傾いていったのです。運送業の経験が長いので、独りのほうが気楽だったんですけど(笑)。

大門: 稲葉社長待望論が現実になったわけですね。

稲葉: しかし、以前の運送会社を退職し、その会社の人間を何名か従えての独立なので、一筋縄には行きません。その際、お互いに気まずい雰囲気で別れたくないですから、前会社とわだかまりは一切無いことが最終条件。何故なら、オフィスに特化した内装やレイアウト、及び移転作業をするにあたって、運搬に関して前会社の協力も絶対に必要と考えていたからです。その課題も穏便に解決するメドがついたので、いよいよ独立に踏み切りました。双方の会社間で協力しながら、互いに高めあおうという志を持って。

若い精鋭スタッフたち

大門: 以前の会社との関係も良好、それは何よりだと思います。独立直後、スタッフは何名からのスタートでしたか。

稲葉: 私を含めて4人です。その後は徐々に人数も増え、今では9名で動いています。最初のメンバーには皆出資者になってもらい、3期目に入るときに有限会社から株式会社に組織変更、初期メンバーには役員になって頂きました。

大門: それはいい話です。特に最初からのメンバーは気心が知れていいですよね。

稲葉: 今、私は40歳ですが、専務を勤めているスタッフは25歳。彼のことは、出向先の職場でアルバイトをしていた高校二年生の頃から知っている仲間です。スタッフの歳は彼が中間ぐらいで、平均年齢は28歳という皆若いスタッフなんですよ。


清水専務

大門: そんなに若いんですか!道理で「社長になってください」と期待されるわけですね(笑)。あえて若いスタッフを募集されているのですか。

稲葉: それが違うんです。若いスタッフが学生時代の仲間に声を掛けてくれるので、さらに若い人間が集まる。ですから求人広告も出したことがないんですよ。その意味でもスタッフには非常に恵まれていますね。

大門: きっと稲葉社長の面倒見がいいので、自然と若い人間が集まってくるのでしょう。でも最近では、学生時代のアルバイト先にそのままスライドで就職するケースも多いそうですね。

稲葉: 確かにそう思います。うちでも大学卒業してから本格的に当社に就職したスタッフもいますし、一緒に働いてから辞めた人間は誰一人としていませんよ。ありがたいことですし、その中からスタッフとの信頼関係が生まれていると思いますね。

大門: 最近では珍しいですよ。20代ですと、ちょっといい話があれば簡単にそっちへ行ったり。最近は仕事に対してドライな若者が多いと聞きますし、・・・もともと何でも経験したいという世代じゃないですか。こんなご時世で辞めた人間がいないという話を聞くと、きっとこの会社の居心地がとても良いのでしょう。

稲葉: みんな気心が知れていますから。基本的にはやりたいようにやってもらうのが私の方針で、それが受け入れられているのかもしれませんね(笑)。

作業員と営業マン

大門: スタッフの自主性を促す。大事なことだと思います。実際の業務に関してはやはり体力勝負で、体が資本になるのでしょう?

稲葉: はい、もちろん体力は必要ですし、決して楽な仕事ではないと思います。当社の場合、スタッフは営業マンと作業員の両方を兼ねていて、見積もりなどもスタッフが各自で行っています。実際の作業は企業が休みとなる週末がメインになり、平日は客先に出向いての打ち合わせや資材の運搬をする。ですから、忙しくなると休む暇もありません。・・・それでも当社の若いスタッフはみんなやる気に満ち溢れていて「休みは要りません」って言うものですから、助けられている部分もありますね。

大門: 仕事が好き、やりがいを持って取り組んでいるとは素晴らしい。いい意味で珍しい若者達だと思いますよ。

稲葉: とにかく、うちのスタッフには自信を持っています。ただ資材を運べばいいという仕事ではなく、色々な能力が試されますが、お客様とのやり取りなどを見ていても受け答えもしっかりしていますから本当に頼もしい。どこに出しても恥ずかしくありませんよ。

大門: 稲葉社長がスタッフを信頼し、働きやすい環境を創ってこられたからこそ今日があるのだとお察ししますが。

稲葉: 私の役目はあくまで土台づくりだと思っています。その上で若いスタッフが活躍し、今では私の知らないお客様もいるくらいなんです。スタッフが責任を持って受け持つお客様の現場へ、私が担当の後ろについて作業をしたりするものですから、依頼主様から「どこのオジサンが一緒にやってきたんだろう」って思われてしまったりね(笑)。余談ですが、私はそんな時に挨拶はしません。というのも、相手に気を使わせたくないから。後日、改めて挨拶しに伺うようにしています。

大門: その時に初めて正体を明かし、「あの時の方が!?」となるんですね(笑)。

稲葉: そうなんです(笑)。

基本を踏まえての放任主義

大門: それでは、日々活躍されている若い精鋭のスタッフ達に対して、仕事の面ではどのように指導されているのですか。

稲葉: 先ほどもチラッと触れましたが、基本的には、「自分で考えて行動しなさい」ということですね。若いスタッフが責任を持ち、努力をする中で、それでもどうにもならない時だけ私がフォローする。本当に仕事に関しては必要最低限のことしか言いません。

大門: 沈黙は金。そこから信頼関係が生まれることも多々ある、ということを私は知っています。

稲葉: あとは、「自分が嬉しいと思うことは相手がされても嬉しいはず。その辺りを意識して仕事をしなさい」ということですかね。我々の仕事はデスクや棚などを動かす作業がメインとなります。その中で、翌日の朝に先方の社員の方が「気持ちよく仕事ができる」ように心掛けています。オフィス内にあるものを元の位置に戻すのはもちろん、デスク上のクリーニングやデスク間の通路の掃除機かけなど、簡単な掃除も行う。そうすれば依頼主の会社さんだって嬉しいはずですよね。うちはまだまだ小さな会社なので、同業の大手さんに対抗できる点として、細かいフォローをすることだけだと思っています。そのサービスを気に入って頂き、リピートして頂けたら非常に嬉しいですね。
実務以外のことに関していえば、当然ですがサービス業として、「言葉遣いや身だしなみに気をつけて、お客様に不快な印象を与えないように」と徹底して注意しています。

大門: 若者が使う言葉の乱れは、特に最近、顕著になっていると感じます。ただ、その言葉の意味は時代と共に変化しますから、一概には言えないと思いますが。とにかく「取引先の方に対して失礼のない対応を」ってことですな。

稲葉: ええ、結局、言っているのは社会人として基本的なことだけです。あとは指輪やブレスレッド等の装飾品を身につけていると業務に差し支えたり見た目が良くないので・・・ 見た目でいえば、私もあまり良くないんですけどね(笑)。

大門: (笑)何を仰います、とても明るくて周りの方に活力を与えるような人徳があるようように思えますよ。
稲葉: 確かに今のスタイルのままでいいのかもしれません。見た目は普通の方が普通のことをすれば誰もなんとも思わないでしょう。が、普通のことをしているだけなのに凄く良く思われることも結構あるので、パッと見の印象で得してるかなって思ってます(笑)。

大門: 見た目とのギャップで、その印象は強いものになる。私にも似たような経験がありますよ。取引先の方にすぐ覚えてもらえるという点で、やはり仕事はしやすいでしょう?

稲葉: そうですね。・・・スタッフには「ヒゲは禁止だよ」なんて言ってるんですけど(笑)。

それぞれの会社を

大門: それは社長特権です(笑)。しかし非常にアットホームな組織づくりをされていることが伝わってきますなぁ。

稲葉: 可愛いですからね、やっぱり。今のスタッフとは古くからの付き合いで、下手したら自分の子供だとしてもおかしくない歳。そんな従業員たちを養っているプレッシャーはありますよね。どの経営者の方にも言えることだと思いますが、常にスタッフの生活がかかっているという重圧を感じながら、日々の業務に取り組んでいます。

大門: 若い人には限りない未来が待っていますし。

稲葉: その意味では、「この仕事だけ」という考えは持たなくてもいいと思っているんですよ。世の中には実に様々の仕事がありますし、毎日頑張るスタッフが各自で興味のある事業に取り組み、将来的には分社化できればと考えています。業務面に関して私は一切タッチしていませんけど、実は既に、介護事業に乗り出しているスタッフもいるんです。

大門: やりたい事業を実際にやらせてあげちゃうんだ!それは若いスタッフに慕われるはずですよ。将来のことまで考えてくれていると思うと、モチベーションも上がるでしょうしね。

稲葉: 業務以外の部分、つまり資金面の部分で面倒を見ることができれば。報告、相談、連絡をしっかりして、後は思い切って本人の思うとおりに精一杯頑張ってくれたらそれでいい。例えば10年後、今の役員達は働き盛りの30代。彼等の働き振りを見ると、今後は素晴らしいリーダーシップを発揮し、会社の長として立派に成長してくれる、そう信じているんです。

大門: 若いスタッフと、彼等の成長を温かく見守る稲葉社長、それこそが会社のカラー。社長自身、今後が楽しみじゃないですか?

稲葉: はい。「アライバル」はスタッフも設立も若い会社ですから、今後ますます伸びていく可能性を秘めているんでね。だからこそ今は社員個々の自主性の成長を促し、次々と彼らがトップに立つ会社を興し、グループ化していければ。最大のメリットは、仮にある事業が行き詰まっても他の会社でカバーできるという点です。

大門: 日々変化している日本経済において、その時流に即した新しい事業や会社が毎日のように生まれている。その中で、どんな人でも得意分野となりえる業種は必ずあると思いますし、その能力を最大限に活かせる仕事をすればいいと思いますよ。

稲葉: そう、やりたいと思う事業を、やりたい人がやればいいんです。その事業がうまくゆくかどうかはわかりませんが、今の時代、赤字にならなければいいのかなとも思いますし。まずは「アライバル」をしっかりとしたグループの柱にして、残りの部分を補うことができればと考えています。

アライバルの未来

大門: しかし社長になって3年、会社として非常に順調だという所以が徐々に見えてきました。

稲葉: 正直、運も良かったと思います。スタート直後は資材屋さんも相手にしてくれない状況でしたが、以前の会社との繋がりで紹介して頂けたり、初年度から上場企業から直接仕事を頂けたり。以降、予想収益より大幅に上回る業績をあげることができ、自分でも驚いているくらいなんです。

大門: 周りの環境に恵まれたことそれは稲葉社長の人望の厚さ、そして何より仕事に対する真摯な姿勢の賜物なのではないでしょうか。

稲葉: お客様、協力会社にとても恵まれました。そして何より、辛くても仕事を投げ出さずに頑張るスタッフがいてくれたことが一番大きかったと思います。今の仕事は時間も不規則で体が資本。時には夜を徹しての作業になることもありましたが、根を上げずに頑張ってくれたスタッフには感謝、感謝です。

大門: その苦労を乗り越え、今では若くして会社を支える頼もしき存在。人は、ただ単に歳を重ねることよりも、どんな経験をしたかによって成長できるのだとつくづく思います。最後に、稲葉社長の成し遂げたい夢とは何でしょうか。

稲葉: 「何とか会社を軌道に乗せたい」その一心で、全力で駆け抜けてきました。やっと先を見ることができるようになった今、現状のオフィス移転業に付随する業務にも取り組んでいこうと思っています。
そして、どこからも好かれたい、「アライバル」に任せれば安心だと思っていただけるような存在でありたい。そのために、移転に伴う電気工事業等の諸工事、デザイン提案など、オフィスに関わる全ての諸作業を弊社で総合的に手掛けたいんです。

大門: もしそうなれば、ますます業務の幅が広がるでしょう。とにかくアライバルさんに全て任せておけば安心だということですね。

稲葉: そうです、安心感は企業にとって非常に大切。忙しいからといって妥協したりちょっと手を抜く、なんて言語道断です。他企業の一歩先を行き、安心感を与えられるような会社でありたいですね。・・・そして正直に言えば、後進に早くバトンタッチしたいんですよ。
大門: えっ、社長は私より一回り以上も若いし、まだまだこれからじゃないですか。

稲葉: 別にリタイアするわけじゃないですよ(笑)。というのも、責任重大なポストを任せたほうが若いスタッフのやりがいにも繋がるし、より高いレベルの意識を持って日々の業務に取り組むことができると考えているからです。先ほどは「若いスタッフが別事業を」といいましたが、とにかくスタッフ同士が自分の頭で考え、力を合わせ、精一杯やってほしい。私は私で「他で食いぶち探してくるよ」と言っているくらいなんですよね(笑)。会社、そしてスタッフの成長が本当に楽しみです。

大門: これからもスタッフ一丸でスタッフの輪を広げ、躍進していただきたいと思います。体が資本の仕事ですから、体にはご留意されて頑張ってください!本日はありがとうございました。

Office layout&Moving Arrival

アラバイルで働くスタッフの皆さん
GUEST COMMENT

大門 正明

一見すると強面。でも、実際にお話すると実に朗らかで、ユーモアに溢れ、周りの人間にパワーを振りまくがごとく、大らかな存在感。「頼りがいのある」という言葉は、きっと稲葉社長のためにあるのですね(笑)。
「辞めたスタッフはいないんです」と仰いましたが、スタッフの皆さんはきっと稲葉社長に自身の成長していく様を見てほしい、そして認めてほしいと潜在的に思っているのではないでしょうか。当日の対談はスタッフの話に終始したことを思い返してみても、私にはそう思えてなりません。
スタッフを信頼する度量は素晴らしい。役者はどこまで行っても体一つの個人事業主ですから、何より羨ましく感じました。
失礼でしたが、拝みたくなるような福耳を見て思わず「お金、貯まるでしょう?」と聞くと、すかさず「いえ、貧乏です、ハハハ」。そう気さくに笑っていましたが、私は知っていますよ、目に見えない財産を、抱えきれないほどの未来への財産を持っていることを。
接しているだけで幸せな気分になってしまうような、不思議な魅力を持った稲葉社長。次回は、将来スタッフが興すであろうグループ会社へ取材に伺えれば光栄です。また何年後かに、是非お会いしたいですなぁ。

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