インタビュー

建築

株式会社 中央設計

東京都出身。建築に携わって35年。5年前から建築会社、工務店を一切介在させずに設計事務所ながら設計・施工・監理まで一貫して自社で全てを行なう。設計事務所として工事原価を全てオープンに施主に公開する「原価公開住宅」という新しい手法で業界に新風を吹き込んでいる。

株式会社 中央設計
住所 〒089-0003 東京都東村山市久米川町4-7-39
TEL 042-390-3651
FAX 042-390-3652
URL http://www.chuo-sekkei.jp/

昭和37年創業という長い歴史を誇る中央設計。2001年に新たに開発・導入された原価公開住宅「コンストラクション・マネジメント・オープン・システム(特許登録取得済)」は従来の慣習を打ち破る住宅建築の手法として顧客の間で大好評を博している。同システムの秘密に迫るべく、俳優の大門正明さんがお話を伺った。


歩み

大門 社長が最初につかれたご職業は何だったのですか。

鈴木 建築・不動産業です。大学卒業後、新宿にある会社に約3年半勤務しまして、結婚を機に、結婚と、退職と、独立とを一緒にやってしまいました。家内には大変苦労をかけました(笑)。中央設計は最初は設備設計の会社でしたが、後に建築設計を手掛けるようになり、今では設計から施工・監理まで手掛ける一級建築設計事務所になっています。

大門 それが社長が何歳ぐらいの時のことですか。

鈴木 27歳の時です。振り返ってみるともう30年以上、この業界で仕事を続けてきたことになりますね。

大門 では時代ごとの業界の変遷も目の当たりにされてきたのではないですか。

鈴木  最近になってこそ色々な変化が出てきましたが、それまではそんなに大きな変化はなかったのではないですかね。その意味ではまだまだ、古い慣習の残る業界ですよ。

大門 そうですか。しかしそんな古い慣習の残る業界において、こちらの中央設計さんでは独自の手法を導入して建築業界に新しい風を吹き込んでおられるとか。今日はぜひそのお話を聞かせていただけませんか。

原価公開住宅システム

鈴木 はい。弊社では「コンストラクション・マネジメント・オープン・システム」、通称「原価公開住宅システム」と銘打って、従来より一歩進んだ住宅の建て方を提案しています。施主様が自由設計の注文住宅を建てようとする場合、従来の手順では、まず施主様が住宅メーカーか設計事務所に設計を発注し、出来上がってきた設計図を元に住宅メーカーが下請けの建築会社に仕事を発注し、更に孫請けの工務店に仕事が回る、というのが普通でした。その間に1次、2次、3次と中間マージンが発生し、最終的に施主様が負担する建築費用は原価の2倍近くに膨らむのが常でした。それがこの業界の、長年変わらないやり方だったのです。

大門 社長が先程、この業界はまだまだ古い慣習の残る業界だとおっしゃっていたそのことですね。

0284t01鈴木 そうです。しかし弊社ではそういうやり方はしません。弊社はもともと設備設計の会社として創業し、その後建築設計に移行してきました。現在では施工・監理まで手掛けますが、通常の建築会社や工務店を介在させませんので、専門工事業者にはシビアなコスト意識を持って仕事の発注が可能です。それにより総建築費の大幅なコストダウンが実現できる訳です。大手ハウスメーカーさんの見積もり金額を弊社で相見積もりさせていただくと、ほとんどのケースで約25%~30%ほど安い見積もりになりますね。

大門 25%~30%とは大きなコストダウンですね。それを実現するために、どんな工夫がされているのですか。

鈴木 まず「建築会社や工務店を介在させない」ということに関してですが、弊社では作業の各段階で相見積もりにより直接、専門工事業者に施工費用を競合させ、施主様と相談の上で最も費用の安い業者を選定します。もちろん、それで仕事の質が落ちてしまってはいけませんので、その管理・監督には弊社が責任を持ってあたります。一般的に新しく住宅を建てる際、一軒につき約30業種の専門工事業者が関わっているものです。一つ一つの業種をとればそれほどの費用抑制効果がなかったとしても、30業種分を総合すればかなりのコストダウンに繋がるのです。その上さらに、下請け建築会社、孫請け工務店が存在しませんので、そのマージン分もコストダウンされています。合計するとかなりの金額になります。

大門 なるほど。これは驚いた!普通、職人さんは工務店に対して、工務店は建築会社に対して、それぞれ主な取引相手が決まっていて、その関係の中で仕事の受発注を行なうものだから、どうしてもシビアなコスト意識が働かなくなる。昔ながらの表現で言えばなあーなあーのドンブリ勘定で仕事をしている傾向があるということですね。

鈴木 はい。弊社ではその心配が無いのです。しかも弊社では資材の仕入れに関しても中間業者が介在していませんので、同じく相見積もりにより最もコストパフォーマンスの高いメーカーさんの資材を選んで使うことができます。施主様からすれば実際の施工に関しても、使う建材に関しても、無駄なお金を払わなくて済むのです。

大門 素晴らしいシステムですね。しかしそれだけシビアなコスト意識で仕事を進めていては、御社の利益はどこから出るのですか。

鈴木 通常、設計会社は設計料という形で、建築会社が出す見積もり金額の7%?~10%の金額を別に施主様から受け取っています。それに加えて約30%~40%が建設会社の利益として上乗せされます。つまり実質的に工事費用として建材の仕入れや施工に回せるお金は、施主様にご負担いただく金額の半分程でしか無いのです。しかし弊社の「原価公開住宅システム」では設計料は無料です。建設会社が利益として上乗せしている費用もありません。その代わりに、「マネジメント設計監理料」という名目で施主様負担の総費用の中から17%だけ頂戴しています。

大門 ではつまり、職人さんの手間賃やその他の料金も含めた実際の施工費用と資材にかかる費用の他、施主様が払う費用としては、その17%があるだけということになりますか。

鈴木 そうです。それだけです。17%を差し引いた残りの83%は全部、工事費用として使います。しかも必要な費用は、ご契約前に全ての専門工事業者の見積書を公開し、材木一本からクロス1mの値段に至るまで、全て施主様にお見せしてご了解を頂きます。

大門 それならお客様も納得ですね。第一安心ですよ。大手のハウスメーカーさんが大々的に宣伝を打つチラシを見ても、「坪単価いくらで出来ます」と書いてはいますが、何にどれだけお金をかけているのか、その内容は全然分からないですし。

鈴木 そうでしょう。それで結局後から次々と別途費用が請求されて、当初の見積もり金額がドンドン膨らんでいくわけです。この業界では長年、それが普通だと思われていたのですが、弊社では「最早そういう時代ではない」ということで、5年前からこの原価公開住宅システムを導入しているのです。その結果、弊社ではほとんどの場合、最終的な完成・お引越しの際には、総見積もり費用が余ってしまうという逆転現象が起きるほどです。もちろん、余った費用は施主様のお手元に全額お返ししています。

もっと普及させたい

大門 凄いですね。それだけ良いシステムなら、お客様には非常に喜ばれるでしょう。御社ではどの辺りまで営業範囲を設けておられるのですか。

0284s01鈴木 東京三多摩地区一帯で仕事をさせていただいています。23区内からお話をいただくこともありますよ。ちなみに、セールス活動は一切行なっていません。おかげさまでこの「原価公開住宅システム」は大変ご好評をいただいておりまして、仕事の依頼は今までのお客様からのご紹介でいただくことが多いです。先日も、現在手掛けさせていただいている施主様から「もっとこのシステムを世に知らしめなきゃ駄目だ!」とお叱りを受けたぐらいで(笑)。

大門 評判が評判を呼んで仕事に繋がっているというわけですね。では最後に、これからの社長の夢は?

鈴木 この「原価公開住宅システム」をもっと大々的に普及させて、一棟でも多くの家を建てたいと思います。そうすることで経営にもっと余裕ができれば、現在17%に設定しているマネジメント設計監理料も15%位にまで下げられるようになり、すると今より更にお客様に喜んでいただけて、仕事の受注も増える。そうやって良い循環が生まれれれば最高ですね。

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GUEST COMMENT

大門 正明

明るい笑顔が印象的な鈴木社長。世代的にも私と同世代で、対面したその瞬間から親近感を持って対談に臨むことができました。穏やかな語り口ながら「古い慣習の残る業界だからといって弊社までそれに囚われる必要はどこにもない」と言い切る潔さが、とても気持ち良かったです。社には高い技術を持った一級建築士を何人も抱え、自らは施主様の代わりに銀行との折衝を一手に引き受ける住宅ローンの専門家。お客様にすれば頼もしい限りですね。これからも持ち前の明るさで、社をますます発展させてください。応援していますよ!

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