奥深きデザインの世界
インテリア系のデザイン事務所として、内装関連の設計業務が中心になります。業務は大きく分けて3つあり、まずは「商業系デザイン」。物販の店舗や飲食、それにオフィスなどの設計の他、展示会のブースデザインも行っています。次に「住宅系デザイン」。戸建やマンションのリフォーム、新築住宅の設計、デザイン監修など。どれも、ただありきたりな設計をするだけでなく、その物件の状況に応じた特徴付けを行って、確実に売れる計画をご提案させて頂いております。そして3つ目はその他の様々なデザインを。家具のデザインからカタログのデザインなど、インテリアに関わるもの全てのデザインを行っています。
そうですね。自分自身、「これだ」と納得できるデザインを考え出すことってとても大変なんですよ(笑)。でも、設計したものが上手くいってクライアントの方に喜んで頂けたら、僕としても非常にうれしいですね。
優れたデザインを生み出すには、やはり感性が求められるのでしょうか。
そうですね、大切だと思います。でも、ただ感性の趣くままに作品を仕上げることができるのはアーティストです。僕はデザイナーなのでそうはいきません。デザイナーには常にクライアントがいて、営利面も含めてそのクライアントの方に満足して頂くことが最優先課題になるんですね。
なるほど。相手の希望を満たして、かつ自分らしい作品となると、考える要素が増えますね。時には、デザイナーとしての意見と依頼主の要望とが、相反することもあるでしょう?
日本の伝統工芸を、今に
クライアントの要望を認識し、かつ誰もが認める素晴らしい作品を仕上げるのが、きっと有名デザイナーと呼ばれる方々なのでしょう。社長も、新しいものを生み出すプレッシャーを感じているのでは?
そうですね。やはり、一つひとつの作品が真剣勝負です。設計者は、図面が書き終えて作業終了ではなく、現場が着工してからも頻繁に現場に赴きます。そして常に現場の職人さんと向き合い対処する。そうして完成を迎えるわけですが、苦労して完成した物件を「自分の作品」として楽しむのは、ほんの一瞬なんです。当たり前ですが、出来上がると次の瞬間にはもう、クライアントにお渡しするわけですから・・・。完成当日は、よく現場の中でボヤっとしていますね(笑)、「ああ、やっと出来たなぁ」って。とても嬉しい時間でもありますが、どこか寂しい気持ちのする時間でもあります。
ひょっとすると、依頼主以上に作品に対する思い入れは強いかもしれませんね(笑)。独立から3年が経ちましたが、実績も増えてきましたし、幾つかの賞も頂きました。独立して本当に良かったと思っていますね。
将来への確かな手ごたえを感じている今、次なる目標はありますか?
まずは、物販や飲食などの店舗設計業務を増やしていきたいと考えています。それに住宅の改修業務も増やしていきたいですね。僕は性格的に、「売れるためにはどうすればいいか」とか「どうすればクライアントの方の発展に繋がるのか、また喜んでもらえるのか」ということを考えるのが好きなんですね。またそれが楽しい。いつも、このような気持ちでデザインを考えています。 それと、長期的な展望なのですが最近は伝統工芸に興味があり、その伝統工芸を自分の仕事のなかにうまく取り入れることができないかな、と考えています。先日は金沢や福井に行き、漆や和紙、金箔といった伝統工芸などの優れた伝統技術を目の当たりにしてきました。非常に勉強になったのですが、反面、伝統工芸がこのままでいいのかと、すごく疑問を感じたのです。というのは、世の中のデザインの常識が変わりゆくなかで、伝統工芸は江戸時代からのデザインを引き継ぎ、それを忠実に再現しているのが現状だからです。もちろんそれを古き良きものとして受け継ぐことは大切ですが、伝統工芸を現代風にアレンジし、時代に則した新しいものを生み出そうとする姿勢も同じくらい大事だと思います。現に伝統工芸に携わる職人の方々からも、デザインの面で悩んでいるという話を伺いました。 だとすると、それに対して僕は、1人のデザイナーとして考えたときそこに自分のすべきことがあるのではないかと思っているのです。