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Special Voice 重要なのは常に「人」ラーメンブームの仕掛人が語る変わらぬ経営哲学

コロナ禍や低迷する日本経済、戦争や環境問題など、混迷する現代社会において、各分野で挑戦を続け、わが道を歩んでいる方々の言葉を通して、一歩を踏み出したい読者の背中を後押しする企画。第1回は、実業家の川原ひろし氏に、組織のトップに立つ人間に必要な要素や、ラーメン店「なんでんかんでん」を大成功させた秘訣などについて語ってもらった。

―全国に「豚骨ラーメンブーム」を巻き起こし、社会現象にまでなった「なんでんかんでん」さん。まずは、川原さんがお店を開こうと思われたきっかけをお聞かせください。

その答えは明快で、豚骨ラーメンが食べたかったのに当時の東京にはなかったからです。そもそも東京には豚骨というものがほとんどありませんでした。いま人気の「家系ラーメン」もスープは豚骨しょうゆですが、昔のラーメンは鶏がらがメインだったと聞いています。とにかく、豚骨自体が珍しかった。反対に、私が生まれ育った福岡には豚骨ラーメンしかないんです。私が上京した1980年代半ばには、もちろん新幹線も飛行機もあればテレビもあった。それなのに、福岡で大人気の豚骨ラーメンが、未だに東京にはないのかとがくぜんとしたんです。それで、東京に豚骨ラーメンの店がないのなら自分でつくってしまおう、と。けれど、いわゆるラーメン店での修業はしたことがなく、独学でスキルを身に付けました。当時は「東京福岡県人会」に入っていましたが、そこで飲み会があるとラーメンの話ばかりしていましたね。

―「なんでんかんでん」さんの全盛期には1日の売り上げが1店舗で、それも夜だけで130万円を超えたとうかがっています。仕事を成功させるために特に重要なことは何だとお考えですか?

一番は何と言っても、お客様との触れ合いです。私はこれまでいろいろな所で「接客セミナー」を行ってきました。その観点から言うと、今は人材面でとても苦労する時代ですね。私は人材がすべてだと思っています。人材がお金を生んで「人財」になる。しかし、現在は良い人材に乏しく、むしろ悪い人材が増えて「人罪」になってしまっていると言っても過言ではありません。その要因は画一的な日本の教育にあると考えています。また、人と人が接する機会が減っていることも大きいでしょうね。昔出演したテレビ番組でも話しましたが、接客で重要なのは積極性だと考えています。私はとにかく接客を重視して「なんでんかんでん」を成功させました。店を出したタイミングの良さや時代との相性などもありましたが、少なくとも単に味が良いだけでは1日で130万円もの売り上げを生むことはできません。良い人材が働いていれば、自然とより多くのいい人が集まってくるものなんです。

―川原さんは実業家以外にも、歌手やタレント、催眠術師などのお仕事を経験されており、多彩な方という印象があります。お仕事をするうえでのモットーがあれば教えてください。

私は上京してしばらくは芸能界で仕事をしていました。芸能というのは人を喜ばせる商売です。最近はお笑い芸人にも養成所などの出身者が増えてきましたが、私が若い頃は漫才師に弟子入りして長らく付き人をしていました。そこで運転手も経験しましたが、何の苦労も感じませんでしたし、その中で師匠から多くのことを学ばせてもらったんです。養成所や各種スクールでお笑いのことを勉強しただけでは、人を本当に喜ばせたり感動させたりするにはどうすればよいのかわかりません。これは芸能に限らず、どの仕事にも言えると思いますが、「人に喜んでもらう」というのが商売の基本ですね。商売は「笑売」であり、「show売」でもあるべきだというのが持論でありモットーなんです。私にとって飲食業はエンターテインメント。特に個人でお店を経営している人は、もっとお客様と接しないと売り上げが伸びないと思います。

―組織のトップに立つ人間に欠かせない要素、ポイントは何だと思われますか?

それはやっぱり正義感だと思います。組織の上に立つ人は正義感がないと駄目です。しかし、今の世の中は正義感のない人が多い。「親ガチャ」「上司ガチャ」といった言葉がはやっていますが、確かにとんでもない上司が増えているような印象を受けます。電話1つとっても相手に不快感を与える対応をしておきながら、そのことに気付けない人が多い。また、新人育成をちゃんとしない会社も増えていますね。正義感があり、周りに対して誠実な生き方を示せる人間でないと組織の上に立っては駄目だと私は考えています。

―今後のビジョンや実現させたい夢などがありましたら教えてください。

この9月にスパゲティ専門店を東京都北区十条にオープンする予定です。メインメニューは大盛りの「たらこウニのスパゲティ」になります。昔からスパゲティは好きで、ずっとお店を開きたいと思っていたんです。このお店を成功させることがさしあたっての目標ですね。もちろん、今後も接客重視の姿勢は変わりません。私はとにかく「人」が好きですし、人が嫌いな方がお店を持っても成功しないと考えています。お店の人間が一言「こんにちは。いつもありがとうございます!」と声をかけるだけで、お客様はまた来たいと思うはずですから。

■プロフィール
川原 ひろし

1964年、福岡県出身。歌手を目指して上京後、シャンソンタンゴ歌手や漫談家として活動。その後、1987年に豚骨ラーメン店「なんでんかんでん」を開業し、全国にラーメンブームを巻き起こした。実業家の他、歌手、俳優、催眠術師など多彩な顔を持ち、TV出演回数は2000回を誇る。2021年12月に「なんでんかんでん 西新宿店」をオープン。経営コンサルタントとして講演会やセミナーも行っている。
 
なんでんかんでん 西新宿店
〒160-0023東京都新宿区西新宿7-9-15
新宿ダイカンプラザビズネス清田ビル 1F
URL http://nandenkanden.tokyo/
営業時間 11:00〜23:00(L.O.22:30)定休日 無休
現在、FC・ライセンス店募集中

 
 


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