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オフを充実させ、より良いビジネスライフを! 大人が楽しむアウトドア考

アウトドアのオリジナルグッズ開発を手がける、イナウトドア合同会社の森豊雪代表が、アウトドアの魅力をお伝えする連載コラム。今回のテーマは、昨今再びブームとなり、日本のアウトドアカルチャーの一部として定着した感のある「キャンプ」だ。キャンプ教室を主催している同氏が、数あるキャンプの中でもひときわ大自然を堪能できる「野営」について解説する。
 

◎近年、再び盛り上がりを見せているキャンプ

最近はキャンプが盛んに行われるようになった。「グランピング」のような豪華な雰囲気で行われるキャンプもあれば、本当にミニマムな装備で楽しむスタイルもある。私が主催しているキャンプ教室などに参加するゲストさんも、日を追うごとに増えていると実感している。私の教室などでは、次のような質問を受けることが多い。「キャンプを始めるためにはどのような道具をそろえればよいですか?」。個人的には、最初から数多くの道具を買いそろえてしまうと、もし行かなくなってしまった時にもったいない気がするので、本当に必要な物だけを買うか、もしくはレンタルで始めることをお勧めしている。

◎野営スタイルのキャンプ

そんな昨今のキャンプブームだが、皆さんは「野営」というスタイルをご存じだろうか?「野で営む」という言葉はまさにキャンプそのもの。野外で生活を営むものをキャンプと定義している団体もあるが、野外での生活が意味するものはかなり広範にわたると思う。先述したように、最近ではグランピングというスタイルで、本当に豪華な装備で楽しむキャンプも存在する。他方、今回テーマにする野営はその対極にあるといっても過言ではない。野営スタイルを好む方の多くは、荷物は最小限にし、こだわりの道具を持ってキャンプに出かけるというイメージが強い。とはいっても、サバイバル時に必要とされる要素は極めて重要だ。サバイバル時に必須となるもの、それは酸素、体温維持、水、食料である。いくらミニマムスタイルといっても、修行をするわけではないし、自分の命を危険にさらしてまでレジャーとしてのキャンプを楽しむべきではない。普段は何もかもそろった生活になじんでいる私たちが、野外に放り出された時に命を守るすべは最低限知ったうえでキャンプを行おう。では、野営スタイルのキャンプとは具体的にどのような場所で行うものなのか。

◎日本と海外の野営環境の違い

日本と海外とでは、野営スタイルのキャンプに関して事情が異なる点がある。その1つとして、北欧のスウェーデンには「自然享受権」というものが存在する。これは北欧に古くからあり、自国以外の旅行者などすべての人に対して認められた権利で、例えば利用者の権利としては以下のような行為が挙げられる。

・通行権(徒歩、スキー、自動車による通行)
・滞在権(テントでの宿泊を認め、休息、水浴びなどのための短期滞在に関するもの)
・自然環境利用権(ヨット、モーターボートの使用、水浴び、氷上スポーツ、魚釣りなど)
・果実採取権(土地の所有者に対価を支払わない野生の果実類などの採取)

反対に、原則として、自然を破壊することや所有者を煩わせることは禁止されている。上記の権利の中でとりわけ興味深いのは滞在権だ。短期滞在が具体的にどれぐらいの期間を指すのかまでは定かでないが、私有地などにおいてテントでの宿泊が認められるというのはすごいことである。日本の場合は国有地か私有地がほとんどであり、このような権利は認められていない。

「どこで野営をしたらよいのか教えてくれますか?」といったような質問をインターネット上でよく目にするが、残念ながら日本の場合、その問いにすぐ答えるのは容易ではない。山で勝手にテントを張って寝ることは所有者の許可を受けた場合以外では原則禁止とされているし、川や海などは国や県が管理しているケースが多い。その場所に決められたルールに則って利用するのであればできないこともないが・・・。

◎自主防災訓練としての野営の勧め

このように、国によって与えられた環境こそ異なれど、多くの人にとって「野営」=「限りなく自然のままの環境で行うキャンプ」という認識に変わりはないだろう。そうすると、たいていの場合は、トイレや炊事場はなく、電灯なども用意されていないといった環境なので、どうしてもそれに応じた装備が必要となる。自然の中でその恵みを受けながらゆったりと過ごしたいのであれば、必要最低限の荷物は持参して臨むべきだというのはそのためだ。

さて、野営を行う際の最低限の装備に関してだが、まずはサバイバル時に肝要な「体温の維持」を第一に考えたい。したがって、雨や寒さをしのぐための装備が必要とされる。それができたら次に水の確保について考えよう。水は重いが、自分で持って行けるならばそれでよい。もし難しければ、野営地の近くに川などがあるのであれば浄水器を持って行くのも一案だろう。その他に持参するものが灯りと食料くらいだと考えると、荷物は比較的少なくて済みそうだ。これは野営だけに限ったことではなく、通常のキャンプにおいても当てはまる。防災用の非常持ち出し袋に関しても、同様の考えのもとで準備することが可能だからだ。

野営の際に必要なものを具体的なキャンプ用品に置き換えると、①拠点用(タープ、マット、シュラフなど)②水(水筒、浄水器など)③灯り(焚き火かランタン類)④食料(これに関しては現地の近場で購入するのもよい)。「トイレはどうするの?」という疑問を抱く方もいるだろう。野営では基本的には「青空トイレ」になるのだが、それに抵抗のある人は携帯用トイレを持参することをお勧めする。

私が個人的に思うのは、今回書いたような野営を経験しておくことで、災害時にも、慌てることなく適切な対応ができるのではないかということだ。

9月1日は防災の日。一人ひとりが過去の災害を振り返るとともに、ぜひ、万が一の時のために備えていただきい。キャンプというレジャーの中にも、災害への心構えなどを培う機会がある。いつもよりも持って行く道具を少し減らし、自主防災訓練として野営スタイルのキャンプに臨んでみてはいかがだろう。

▶イナウトドア(同)では親子向けスクールや焚き火体験なども行っております。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
 
https://www.inoutdoor.work/school
■プロフィール
森 豊雪

学業修了後はエネルギー関連の製造会社に入社し、30年以上にわたって勤務する。55歳を迎えて新しい道を模索。もともと趣味で活動していたアウトドア分野で起業することを決意し、イナウトドア(同)を立ち上げた。現在は、オリジナルアウトドアグッズの開発や、サバイバル教室などの展開、自然保護のボランティア活動に注力している。
 
※保有資格
・NCAJ 認定 キャンプインストラクター
・JBS 認定 ブッシュクラフトインストラクター
・日赤救急法救急員他
■企業情報
イナウトドア 合同会社
〒238-0114
神奈川県三浦市初声町和田3079-3
■URL
https://www.inoutdoor.work/
■Twitter
@moritoyo1

 
 

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