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コラム

会員制資産形成クラブFCG 総合部門代表 中村健人による 金融リテラシー向上指南

株式、暗号通貨、NFT―さまざまな金融商品が注目を集め、取り沙汰される昨今。誰もが気軽に投資・運用を始められる時代になりつつある反面、金融リテラシーを持たないために周囲に流されたり、失敗したりしてしまう人も多い。本コラムでは、税理士事務所に勤めながら個人で外国為替証拠金取引や株式、暗号通貨などを用いた資産運用を行い、その実績から会員制資産形成クラブFCGの総合部門代表に抜てきされた中村健人氏が、資産運用に役立つ正しい金融知識をお届けしていく。

皆さんこんにちは。FCG節税・資産形成部門代表の中村健人です。今月もよろしくお願い申し上げます。

税金を考えずに相場の世界に向かうのは悲劇を招くということ

今回はPart3ということでまた別の視点からのお話をしてまいりたいと思います。

基本的に多くの方は投資・投機の収益をとることを目指すときに、あまり税金のことを考えません。なぜなら「捕らぬ狸の皮算用」ということで、利益の前に考えてしまっても仕方がないからと思うからです。

しかし、ここには大きな落とし穴があります。収益と税金は切り離せない存在で、「大きな収益を獲得した時」にこそ、気が緩み、懐が緩み、後先考えずに追加投資をしてしまうからです。

「勝って兜の緒を締めよ」という格言がありますね。

ちなみに投資家・トレーダーの方向けにこの言葉を言い換えるならば、「勝ち負け・ゲームではなく、作業と思え」のほうが適切かもしれません。

なぜなら、勝ったと感じた時点で大概の人は兜の緒が緩んでしまうからです。

これは人間の性質であり、ある程度は仕方のないことです。では具体例をお話ししてまいります。

中長期投資にて秋に起こりやすいバブル

例えば、暗号通貨(仮想通貨)においてもこれまで年末に向けての秋口から冬にかけて急騰することが多く、年が明けてから急落するパターンが非常に多いです。年末は財布の紐が緩くなるのでしょうか。

しかし、個人の税金は当然ですが1/1~12/31の分を翌年の2/16~3/15に納税します(総合課税の例)。そのため、非常に多い失敗例が、「前年末には大きな利益があったが、1月、2月で大きな損を出してしまった」という事例です。この場合、当然ですが前年の税金は変わりません。場合によっては「前年の税金分」を使って運用していたということにもなりえます。

このようなことが決してないように、少なくとも12月の末には税金分を計算した上で「出金」をしなければならないのです。

もちろんふるさと納税の計算もするため、やはり年末には個人の投資収益も合わせた「年収」と「税金」を確定させ、分けておく必要があります。

それぞれの資産がどの期間でどの時点でどの税率で計上されるのか

さらに税金にはさまざまな区分がありますね。例えば、国外口座の外国為替(FX)であれば年内の損益は合わせて計算となります。しかし、暗号通貨で例えば複数種類の通貨を売買していた場合それぞれに課税がされてしまい、利益より大きな税金がかかってしまう可能性もあります。

また、最近よく話題に上っているのが、「競馬」ですね。こちらの厄介なところは損益通算ではないので、外れた分を経費にできないということです。総合で300万円勝っていても使った金額が250万であれば300万円に対して課税となるため利益になりません。損益通算で「利益50万円に対して税金計算」とはならないのです。

このように各種事業・投資・投機どれにおいても税金の計算が異なったり、計算シーズンと支払いシーズンにずれが発生したりします。最初から税金の計算をしっかりとすることは大変だとは思いますが、今は税率概算算出サイトも多く出ておりますので是非積極的に計算してみてはいかがでしょうか。

また、新たな収益のめどが立った時に、必ず「税金はどういう計算になるのだろう?」と考えておき、寸前で、あるいは過ぎた後に焦らないように気を付けてください。

では「どこまで」理解しておけばいいのか

とは言えそこまで深く追求してしまっても、そこに時間を割くことは本質ではありません。

そのため、あくまで「今行おうとしていること」に対してどれだけの税金が発生するのかだけをあらかじめ押さえておきまして、「締め」―つまり決算のタイミングの遅くとも1ヶ月前には片付くように頭の中に残しておくと良いかと思います。また、確定申告金額が大きくなれば予定納税金額も大きくなりますので忘れぬようにしておいてくださいね。
(次号へ続く)

■プロフィール
中村 健人(なかむら けんと)

富裕層様・経営者様・医科歯科開業医様 会員制資産形成クラブFCG
総合部門代表
税理士事務所勤務。神奈川県横浜市在住。暗号資産や株式、外国為替取引にて個人で多数の実績を残したことが評価され、FCGより総合部門代表に抜てきされる。2018年にオファーを受け雑誌掲載。
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