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コラム

毎日のマネジメントで使える! コーチング&コミュニケーション

ストレングスコーチ・経営戦略コンサルタントの壁山恵美子氏は、大学院在学中から個人事業主となり、芸能界・出版業界など多くの業種を経験。30歳で転職した上場企業ではスピード出世を果たすなど、さまざまなビジネスノウハウを蓄積してきました。本連載ではそんな壁山氏が「マネジメントのヒント」や「強みを活かすストレングス・マネージメント」についてお伝えします。第12回目のテーマは『コロナ禍におけるリモートでのコミュニティ運営からの学び』になります。
 

進化してきているリモートでのつながり

前回の冒頭では、「コミュニケーションは必ずしもリアルで会うことが正解ではない」と題して、緊急事態宣言下のコミュニケーションに関して、私の気付きを書かせていただきました。今回も、リモートでのコミュニケーションについて少し触れていきたいと思います。

私は8月の上旬から2ヶ月、大人の部活動として映像制作サークルのようなものに参加していました。リアルで一度もお会いしたことがなく、SNSなどでのつながりもない、本当に見ず知らずの方ばかりのリモート空間。利害関係も金銭的なやり取りも上下関係もなく、参加者たちが一緒に映像をつくりたい人とチームを組んで、映像制作をすることを目的とした、真面目な部活動のような空間がそこにはありました。

主催の方がこの活動をスタートさせたのは、1人の高校生にとある映像制作ソフトの使い方と映像のつくり方を教えてほしいと言われたことがきっかけで、「それなら何人かで勉強会をしよう」と考えたのが発端だったとか。その後SNSを通じて呼びかけをしたところ、最初に集まったのは約300名、初回のミーティングの参加者も180名超え。リモートで無料のミーティングとはいえ、こんなに人が集まるのか・・・と私は衝撃を受けました。もちろん主催の方はシステム系の業界では著名な方ではありますが、一般的にも広く知られているカリスマ的存在というわけではありません。にも関わらず、集客力の観点では凄まじい成果を上げることになったのです。

私自身、誰ひとり知らない空間に、そして、リモートというパソコンやスマートフォンの画面越しに話をする機会を持ったことから、学んだことが3つあります。

1:リモートであっても数回対話を繰り返し、頻繁に画面上で顔を見て会うことで信頼関係が生まれる
2:リモートだからこそ、各自の「強み」が明確になり「強み」が見出せている人ほどモチベーション高く頑張ることができる
3:コミュニティ自体で多かれ少なかれそれぞれの個人にヒーローズジャーニー的な越境の機会が訪れる

これらについて、1つずつ詳しく掘り下げてみようと思います。

1.リモートでも生まれる信頼関係

先に書いたとおり、私たちはほとんどが互いに会ったこともSNS上でのつながりもない者同士で、約2ヶ月交流してきました。映像制作という目的のもと、最初は何となく気が合いそうだとか、興味の方向が一致しているとか、曖昧な判断で一緒になるのですが、不思議なことに約1ヶ月もすると、画面越しにコミュニケーションをしている関係の中にも、お互いにシンパシーを感じたり、リスペクトや仲間意識が芽生えたり、チームに色が出てきます。そして、それをうまく推進力へ変えているチームほど、全員のスキルが合わさり何倍にも膨れ上がって走り出すのです。その後は週1回の全体ミーティングや個別のチームミーティングを繰り返す中で、それぞれの役割が決まり、その役割を懸命に実行していこうとする無意識の行動が始まります。そうなった時には、もうすでに「信用」ではなく「信頼」が確立しているのです。

今まで、リモート会議などがほとんど無かったリアルだけの世界(約2年前までの世界)で、信頼が生まれるのはリアルにあった人物同士だけだと私は考えていました。しかし今回の経験で、人は対話を繰り返し、お互いの考えを尊重し、時には異論を唱えて意見交換をする中で、画面越しでも「信頼」が自然に生まれることがわかったのです。

2.弱点の克服ではなく強みの活用

今回の部活動のような取り組みでは、Clifton Strengthsで資質を理解している人が集まっているわけではないですし、「強み」を活用するということを理解している人が集まっているわけでもありません。しかしながら、コミュニティがゼロからスタートして、興味のある分野へ参加する環境が与えられた時、人は “自分を変えようとする代わりに、サポート関係や補完的な協力関係を築いて状況に対処する”のだと体感しました。この考え方は、Clifton Strengthsでいうところの、弱点を「管理する」方法になります。

今回の活動でも、参加者全員がパソコンの操作に長けているわけではなく、むしろ、そのソフト自体初めて使うという方が8割以上、という状況でした。そのため、チームの中では、素材、音楽、編集、テロップ、翻訳、ディレクションなど、役割分担をする進め方になりました。ソフトウェアやアプリが苦手な美容師の方も、編集経験はないものの挑戦したい会社員の方も、実はプロフェッショナルな業界のディレクターさんも、それぞれのフィールドで培ってきた経験値を集結させながら、互いの弱点を補完し合って作業していたのです。

Clifton Strengthsで考えるならば、今回の活動で、私は前回のコラムでご紹介した「回復志向」が一番使った資質かもしれません。簡単にいうと、役割としては、運営全体のトラブルシューティング。ソフトウェアの操作や機能がわからない人へレクチャーしたり、一緒に調べて回答を出したり、操作画面を共有してサポートしたり。自分以外のメンバーを見ていても、自分の強みを発揮しつつ周囲のサポートを柔軟に受け入れ、自分のやることにしっかり集中している人ほど、自分自身でモチベーションを上げて、目標に向かって着実に進んでいくことができるのだと確信しました。

3.コミュニティの成長と“越境”

最後は、少しコミュニティのマネジメントのお話になります。今回、主催の方は「上下関係を取り払い、運営と参加者の二極化が起こらないこと」を特に重視していました。ただ、100名を超えるコミュニティでそれを実現するのは非常に難しく、何かを決めなければならない時には、率先して動くメンバーに頼らざるを得ない場面もありますし、自由参加の「大人の部活」とはいえ、些細な誤解や文字上のやり取りならではの語弊はどこかで生じます。これはコミュニティの宿命とも言えるのですが、それでもトラブル発生時に今まであまり目立って登場しなかった参加者さんが、すっと手を差し伸べてサポートをする光景を、リモートのコミュニケーションの中にも見ることができたのは驚きでした。まさにこれは、主人公が平凡な日常から非日常へ進んだ後、試練が訪れ、師の助けを得て試練を乗り越える(越境する)、「ヒーローズジャーニー」のようだ、と。

今回の活動中、ヒーローズジャーニーにおける「試練とその越境」と同様に、悩ましい事象に行き詰まり、師が現れて、手を携えて共に越境していく状況に私は幾度となく遭遇しました。

リモートでの活動がほぼ100%の世界で、利害関係のないコミュニティが成長するために一番必要なことは、やはり「対話」であると実体験から感じました。リモートでの「対話」はダイアローグでもあり、コーチングでもあり、その繰り返しの中で、人との信頼が生まれ、「絆」の領域にまで到達できることを今回はコラムで共有させていただきました。

次回もClifton Strengthsや強みの活用などを含むコラムで情報共有をしていきたいと思います。

【参考】
GALLUP クリフトンストレングス日本語サイト
URL https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja

ご興味のある方は、弊社お問合わせサイトからご連絡ください。

 
 
 

■プロフィール
壁山 恵美子(かべやま えみこ)
株式会社 ブレインスイッチ 代表取締役
YAMA HOTEL & ROOFTOP BAR(ミャンマー/ヤンゴン)
Chief Information Officer(CIO)
 
イベント・出版業界を経て、ソフトバンク(株)に入社。情報セキュリティおよびリスクマネジメントを専門分野とするグループマネジャーとして業務に従事。その後、J-SOX、IT統制、システム監査等の経験を経て独立。現在は、上場企業の経営企画部門およびPR・マーケティング戦略などのコンサルティングに携わる。また、中小企業の経営者向けコンサルティングや人材育成の研修カリキュラム開発なども展開。さらに、YAMA HOTEL & ROOFTOP BAR(ミャンマー / ヤンゴン)にてCIOとして人材育成をする傍ら、ミャンマー進出コンサルタントとしても活動。Gallup認定ストレングスコーチとして、組織のマネジャーなどにコーチングおよびコーチング型マネジメント手法を指導している。
 
※保有資格
・Gallup認定ストレングスコーチ
・Tony Buzan公認 マインドマップ・インストラクター
・Peter Walker氏 公認 ベビーマッサージ&ベビーヨガインストラクター
・高等学校教諭第Ⅱ種(公民)免許
 
URL https://brainswitch.jp/
個人Webサイト https://kabeyama.jp/
Facebook https://www.facebook.com/kabeyama/
Instagram @kabeyama
Twitter @Kabeyama_Emiko
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