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コラム

今月の「元気になる」コラム 第6回

物事には陰と陽とがある。ポジティブ・エナジャイザーである髙島真太郎氏は、「2020 年末より陽(昼)の時代に入った」と言う。これまでの陰(夜)の時代から次第に物事の価値基準が変わる。組織の時代から個の時代へ。ピラミッド型構造からフラット構造へ。人の生き方も、その目的も変わっていくこの時代の転換点において、私たちは何を指針に行動していけばよいのだろう。時代の趨勢を見極めるために、何を身につけるべきだろうか。
 
2020 年末を目処に、時代の転換点を迎えるというのが前回の結論だった。その変化に備えて、「無意識(ハイヤーセルフ)」を理解する必要があると。

 おさらいも兼ねて、ハイヤーセルフについて説明しましょう。人間には顕在意識と潜在意識とがあり、私たちが何かを判断したり、行動したりするのはたいてい顕在意識の中で行われています。対して、潜在意識というのは本能的な感覚や自覚のない状態のことで、この潜在意識の領域を伸ばすことで、人間の能力は何倍にも高められる……ということはよく言われる話です。「直感的に判断した」などと言いますが、この直感こそが潜在意識の先端に触れた証拠でしょう。
 そして、ハイヤーセルフというのは、顕在意識でも潜在意識でもない、無意識の領域のことです。そのひとつの具体例が、過去や未来の自分が、現在の自分に送ってくれるサインです。

過去の自分からサインが送られるというのは何となく理解できる。例えば、過去に得た成功体験は、鮮明な記憶がなくても心に残り続ける。A とB の二択でAを選んで成功した経験を持つ人は、それから先もA をファーストチョイスにする傾向がある。失敗した場合もしかりだ。

 未来の自分が送ってくれるサインも同様です。「こうしたらうまくいくよ」とか、「今からしようとしている判断は間違っているよ」など、未来の自分がアドバイスを送ってくれているのです。未来予知のようですが、未来が見えるわけではなく、自分の無意識の領域が教えてくれているのですよ。

本当にそれができれば、人生は思い通りになる。

その通りです。ただし、過去や未来から送られてくるサインを簡単にキャッチすることはできません。だからこそ、そのための能力を開花させようというのが私の考え。換言すれば、大成功を収めた人物は、このサインをキャッチする能力に長けている可能性が高いと思います。

どうしたら、キャッチできるのか? もしくはキャッチする能力は、どうしたら高められるのだろう。

 それは過去の回で何度も伝えてきました。自分という木に糧を与え、幹を太くし、葉を広げる。そうすることでキャッチしやすくなります。もうひとつアドバイスを加えるとすれば、「今を生きる」ことです。

──今を生きる?

 今を考えながら生きる。当たり前のようですが、今を考えながら生きている人って案外少ないものです。例えば、私たちはよく、仕事のことを考えます。「効率的に完成させるため、まずはこの作業を優先的に進めよう」とか「クレームにどう対処するべきか」とか。これは、まだ起こっていない先のことを考えていますよね。勉強だって、将来のゴールや、なりたい自分を目指して頑張っている。あるいは昨日の失敗を悔やんだり、反省したり。今を考えながら生きることって少ないのです。しかし、今を100パーセント感じて生きることができれば、ハイヤーセルフにつながっていきます。
 視野を広く持つことも大事ですね。サインは絶えずあらゆる方向から送られてきています。自分の目の前にあっても、別の方向を見ていたら捉えることはできません。

チャンスは常に身の回りにあり、それを見つけ、掴むためのセンサーを張り巡らせることが成功への近道…という偉人の話にも通じるものがある。

 自分の力だけでは、ハイヤーセルフにたどりつけないと思う人は、私たちのようなエナジャイザーの力を借りることもひとつの手です。感情がネガティブな状態である時には、ハイヤーセルフに入れません。そこで負の感情を捨てるためのデトックスが必要になります。デトックスがうまく行えない人は、人の力を借りてもいいんです。
 ただ、人間は生きていますから、一旦はネガティブな感情を空っぽにしても、また何日かすると溜まってきます。その度に感情のデトックスをして、だんだんとポジティブである時間を長くする訓練をすればいい。そのためのフックになりたいと私は思っています。

サイン以外にも、ハイヤーセルフによって得られるものはあるのだろうか。

 運動能力、コミュニケーション能力、どんな能力だって高めることができますよ。トップアスリートが勝利会見で「ゾーンに入った」という言葉を使うことがありますよね。あれは、ハイヤーセルフの状態に入ったことでプラスアルファの能力が付加されたと考えています。一流のスラッガーの「球が止まって見えた」とか「ボールの縫い目が見えた」といった語録を耳にすることもありますが、あそこまで到達すると、もはや普通の人とは時間の流れかたまで変わってしまっていますよね。常人が1秒で行うことを、半分の時間で為しえたら、そりゃあ球も遅く見えるだろうし、速くも走れますよね。

時間だけは万人に対して平等に与えられると思っていたが、必ずしもそうではない…。ハイヤーセルフは時間も超越するのか。

 超人が常人より多くの時間を与えられているわけではなく、自分の能力が時間軸を追い越しているわけです。
 ハイヤーセルフは私流に言ってみれば「スペースを空けること」です。空間的スペース、能力的スペース、時間的スペース、精神的スペース。あらゆることに対してスペースを空ける。このコラムのタイトル通り、「脳にスペース、心にスペース」です。スペースがあれば、伸びしろが生まれますからね。
 ハイヤーセルフに到達するためのもうひとつの方法として、自問自答をすることをおすすめします。ただぼんやりと日常を生きるのではなく、自分はどういう人間なのか、何のために生きているのか、と問い続ける。そして、あらゆることに感謝の気持ちを持つ。些細なことに対しても「私が今、生きていられるのはこのお陰なんだ」と感じられることが気付きの一歩です。
 そうそう、余談になるのですが、「ありがとう」という言葉は、「Thank you」より「謝謝」より、他のどの国の感謝の言葉よりも周波数が高いらしいですよ。周波数というのは、高いほど伝わりやすく、伝送できる情報量も増えます。つまり「ありがとう」は相手に伝わりやすく、感謝の気持ちもたくさん込めることができる素晴らしい言葉なんです!

次回はいよいよ最終回。「脳にスペース、心にスペース」の本質について語っていただく。

■プロフィール
語り手 髙島 真太郎

WORLD JOYOUS LIFE 合同会社CEO。
建築設計の業務を営んでいたが、多くの経営者と出会う中で、セールスエージェント業務に着目。若い営業職を支援するコミュニティ作りに注力する。
 
『宇宙学校』しんちゃんねる369
https://m.youtube.com/c/shinchannel369/

 
 

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