一歩を踏み出したい人へ。挑戦する経営者の声を届けるメディア

Challenge+(チャレンジプラス)

コラム

毎日のマネジメントで使える! コーチング&コミュニケーション

ストレングスコーチ・経営戦略コンサルタントの壁山恵美子氏は、大学院在学中から個人事業主となり、芸能界・出版業界など多くの業種を経験。30歳で転職した上場企業ではスピード出世を果たすなど、さまざまなビジネスノウハウを蓄積してきました。本連載はそんな壁山氏が「マネジメントのヒント」や「強みを生かすストレングス・マネージメント」についてお伝えします。第7回目のテーマは『自分の「強み」・スタッフやメンバーの「強み」とは何か』になります。
 

2021年はどのような目標を設定しますか?

謹んで新年のごあいさつを申しあげます。昨年は、日本国内だけでなく世界的にもコロナ情報に翻弄され、徐々に新しい生活様式や働き方が進む間に、時が過ぎ去った気がしました。私自身も、さまざまな環境の変化から仕事の変化も多く、ほとんどがリモートの業務となったことで人と会う回数も減りました。そのような中で、リア ルでの対話は貴重な時間だと実感できました。特に業務上、対面で顔を合わせて話すことはコーチングマネジメントにおける大切な機会と考えています。

さて、これからの新しい1年、皆様はどんな目標を掲げていらっしゃいますか?私は以下の3つの目標を掲げています。一つ目は、本コラムの趣旨でもある「強み」を生かしたマネジメントを広めていくこと。二つ目は、IT関連を専門としている関係から、リモートワークで広がった遠隔ツールや動画配信による教育研修を中小企業でも活用できるように、動画コンテンツのつくり方などの教示を強化していくことです。そして三つ目は、コロナ禍で渡航できずに完全リモートでのマネジメントになってしまったミャンマーの文化やビジネスに関しての情報を、今以上に日本国内に向けて発信していく。この3つで年間の計画を立てて過ごしていきたいと考えています。

「強み」とは何か

自分の「強み」は何か、と聞かれて、皆様はどう答えますか?また、部下・スタッフやチームメンバーの「強み」を生かしてプロジェクトを進めたいとき、どうやって「強み」を把握すれば良いのでしょうか?自分に強みがないと思って悩む方もいれば、自分の強みはこれだと言える方もいらっしゃるかもしれません。一般的に「強み」とは、何か行動を起こすときに、その程度や度合いが強かったり、他人よりも力量があったり、優れた点であったり、得意としているスキルといったことかと思います。ただ今回は、私がコーチング手法の一つとして用いている「クリフトンストレングス(旧名称:ストレングス・ファインダー®)」における「強み」に関してお伝えします。

「クリフトンストレングス」とは、簡潔に言うと米国のギャラップ社が開発したオンラインによる診断テストです。Webサイト上で177個の質問(クリフトンストレングス・テスト)に答えることで、自分の才能が導き出されます。ここで言う「才能」とは、生産的に適用できる思考、感情、行動の自然な繰り返しパターンのこと。そして、「クリフトンストレングス」では、「強み」を“特定の作業において、ポジティブな結果を一貫してほぼ完璧に生み出す能力”と定義しています。その強みを生かすためには、“才能から育て上げる”のであり、才能が発揮される度合いが大きければ大きいほど、その力は大きくなり、成功の機会も増えるとされているのです。

あなたの才能(本来の考え方、感じ方、行動のパターン)を測定した「特異的なレポート」をもとに、自分自身の最も優れた才能を発見・育成していきます。本来得意とすることを発見し、自分の最も優れた才能を強みにする方法を学び、結果とレポートを使用して潜在能力を最大限発揮していくわけです。ですから、自分の「強み」を生かしたい、もしくは組織において部下・スタッフやチームメンバーの「強み」を生かしたマネジメントをしたいと考えたときに、有効なツールとなるでしょう。

「強み」を活用するための資質

クリフトンストレングス・テストの結果から導き出される特質的なレポートは、34の「クリフトンストレングス」の資質に分類された結果(順位付けされて1位から34位)で生成されます。自分と同じトップ5の上位資質を持つ人は、3,300万人に1人の確率だそうです。ということは、自分とまったく同じ上位資質を持つ人間が同じ組織内にいる確率はかなり低いと言えます。身近に類似した資質の組み合わせを持っている人がいないことで、それがまさに自分の唯一無二の「強み」ともいえるでしょう。

私が最初にストレングス・ファインダー®と出合い、このレポートを受け取ったときに、「自分の今までの人生で経てきた過程は良かったのだ。ようやく自分が何者であるかに出会えた気がする」と、スッキリした感情が込み上げてきました。このような感情になったのには理由があります。

振り返れば、私たちは幼い頃から、学校で(良し悪しはさておき)画一的かつ標準化されたカリキュラムの教育を受けて育ちました。試験の結果によっては、「苦手科目の克服」とその対策で、できないところや苦手なところを埋めていく勉強方法を取らざるを得ない。この点は社会人になってからも同様です。「あなたは仕事でここが得意ではないので、できるようにしてください」と、まるでひび割れた箇所をパテで埋めるがごとく、苦手なこと、得意でないこと、あるいは自分ができていない部分をできるように強いられてきているのが大半だと思います。

一方で「クリフトンストレングス」では、下位資質は単に使えていない資質だと把握し、そこを強化するのではなく、上位資質をいかに強化して伸ばしていくかという考え方です。私自身も、人生において何が苦手で、どうしてそれができなかったのかを資質の順位から把握していった結果、自分をなんとなく理解できました。それからは、どんなときでも自分に自信を持てて、今こうしてマネジメント側の立場で活用できています。
ご興味のある方は、まずはクリフトンストレングス・テストでご自身の資質を知り、「強み」を活用するための基礎づくりをされると良いでしょう。書籍もお勧めです。

次回も「強み」について皆様と一緒に考えて掘り下げて、その活用についてお話ができればと思います。

【参考】
GALLUP クリフトンストレングス日本語サイト
URL https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja

ご興味のある方は、弊社お問合わせサイトからご連絡ください。

 
 
 

■プロフィール
壁山 恵美子(かべやま えみこ)
株式会社 ブレインスイッチ 代表取締役
YAMA HOTEL & ROOFTOP BAR(ミャンマー/ヤンゴン)
Chief Information Officer(CIO)
 
イベント・出版業界を経て、ソフトバンク(株)に入社。情報セキュリティおよびリスクマネジメントを専門分野とするグループマネジャーとして業務に従事。その後、J-SOX、IT統制、システム監査等の経験を経て独立。現在は、上場企業の経営企画部門およびPR・マーケティング戦略などのコンサルティングに携わる。また、中小企業の経営者向けコンサルティングや人材育成の研修カリキュラム開発なども展開。さらに、YAMA HOTEL & ROOFTOP BAR(ミャンマー / ヤンゴン)にてCIOとして人材育成をする傍ら、ミャンマー進出コンサルタントとしても活動。Gallup認定ストレングスコーチとして、組織のマネジャーなどにコーチングおよびコーチング型マネジメント手法を指導している。
 
※保有資格
・Gallup認定ストレングスコーチ
・Tony Buzan公認 マインドマップ・インストラクター
・Peter Walker氏 公認 ベビーマッサージ&ベビーヨガインストラクター
・高等学校教諭第Ⅱ種(公民)免許
 
URL https://brainswitch.jp/
個人Webサイト https://kabeyama.jp/
Facebook https://www.facebook.com/kabeyama/
Instagram @kabeyama
Twitter @Kabeyama_Emiko
個人事業主様のためのビジネスオンラインサロン
「ビジネス相談室」を開催中。
ご希望の方はメール等でお問合わせください。

<< Part6 コロナ禍での教育研修の実施・・・Part8 強みに気づくと自分に変化が起きる >>

 
 
 

躍進企業応援マガジン最新号

2024年3月号予約受付中!