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コンサルタント・小田切社長が指南!海外進出成功への道 第10回

昨今の国内市場の縮小化を危惧し、多くの日本企業がグローバル化に乗り出しています。その中で、言葉や文化、ビジネスの進め方の違いなど、さまざまな壁にぶつかることがあるでしょう。本コラムでは、海外ビジネス経験が豊富な(株)サザンクロスの小田切社長による、海外進出におけるアドバイスをお伝えしています。前回は、「人・物・金・情報」についてご紹介しました。今回は“人”にフォーカスし、「人財」か「人材」か?というテーマについて考えます。

 
こんにちは。(株)サザンクロスの小田切武弘です。対談記事が掲載されている「躍進企業マガジンCOMPANYTANK」2018年3月号、そして2018年5月から連載中の本コラムには目を通して頂けましたでしょうか?

第10回にあたる今号は、海外展開における「人財」か「人材」か?という内容で、最重要なファクターである“人”にフォーカスし、主にどのような人(日本人・現地人)が海外進出、海外展開において求められるか、また経営者の皆様は現地で活躍するために彼らにどのように動いてもらい、管理・ケアしていけば良いかに主眼を置きます。

とは言っても、業種、業界、海外展開する地域、どのような役職・任務なのかでそれぞれ状況も異なります。ですから、今回は主に、日本から東南アジアに自社(他社)商品を輸出し、現地法人を設立して新たに法人経営と、現地販売・営業をしていく場合の日本人駐在員候補者(現地法人代表者)と、その方をサポートする現地人マネジャー候補者のことをイメージしながらお話を進めます。直接該当するようなことはないかもしれませんが、最大公約数的なものとしてご参考の一助になれば幸甚です。

本社として派遣予定の日本人駐
在員候補者についての主な考え方

海外駐在員は、会社の業績や規模、事業内容、担当職務を問わず本社の代表として、それぞれの赴任地で活動、活躍をして頂く会社にとって最も大切な「財産」です。その財産を粗末に扱えば、すぐになくなってしまいます。会社では売上も減少し、利益も消え、新たな利益創出もできなくなってしまうでしょう。財産は守らなくてはなりません。また、守るだけでなく上手く運用、転用して少しずつでも増やしていかなければ、明日の会社経営や生活を継続していくことはできません。

人財としての面

では、会社としての財産である人財をどのようにして守ってあげればいいのでしょうか。最も重要なことは、会社が温かさと正義、公平感を持って海外駐在員に誠実に接していくことです。それをベースとして、赴任地で安全で安心してモチベーションを維持しながら、明るく積極的に業務に励んでもらうための決めごとが必要になります。それにあたるのが個々の人事処遇です。

人事処遇において大切なのは、公平感を確立することです。海外駐在員は会社の海外事業発展にとって最も大切な財産。不適切な処遇をすると国内勤務者や、現地人スタッフにも良くない影響を与えてしまうことになります。そこで、海外駐在員の給与、処遇については国内勤務者の給与、処遇をベースに検討し、海外駐在を行うにあたり、国内とは異なる状況や条件で勤務するための手当を付与していくやり方が1つの方法です。そのようにすれば会社としても海外駐在員への給与面での誠意を明確に示せます。では、他にどのような切り口を検討すれば良いか、主なポイントを以下にまとめてみます。

① 同じ国に同時に複数名が海外駐在する際の処遇の仕方。
② 日本国内では同様のキャリアで、同様の役職・職位の社員が、別々の海外赴任地に駐在した場合の処遇をどうするか。
③ 家族帯同者、単身赴任者、独身者等赴任形態による海外駐在員の給与・処遇をどうするか。

以上のような切り口を軸に、主な処遇について検討されると良いかと思います。

人材としての面

次に、人は「人材」であるという点について。人財であると同時に海外で活躍してもらうためには、現地法人の安定的経営の維持と発展、営業活動などに動いてもらわなくてはなりません。その意味では大切な部材でもあります。例えば自動車や家電は、部品が1つでも不足していたら、正常に機能せず動かなくなるかもしれません。自動車の場合日本には車検があり、全てを点検し必要に応じて部品をメンテナンスします。その結果によっては、修理や部品交換をしなくてはなりません。

海外駐在員についても同じです。会社は海外駐在員の業務だけではなく、精神面も定期的にケアをしてあげることが重要です。通常の業務活動における「報連相」だけではなく、もし個人的な悩みなどがあればその点もきちんと解決してあげる。すなわち、人事処遇においては給与面だけではなく広い意味での福利厚生についても公平感のあるルールを構築し、海外駐在前だけではなく駐在中も適切なコミュニケーションを取ってあげることが大切になります。

現地人スタッフについても同様です。現地人スタッフは現地法人の代表者をサポートし、日常の細々とした現地企業や他の現地人従業員に対して調整、フォローをしてくれています。本社にとって現地人スタッフも海外駐在員と同様に「人財」であり、「人材」であることを忘れてはなりません。人事面についても、駐在員とは明確に分けて処遇をしてあげる決めごと(現地従業員規程・給与処遇規程等)を本社があらかじめ策定し、しっかりとした説明を行い、定期的に現地人スタッフをケアすることが重要です。

人財と人材の両方を大切に

いかがでしたか?「人財」か「人材」か?という点については、両方が大切であると私は考えております。片方だけに固執してしまうとバランス感が損なわれさまざまな部分にしわ寄せが来るなど、経営に悪影響を与えてしまうでしょう。これについては紙面がいくらあっても書ききれない重要なことですが、今回はここまでにいたします。

次回は人事規程の重要性という点についてお話をしてまいります。お楽しみに!

≪追記≫
読者の皆様からは毎回、さまざまなお問合せを頂いております。海外展開をお考えの方々で、もし国内あるいは海外の人事についてご相談があれば、弊社ホームページのお問合せフォームから必要事項をご記入の上、送信ください。いつもご覧頂き、ありがとうございます。

■プロフィール
株式会社 サザンクロス 代表取締役社長
小田切 武弘

海外志向が強く、学生時代に海外留学を経験。学業修了後は、大手電気機器メーカーや飲料・食品メーカー、総合商社など数社にわたって、米国、インド、韓国、東南アジアといった諸外国に駐在。その中で、海外でのビジネスに苦戦する日本企業の存在を知り、自らのノウハウを提供したいという思いが芽生える。2017年7月7日、企業の海外展開をサポートする(株)サザンクロスを設立した。
 
■企業情報
株式会社 サザンクロス
〒167-0032
東京都杉並区天沼1-16-9
■URL
http://sc-southerncross.jp/

 
 

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