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コラム

今月の「元気になる」コラム 第5回

「興味への一点集中」「反復・継続」「自分を信じる強い力」──ポジティブ・エナジャイザー・髙島真太郎氏の導きにより、私たちは自分自身を大樹に育てるためのテクニックを身につけた。さあ、今回からは次のフェーズに踏み出していこう。何をすべきか?培った自分のスキルを活かし、「表現者」になることだ。表現の仕方は人ぞれぞれ。そこに制約はない。求められるのは、どれほどの熱意(エネルギー)があるか、ということだ。
 
芽生えた「成長への欲求」に水をやり、肥やしを与え、幹に育てることの重要さを、これまで私たちは学んできた。枝葉を広げ、花を咲かせ、実を結び……とまでは行かなくても、読者の中には自分を俯瞰し、成長を実感している人もいるだろう。

 これまで私は、言ってみれば「他人の真似」をすることを説いてきました。書店に行けば、棚から溢れんばかりの「成功本」がありますが、あれはすべて成功者の真似をすることを勧める内容です。真似というと陳腐なイメージがしますが、前回も話したように、誰かの指導を受けることは成功への近道なんです。
 そうして、無から有を生み出す方法を身につけられたら、今度は誰かの真似ではなく、自分を表現することを始めるべきだと私は思います。

──自分を表現?

 そう。人は皆、表現者になるべきです。ちょっとやそっとの風に動じない幹を育てたら、次にすることは何か? 天に向かって高く背を伸ばす? それとも枝葉を大きく広げ、人々が安らげる木陰を提供する? もしくは次々と木を増やし林や森をつくる? 自分という樹をどのように育てていくかは、その人の自由。その人の生き様によって表現の仕方は変わってくるでしょう。
 もしかしたら、表現の仕方が分からないという人もいるかもしれません。そういう時は、引き算をしてみるとよいでしょう。これまで、成長に向かって足し算をすることに重きを置いてきましたが、ある程度の器ができてきたら、今度は逆に引き算をしてみるんです。

引き算とは? これまで身につけてきたことを捨てるということだろうか。

 原点に戻るという意味です。小学生の頃の日々を全て思い出すことは誰もできませんが、想い出として残っている出来事が誰にでもあるはずです。どうしてその出来事は記憶に残っているのか? それは、今の自分を形作ったターニングポイントとなっているからです。だから、記憶を突き詰めれば、自分が何を、どう表現したいかはおのずと分かります。
 実業家の堀江貴文という人がいます。堀江氏が2019 年に民間単独初のロケットを打ち上げたことは知られていますが、そもそも堀江氏がどうしてロケットを打ち上げたいと思ったのか。もちろん商業化への目論見もあるのでしょうが、本質を突き詰めれば、少年が持つロケットへの憧れ、宇宙への憧れだと思います。少年の大志があの偉業を為しえたのでしょう。

人は生きていく中で様々な経験をし、それを教訓に鎧を身につけていく。しかし、ふと、その鎧が重いと感じる時がある。鎧を脱ぎ捨てたとき、裸の自分が意外にもたくましいことに気付くことがある。

 スマートフォンを購入し、様々なアプリをインストールするのに似ていますね。色々と機能を足していくことでスマートフォンは便利になっていきますが、本体の持つ機能そのものが最も重要で、優秀であることは忘れられがち。スマートフォンが世の中に登場したとき、この小さな躯体ひとつで世界中とつながれることに誰もが驚きました。それこそが本質。SNSもオンラインゲームも、スマートフォンの本質を応用しているだけなんです。長い人生の中でインストールしてきたものも大事ですが、本質に目を向けてみると、大きな発見があると思います。その本質と、今の自分とが化学反応を起こし、さらに自分を成長させることができるんです。

ダウングレードしていくことで退化するのではなく、むしろ進化していく。ダウングレード=アップグレード。

 原点に戻るというと、今いる場所からスタート地点に戻るかのような印象を受けますが、戻るのではなく、スタートもゴールも同じ場所にあると考えてください。スタートしたときの自分も、今の自分も同じ。自分という優秀な機能は最初から備わっていて、それを何に役立てていくのか──どう表現するかを考えるために原点に帰る。もちろん、答えはひとつではありません。表現したいことがたくさんあるなら、何通りも表現すればいい。欲求のままに行動すればいいんです。

欲求のまま、というのはある意味「わがまま」になってしまわないだろうか。

 わがままには二通りあります。自分勝手に行動する「我が儘」と、素の自分のままでいるという「我が、まま(我のまま)」。例えば、会社で行われる飲み会を断るのは「我が儘」でしょうか「我が、まま」でしょうか。その飲み会に意味があるなら参加すべきだと思いますが、無意味な飲み会に参加する時間を、有意義な別の何かに充てるために断るのは、「我が、まま」だと思います。「付き合いが悪い」とか周りがとやかく言っても気にすることはありません。一旦決意したら我を信じて進む。これも「我が、まま」です。

我の信じるままに生きる。聞こえはいいが、人間は弱い。自分本位だと自堕落なほうに流れる気もする。

 よく「頑張らなくていいんだよ」というなぐさめの言葉を目にしますが、頑張らなくていいというのは、何もしなくてもいいということではありません。自分のペースで、自分の物差しで判断して頑張ろう、というのがその真意。何もしないのは「我が儘」でしかありません。
 少しスピリチュアルな話になりますが、皇室の祖先は天照大神だという説があります。この考え方によると、皇室は日本唯一の神の血筋ということになりますが、他方、日本人全員が神の血筋を持つという人もいます。しかし全員がフラットであったなら、誰もが「我が儘」を押し通してしまい、組織として統率が取れない。だからこそ、皇室を代表者に選んだのだ──と。

皇室のルーツについては諸説ある。しかし、俗衆の我が儘を抑制するために代表者を選んだという話には説得力がある。ピラミッド構造はすなわち、論理の構造化だ。

 次回に話をつなぎますが、日本人が長年守ってきたピラミッド構造が、今年の年末から数年かけてフラットな構造に変化すると言われています。その変化に備えて準備をしていくことが必要になってくるでしょう。具体的に言うと、人間には顕在意識と潜在意識とがあり、潜在意識を開発することで成功を手に入れることができると言われますが、さらに潜在意識の下にある、「無意識(ハイヤーセルフ)」を理解することが必要となってくるのです。

この続きは次回で。乞うご期待。

■プロフィール
語り手 髙島 真太郎

WORLD JOYOUS LIFE 合同会社CEO。
建築設計の業務を営んでいたが、多くの経営者と出会う中で、セールスエージェント業務に着目。若い営業職を支援するコミュニティ作りに注力する。
 
『宇宙学校』しんちゃんねる369
https://m.youtube.com/c/shinchannel369/

 
 

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