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Challenge+(チャレンジプラス)

コラム

人を元気にするための活動を

MRT宮崎放送の情報テレビ番組、「モーニングてらす!」でリポーターを務める圖師凜さん。ひょんなことから地元のPRに携わることになり、豊富な経験を積む中で、前向きさやチャレンジ精神を身に付けてきたという。地域づくりや取り組みが徐々に見直されている今、宮崎の地で精力的な活動を続ける圖師さんに話を伺った。
 

観光PRからリポーターの仕事へ

──幼少期からの歩みをお聞かせください。
私は宮崎県内で高校時代までを過ごし、大阪の大学を卒業した後は、宮崎に戻って働いていたんです。最初に就いた仕事が病院の事務職で、日中は働いて、夜と休日は幼少期から続けている卓球の練習に励む日々を送っていました。そうした中で、知人から「日南市の『日南サンフレッシュレディ』という観光レディの活動をしないか」とお誘いを受けまして。市内には若者も少なかったので、せっかく声を掛けて頂いたのだからやってみようと、病院で働きながら観光レディも兼務することになったんです。
 
観光レディは、主に市内のイベントに参加したり、市外・県外のお祭りに出店する物産ブースなどでPRをしたりといった、日南を盛り上げる役目を果たします。それが、いざ始めてみるとすごく楽しくて。それまで深く考えたことがなかった「地元へ貢献すること」のやりがいを強く感じたんです。日南の皆さんはとにかく優しくて温かく・・・人に応援してもらえて、喜んでもらえるのはこんなに素敵なことなんだ、と知ることができました。
 
──MRT宮崎放送のリポーターになった経緯は?
観光レディには任期があり、その先の道を模索していました。観光PRの活動に魅力を感じていたので、何かしらの形で地域に携わる仕事がしたいな、と思って。そんな時に、友達がMRT宮崎放送のリポーター募集のCMを見て私に教えてくれたんです。それで興味を持って、自分で応募しました。すると採用に至り、2016年4月から、MRT宮崎放送の朝の情報テレビ番組「モーニングてらす!」のリポーターに就任することができたという流れです。
 
番組では、スタジオでMCを務めながら、地元のお店のリポートをしたり、宮崎で開催される地方の物産展などのイベント内容を現地まで赴いて取材したり、地元の旅行代理店のPRで海外まで行ったことも。それこそ、出演当初はすごく緊張していて、失敗をしたらその度にへこんでいたんです。でも今は、「良い番組をつくろう」という思いはスタッフさんや他の共演者の方たちと同じなので、うまくいかないことがあっても「どうすれば次に生かせるかな」と前向きに考えられるようになりました。
 
また、私はリポーター経験のないところから始めて、当然、技術も実力もありません。ですから、自分にできる唯一のこととして、見てくださる方が笑顔になるような、明るくて元気なリポーターでいられるように常に心掛けています。「この子は今日も元気に頑張っているな」と思ってもらい、少しでも元気を届けることができたら嬉しいです。
 

人の温かみに触れられる宮崎での暮らし

──地域のPRを続ける中で感じる宮崎の魅力は?
やっぱり「人」ですね。皆さん温厚で謙虚で、本当の家族のように感じるんです。地元を好きな方ばかりなので、地元が一緒というだけですごく親身になってくださいますし、それが仕事をする上での活力になっています。これは、地元で働くことの一番の魅力かもしれませんね。一方で、宮崎の方は観光客や県外から移住してきた方にもすごく優しいんです。以前、20代の方が農業をするために東京から宮崎に移住したところ、地元の皆さんが住む家や車を用意して、毎日ご飯もくれたそうで(笑)。その方も今は結婚して、夫婦で宮崎に住んでいますよ。それから、もちろん食べ物もおいしいです。牛、豚、鳥、魚、野菜、お米・・・何か1つだけ有名というのではなくて、何でもおいしいのが素敵だと思います。そして、森も海もきれいで、自然もいっぱい。森林セラピーやマリンスポーツも楽しめるんです。

ただ、こんなに魅力たっぷりの場所なのに、多くの地方がそうであるように、若者の数はすごく少ないです。みんな、進学や就職で県外に行ったまま戻ってこないことが多くて。ですから、地元の若者がたくさん残ってくれて、県外からも観光客や移住者が増えてほしい。そんな思いで仕事に励んでいます。
 

人として大切なものは卓球から教わった

──圖師さんが明るく頑張り続けられる秘訣は?
私の原点であり、今のメンタリティを築いてくれた「卓球」の存在だと思います。父の影響で小学生から始めた卓球ですが、名門である日南学園高校の卓球部に入った頃などは、朝から晩まで、授業以外の時間はずっと練習していましたし、週末も長期休みも卓球に捧げていました。一度、体育の授業で指の骨を折ってしまったことがあるんですけど、それが卓球の試合の前日で、しかも私にとっては日南学園で初出場となる試合だったので、「絶対に出たい」と思って、骨折していることを誰にも言わずにこっそり試合に出たんです。そして、やはり手元はうまく動かなかったものの、気合いで勝ちました(笑)。そういった根性も、忍耐力も判断力も、礼儀作法も全て卓球から学んだと思います。
 
ちなみに、今でもリポーター業と並行して卓球に打ち込んでいます。全国大会や九州大会にも出場していまして、2017年の冬には全国大会の個人戦でベスト16、県大会の個人戦では2018年時点で3連覇中なんです。ここまで熱中できるものなんてそうないと思うので、生涯続けていきたいですね。
 

限界をつくらないからチャレンジができる

──多様な活動をしてきた圖師さんにとって「チャレンジ」とは?
私は周りに勧められたものを拒まずに受け入れることで、ここまでやってきました。観光レディもリポーターも、「やってみたら?」と言われて始めたものばかり。でも、それが結果的に、自分にとってチャレンジする日々になりました。つまり、始めたことを頑張っていたら、予期せぬチャレンジにつながったということ。そう考えると、自分の中で「限界」や「できないこと」をつくらないことが大切なんじゃないかな、と感じますね。ですから、これから先も自分で限界を決めずに、皆さんに元気を届ける活動を続けていきたいと思っています。
 
 
【MRT宮崎放送・モーニングてらす!】URL http://mrt.jp/television/mtera/
 
 

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