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コラム

セルフブランディングプロデューサー福田宇華のこれから一歩踏み出したい 女性に届けるメッセージVol.1

Vol.1 専業主婦から経営者となった今、伝えたいこと

時代の変化と働き方の多様化によって、自ら事業を立ち上げる女性が徐々に増えてきている。しかし、起業してみたものの、自身の長所を生かす方針づくりや、業界内の人脈を広げる方法がわからず、悩んでいる人も多い。ここでは、そんな女性起業家たちをセルフブランディングプロデューサーとして支えるuka planet(同)の代表・福田宇華氏が、一歩踏み出すための勇気とノウハウを与えるコラムをお送りする。

初めまして、セルフブランディングプロデューサーの福田宇華(ふくだうか)と申します。今号から、《これから一歩踏み出したい女性に届けるメッセージ》と題しまして、コラムを書かせていただく事になりました。第1回は自己紹介がてら、私が起業した経緯と今の活動についてお話しさせていただこうと思います。

~専業主婦から一歩踏み出すまで~

2020年に法人化し、経営者の仲間入りを果たした私ですが、2015年までは、3人の息子を持つごく普通の専業主婦でした。起業の「き」の字もわからない、ビジネスに関してもド素人の私が、その間の6年で、なぜここまでたどり着いたのか――まずは、その歩みを振り返っていきます。

近年はコロナ禍によって先行きが見えにくい状況で、女性の働き方も意識も随分と変わってきました。在宅でも、パソコンや携帯があれば、稼げる世の中になったと感じます。仕事へ求めるものも、時代と共に変化しています。嫌な仕事、苦手な仕事を、「生活のために」と自分を犠牲にしてまで続ける時代ではもはやないのです。私が掲げる企業理念の中に、「豊かな起業」という言葉があります。しかし、当時の私は「豊かさとは何か?成功とは何か?」ということを考える時間も確保しないまま、ただただがむしゃらに働き、出産し育児を経て、40代を迎えていました。

安定した理想の生活をしていたにも関わらず、何か満たされない、燻った思いがあったのです。そこで、とにかく社会とつながり、「自分に何ができるのか、何がしたいのか」を考える“自分探し”がスタートしました。

8年間の専業主婦生活から抜けだし、栄養士のパートに出たのが、すべての事の始まりです。まだ小さかった3人の息子たちに留守番を頼み、「ママ、面接にいってくるね!」と、家を出たあの時の気持ちを、今でも覚えています。とにかく、「今」できることをやってみる。頭で考えていても答えは出ない。そう、一歩踏み出すことが、すべての扉を開くきっかけになるのです。

~現実を目の当たりにする~

一度面接に落ちた後、同じ系列の認可の保育所に採用が決まりました。ちなみに、落ちた際の理由は「実績」や「経験」がなかったからでしたが、それは少しずつつくっていくしかありません。採用された保育所では、「性格」や「コミュニケーション能力」が施設長の目に留まり、採用に至りました。一歩踏み出した後にはさまざまな困難に直面するものですが、「諦めない気持ち」があれば大丈夫です。自分の「良さ」や「強み」を見抜いてくれる人はきっといますし、“自分の居場所”は必ずあります。だからこそ、今は皆さんにも恐れずに一歩踏み出してほしいと思っています。

さて、採用されたものの、慣れない仕事と育児の両立は想像を絶するものでした。2つのお弁当をつくり、長男・次男を幼稚園へ送り、三男をママ友宅に預け、パートに向かう。立ち仕事の重労働は私に重くのしかかり、体はすぐに悲鳴を上げました。パート代で稼いだお金も通院費用に消えるという、何とも情けない状況で、これがずっと続くと思うと、涙が出そうになって・・・。

ついには、割れるような頭痛で起き上がれなくなり、寝たきりの日々が続いてしまい、私は「健康」も「希望」も「時間」も、何もかも失ってしまったのです。

~「漢方」との出会い~

そんな失意のどん底にいる時に、出合ったのが「漢方」でした。脳神経外科へ行っても原因がわからない割れるような頭痛。同時に、三男の手強い便秘に悩まされ、1週間、10日出ない・・・という日が続いた結果、小児科の先生には責められ、母親としても栄養士としても、プライドはズタズタでした。

でも、「自分と息子の体は自分で治すしかない」と思い、手に取ったのが『漢方をはじめよう』(成美堂出版)でした。「体を内側から温める」「血の巡りを良くする」「自分の心と体の声に耳を傾ける」など、自分に目を向けることを教えてくれた漢方の世界観は、すぐに私を魅了しました。その後、勉強を重ねて「漢方・薬膳検定」「漢方養生指導士」の資格を取得し、この考え方や教えを、子育て中のママたちに伝えていきたいと思ったことから、起業を決意したというわけです。

とにかく、女性が産後に子育てをしながら働くというのは、想像以上に大変なことであり、周りの理解や協力が必要不可欠であると、身をもって痛感しました。また、そこに寄り添ってくれる人や場所が必要だということも。私が現在、「人」や「場」づくりを大切にした起業を勧めているのもそのためです。

私は3人の息子を育てながら、いつも自分の「居場所」を探していました。あの時、「漢方」の本を手にしていなかったら。あの時、「漢方」の学びを深めていなかったら―皆さんは、自分の「知りたい」「学びたい」「伝えたい」に耳を傾けて行動していますか?自分の「心の声」に耳を傾け、アクションを起こした時に、そこに自分らしさや情熱が加わります。「誰か」の人生を生きていませんか?自分の人生を生きていますか?私自身、とにかく「私らしい仕事、私にしかできない仕事をしたい」という思いが、常に原動力になっていたと思います。

~個人事業主から法人へ・・・私が大切にしていること~

法人化前は、パートをしながら扶養内で「個人事業主」として活動していました。そこから、地域の起業仲間とつながることで不安が解消され、自分のペースで活動を進めてくることができたのです。情報交換の場である交流会を開催したり、地域交流型フェスタを開催したり、必要とされていることをやっているうちに、自分にしかできない「仕事」や「使命」を感じるようになりました。

専業主婦の時には出会う機会のなかった、オーナーさんや社長さん、農家さん、行政の方々とお話しする中で、一人ひとりの仕事に対する考え方や在り方に触れ、自分もこのような器の広い人間になりたい、そういう方々と肩を並べて仕事がしたいと思うようになりました。

そうして気が付けば、パートで社会復帰してから6年で、サロンマンション購入と法人化の夢を果たしていたのです。

私はなぜ、短期間でなりたい自分になれたのか?夢をかなえることができたのか?

専業主婦から個人事業主、法人経営までを経験してきた私だからこそ伝えられる、メッセージがあります。起業当初より、「起業女性を孤独にしない」をモットーに活動してきました。まだまだこれからですが、ここまでたどり着けたのは、自分の心の声としっかり向き合ったから。「まずは己から」ということで、セルフブランディングに辿り着いたのです。それでは、次回からさまざまなテーマで皆さんにメッセージをお届けいたします。ぜひお楽しみに。(次号へ続く)

■プロフィール
セルフブランディングプロデューサー
福田 宇華(ふくだ うか)
 
短大栄養科卒業。洋菓子メーカーに8年間勤務し、百貨店での店長業務経験後、結婚を機に退職。3人の息子に恵まれ専業主婦時代を過ごす。40歳前に栄養士パートで社会復帰すると、「漢方美活club」を立ち上げ個人事業主としてスタート。2020年7月にはuka planet(同)を設立し、自身のサロンマンションを購入する。食べる薬膳茶【美活eat薬膳茶】考案者。コミュニケーション能力・行動力・発信力を武器に、現在は自分らしく働きたい女性のサポートとしてコーチングやコンサルティング、起業塾の開講、ブランディングプロデュース、イベントプロデュースを手がける。「起業女性を孤独にしない」をモットーに、コミュニティやプロジェクト立ち上げ経験多数。『婦人公論』『anan』『朝日新聞Degital』『新時代のヒットの予感』などメディア掲載多数。日本橋三越カルチャーサロン「根本美人講座」開催経験あり。2021年「ミセスなでしこ日本」ファイナリスト。趣味はドライブと山登り。
 
uka planet 合同会社
URLhttps://ukaplanet.com/

 
 

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