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コラム

コンサルタント・小田切社長が指南! 海外進出成功への道 第2回

昨今の国内市場の縮小を危惧し、多くの日本企業がグローバル化に乗り出しています。その中で、言葉や文化、ビジネスの進め方の違いといったさまざまな壁にぶつかることがあるでしょう。本コラムでは、海外ビジネス経験が豊富な(株)サザンクロスの小田切社長による、海外進出におけるアドバイスをお伝えしています。前回は、「なぜ海外進出をするのか」という動機づけの必要性についてご紹介しました。今回は、「海外進出の目的と目標」と題して、成功に向けた1つの道筋をご案内します。
 

目的・目標設定が肝要

皆様、こんにちは。(株)サザンクロスの小田切武弘です。対談記事が掲載されている「躍進企業応援マガジンCOMPANY TANK」2018年3月号、本コラム連載第1回が掲載されている同誌5月号は、すでに目を通して頂けましたでしょうか?

今号では、第2回として「海外進出の目的と目標」──なぜ海外進出する?海外で何をしたい?という部分にフォーカスを当ててお話しします。

当社は、海外進出を目指す企業様のサポートを手掛けています。その際、経営者の方から「海外に出て売上を伸ばしたい」「海外進出初年度で、日本国内の売上に対して1%以上の売上を達成したい」「営業活動のために、現地の輸入卸会社をすぐに紹介してほしい」といったご要望を頂くことが多いです。そのお気持ち、痛いほど分かります。

ただ、そうした目標を達成するためには、しっかりと構想を練ることが大切になります。海外進出の目的は何ですか?海外で何をしたいですか?目標設定のガイドラインはありますか?──これは私がコンサルティングする際に経営者の方に投げかける質問です。これらの問いかけに対し、頭の中でイメージするだけでなく、実際に鉛筆を手に取り、何度も構想を描き直してこられた方こそ、成功を収めていらっしゃいます。これほどパソコンが普及している現代においてスマートな方法ではないように思われるかもしれませんが、手に持った鉛筆は不思議とさまざまなアイデアへ導き、論理的思考をさせてくれるものです。

成功のためのポイントとは?

では、海外進出を成功させるためには、具体的にどのようなことを心得ておけば良いのでしょう。今回は、私がコンサルティングをさせて頂いている中で、成功されている企業様に共通するポイントを、いくつか読者の皆様にお伝えします。

① 国内で取り扱っている商品の中から、進出国の輸入・販売法規に適合する商品のみを最初に選出している。

② 各商品を販売するルートや店舗を、具体的にイメージしている。

③ 現地の同様の他社商品について、多角的に調査。また、自社商品の優位な点と劣る点を、客観的に分析している。

④ なぜその商品を販売したいのかという目的と、それをかなえるための目標設定のイメージができている。

⑤ 上記のような具体的な部分まで踏み込んだイメージを、経営者自身が何度も修正を重ねながら固めている。

⑥ 早期の売上と費用対効果に強く固執しない。現在の国内の売上・利益を確保して軌道に乗せるまでに要した期間や労力を計算し、それを理解した上で海外進出を検討している。

⑦ 中期のマイルストーン、つまり物事の進捗を管理するための節目を設定し、現時点で必要とされている行動・作業を粛々と行っている。

以上が海外進出で成功されている企業が持つ特徴です。経営者の方々が、目的・目標に対してかなり明確なイメージをお持ちだと分かりますね。当然、初めから完璧なものではありませんが、皆様がこれらのポイントを押さえ、目的・目標を完遂しようとする強い意志を持って、私共と打ち合わせを重ねてこられました。

特に、海外で商品を販売しようと検討されている場合、「商品の選定、それを販売する理由、販売して得たいもの」といった目的と目標を練り上げていく段階で、ほぼ勝負はついてしまいます。ぜひ、これらのポイントを念頭に置いてください。

海外に新たな活路を開く

ここまで、具体的に目的・目標を設定する大切さとそのポイントについてお伝えしてきました。そうして描いた目的・目標は、“無理なく、無駄なく、無益なく”最短距離でかなえたいものです。

日本国内の人口減少による国内市場の先細りは明らかで、さまざまな業界において多くの企業様が日々海外に新たな活路を見いだしています。ただ、初めて海外進出に踏み出す企業様や、新しく別の国に進出される企業様にとっては、不安も大きいことでしょう。そんなときこそ、私に皆様の海外展開の夢をお聞かせください。そしてその夢を一緒にかなえてまいりましょう。

次回は、「海外に進出するための事前準備」についてご紹介してまいります。

■プロフィール
株式会社 サザンクロス 代表取締役社長
小田切 武弘

海外志向が強く、学生時代に海外留学を経験。学業修了後は、大手電気機器メーカーや飲料・食品メーカー、総合商社など数社にわたって、米国、インド、韓国、東南アジアといった諸外国に駐在。その中で、海外でのビジネスに苦戦する日本企業の存在を知り、自らのノウハウを提供したいという思いが芽生える。2017年7月7日、企業の海外展開をサポートする(株)サザンクロスを設立した。
 
■企業情報
株式会社 サザンクロス
〒167-0032
東京都杉並区天沼1-16-9
■URL
http://sc-southerncross.jp/

 
 

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