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コラム

オフを充実させ、より良いビジネスライフを! 大人が楽しむアウトドア考

アウトドアのオリジナルグッズ開発を手がける、イナウトドア合同会社の森豊雪代表が、アウトドアの魅力をお伝えする連載コラム。みなさんにとってキャンピングカーとは、どういう存在ですか?「一度は憧れるけど、なかなか手に入れられないもの」というふうにとらえている方が多いかと思います。今回は、そんなキャンピングカーについてのお話です。
 

◎ 憧れのキャンピングカー

キャンピングカーと聞くだけで、広大な大地にある真っすぐな道をゆったりと進む光景が浮かんではこないだろうか。キャンプをする方はもちろんのこと、普段キャンプをしない方にとっても、キャンピングカーを所有することに、一度は憧れるであろう。

調べてみると、どうやら「キャンピングカー」という言葉自体は、日本独特の表現のようだ。アメリカでは「モーターホーム」「レクレーショナルビークル」、オーストラリアでは「キャンパー」、ヨーロッパではけん引されるものを「キャラバン」と呼んでいる。日本のキャンピングカーとは、それらの総称を指す。また、車体の大きさによってフルコン、キャブコン、バンコン、バスコンなどさまざまな名称がある。コンとは「コンバージョン」、すなわち“改造”の意味。例えばバスをコンバージョンしたものがバスコンと呼ばれている。

一般的にキャンピングカーと聞くと、「大きい車」「高級」などといったイメージを持たれるかもしれない。そうした大型のキャンピングカーは、車内にキッチンやリビング、寝室、トイレ、シャワー、エアコン、テレビなど、まさに家としてのほとんどの設備・機能をそなえている。すべてがインドアで完結できる点を踏まえると、もはやキャンプというより、グランピングと呼ぶにふさわしいだろう。

キャンピングカーの何よりの特徴は、テントを設営しなくても寝られるということだ。たとえ雨が降っていても安心できる。というのも、キャンプをしていて困るケースの一つとして挙げられるのが、テントを撤収するタイミングで雨が降ってしまうことだ。その場は何とかしまってしまえばいいものの、カビが生えたりしないように、天気の良い時に家で干す必要がある。しかし、テントは大きいので、家のベランダなどのスペースだとかなり場所を取ってしまう。マンションなどの集合住宅に住んでいる場合は、隣人への配慮からそもそも干すことができないケースも考えられる。ちなみに、アウトドアの強者になると、「そのままにしておいて、またキャンプに行って干せば良いんだよ」という方もいる(笑)。

◎ 半分インドア、半分アウトドアの軽キャンパー

「移動する家」ともいえるキャンピングカーは、大変便利なものだ。一方で、不便さを楽しむアウトドアシーンにおいては、そうした醍醐味が若干薄れてしまう感は否めない。そこで私がおすすめしたいのが、近頃注目を集めている軽自動車のキャンピングカー(略・軽キャンパー)だ。軽キャンパーの魅力は、キャンピングカーの持ち味である快適な車内の居住性を残しつつ、他のキャンピングカーよりもアウトドア感を大きく損なわない点にある。

乗車定員の大半は4名で、軽自動車がベースとなっているためコンパクトで運転しやすい。車両価格や維持費が安いことから、日常生活での使用にも活躍することが間違いないだろう。ただ、いくら車内の居住性が充実しているとはいえ、車体は軽自動車である。私の知る限りトイレやシャワーブースが車内にそなわっているモデルは、まだ世に出ていない。加えて、快適に就寝が可能な人数も2名までがほとんどだから、必要に応じて車外で居住スペースを確保する選択に迫られるだろう。

とはいえ、最近では「RVパーク」と呼ばれる、キャンピングカーでの宿泊や車中泊をする方にとっては大変便利な施設ができている。電源が使えたり、トイレやシャワー設備が整っていたり、それでいて一泊2000円程度の使用料と安価なので気軽に楽しめるといえよう。また、道の駅や高速道路のサービスエリアの設備もどんどん充実している。

◎ キャンピングカーをレンタルする選択肢

キャンプ場に着いたら、まずはテーブルやイス、食器類などの最小限の道具だけを荷台から降ろす。そして、ぼんやりと空を眺めたり木々のざわめきに耳を傾けたりしながら自然の中に身をおき、ゆったりとした時間を過ごしていく。こうしたキャンプの楽しみ方をする人が多いのではないだろうか。私もそうやってぼんやりと過ごしている。

ただ、一つだけ改善すべき点を挙げたい。それはいわゆるオートキャンプであるがゆえに、テントを張る場所から近くに車があるということだ。もちろん、バックパックに比べると格段に荷物の運搬は楽であり、多くの道具を外に持ち出すことで、キャンプシーンを華やかに彩れる。一方では、車があることの便利さや、エンジンを付けたときの騒音などはどうしても付きまとってしまう。そんな時は、わずかな荷物を持って少し離れた林の中や河原に向かってみてはどうか。そうすることで環境を劇的に変えることができ、非日常の空間を手に入れることができる。

少々の道具なら積みっぱなしでも日常使いに支障がなく、アウトドアに出かけたい気分の時にはすぐにでも出かけられる、そんな心強い仲間が軽キャンパーである。これまでキャンピングカーへの憧れを抱いたものの、なかなか所有を実現できなかった方も、軽キャンパーならば、自分が乗ってキャンプに出かける姿がイメージできるのではないだろうか。近年では、キャンピングカーを取り扱うレンタルサービスが増えている。皆さんもゴールデンウィークや少し長めのお休みの時などに、まずは軽キャンパーをレンタルしてみて、普段は行けないようなところに出かけてみてはいかがだろうか。
 

 

■プロフィール
森 豊雪

学業修了後はエネルギー関連の製造会社に入社し、30年以上にわたって勤務する。55歳を迎えて新しい道を模索。もともと趣味で活動していたアウトドア分野で起業することを決意し、イナウトドア(同)を立ち上げた。現在は、オリジナルアウトドアグッズの開発や、サバイバル教室などの展開、自然保護のボランティア活動に注力している。
 
※保有資格
・NCAJ 認定 キャンプインストラクター
・JBS 認定 ブッシュクラフトインストラクター
・日赤救急法救急員他
■企業情報
イナウトドア 合同会社
〒238-0114
神奈川県三浦市初声町和田3079-3
■URL
https://www.inoutdoor.work/
■Twitter
@moritoyo1

 
 

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