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コンサルタント・小田切社長が指南!海外進出成功への道 第6回

昨今の国内市場の縮小化を危惧し、多くの日本企業がグローバル化に乗り出しています。その中で、言葉や文化、ビジネスの進め方の違いといったさまざまな壁にぶつかることがあるでしょう。本コラムでは、海外ビジネス経験が豊富な(株)サザンクロスの小田切社長による、海外進出におけるアドバイスをお伝えしています。前回は、「海外展開を進めてきた企業の成功例」についてご紹介しました。今回は、「海外展開を進めてきた企業の失敗例」と題し、実際に海外展開が上手く進められない企業が持つ共通点をお教えします。
 

共通する失敗パターン

皆様、こんにちは。(株)サザンクロスの小田切武弘です。対談記事が掲載されている「躍進企業応援マガジンCOMPANYTANK」2018年3月号、そして2018年5月号から連載中の本コラムには、すでに目を通して頂けましたか?

第6回にあたる今号では、「海外展開を進めてきた企業の失敗例」という内容にフォーカスを当ててお話しします。

当社は海外進出を目指す企業様のサポートを手掛けています。契約したクライアント様からはもちろんのこと、契約前の段階からも、「どうやったら海外進出が上手くいくのか?」「これまでの成功例を教えてください」といったお問い合わせを数多く頂きます。これについては前回のコラムに記載しましたが、その反対に、「どのように進めたから上手くできなかったのか?」「失敗事例についても教えてください」とのお問い合わせも多く受けます。

そこで、今回は上手くいかなかった主な要因についてご説明します。業界や業種、企業規模など、それぞれの企業様で状況や条件は当然異なりますので、その点だけはあらかじめご承知頂ければと思います。

1.会社全体としての面
① 業績が不安定、あるいは下降状態になっている。
② 会社として海外展開を行う明確な目的、具体的な目標を持っていない。
③ 半年程度で受注、売上を期待している。
④ 人や時間、資金に対する5年を目処にした投資計画を立てていない。
⑤ 不測の事態を想定しておらず、その際、基本方針とは異なる対応を取ってしまう。

2.経営者としての面
① 自ら鉛筆を手に取り、海外展開の未来予想図(誰が、いつ、どこで、なぜ、どうやって、何をしたいのか)のプランを練っていない。
② 海外関連のミーティングに出席しない。また出席してもメモを取らず、作成させた議事録のレビューも行わないため、方針のブレ、ズレが出ても修正ができない。
③ 海外展開を行うにあたり、明確な目的と、具体的な目標の設定ができていない。
④ 他の役員、社員との情報共有が不十分であったり、大勢からの賛同を得ていない。
⑤ 海外展開を担うスタッフの選抜もしていない。
⑥ メールなどでの連絡、報告は社内、社外より受け取るものの、自ら返信をしない。

3.役員、スタッフとしての面
① 現地である程度日常会話ができるレベルの英語スキルを習得していない。
② 目的や目標の把握ができていない。
③ 自ら積極的に行動を起こさない。
④ 時間や約束が守れない、「報・連・相」が備わっていないなど、ビジネスパーソンとしてのスキルが備わっていない。

4.商品面
① 自社商品の知識が不足している。
② 他には無い優位性を持ち、同業他社や類似商品と比較した際の良い面と劣る面を理解していない。
③ 適材適所の商品ラインアップ、あるいは必要に応じた商品の変更や修正ができる体制が整っていない。

いかがでしょうか?海外展開を上手く進められない、または道半ばで頓挫してしまう企業様の多くに共通している事例を列挙してみました。もちろん上記の項目を全てクリアするのは不可能に近いと思います。

それらは当社のような会社と共に補足しながら、一緒に進めていけば良いことです。しかし、上手く海外展開が進められない企業様には、さらにもう2つ共通していることがありますのでご紹介します。

1つは海外で営業活動を自社中心で行わずに、コンサルタントに全て依頼をされることです。当社ではそのようなご依頼を頂いた場合には、可能な限りオプションとしてありがたくご協力いたしますが、正直なところ、それではクライアント様の社内に人のコネクションやノウハウの蓄積がしづらくなってしまいます。

2つ目は、海外開拓時に現地サイドとの面談や商談で何か少しでも上手く進められない場合に、すぐに諦めてしまったり、極端な場合には海外展開事業を突然中止される経営者の方が散見されることです。「石の上にも3年」ということわざがありますが、そこまで覚悟と忍耐を持って進んでいかなければ、おそらく海外展開成功への道は切り開けないでしょう。

時代を見据え、次の一手を

さて、ここまでご覧になられて何か感じることはございませんか?前回のコラムでも書きましたが、若干の不整合はあるものの“海外展開”を“国内展開”という言葉に置き換えられるのです。

私が今回、改めて強調したいのは海外展開も国内展開も基本的には同じ路線にあるということ。そこに言葉や文化、ビジネス慣習や法律面、経理面での違いが海外展開の場合には付随してくるのです。

日本企業の海外展開は、昨今の中国や韓国の政治、経済状況などからそれらの国々を離れ、東南アジア諸国中心に大幅にシフトしてきています。また、その東南アジア諸国も日本との大きな経済格差を解消すべく、日本企業の海外展開以上の勢いで海外展開を図り成長していこうと努力しており、10年前と比較してもかなり力をつけてきているのが現状です。

一方で日本企業の場合には、2019年以降も人口が減少し続け、業界・業種を問わず海外に販路開拓や拠点構築を行い、売上と利益の確保に注力しなければ、生き残れない時代になってきています。また海外の物的、人的資産を国内に有効に取り込んでいくことも急務です。

以前のように“日本ブランド”だから、あるいは“MADE IN JAPAN”だからということだけでは販売に結びつかない時代になりました。そういった変化を、皆様はどのように捉えていらっしゃるでしょうか?その中で、皆様の会社が今後10年先、20年先でも繁栄し続けられるよう、私共もご協力させて頂くことを惜しみません。

今回は、海外展開における失敗事例を中心に話を進めてきました。次号では、「海外進出の完了は、実は終了ではない」という部分について話を進めてまいります。

■プロフィール
株式会社 サザンクロス 代表取締役社長
小田切 武弘

海外志向が強く、学生時代に海外留学を経験。学業修了後は、大手電気機器メーカーや飲料・食品メーカー、総合商社など数社にわたって、米国、インド、韓国、東南アジアといった諸外国に駐在。その中で、海外でのビジネスに苦戦する日本企業の存在を知り、自らのノウハウを提供したいという思いが芽生える。2017年7月7日、企業の海外展開をサポートする(株)サザンクロスを設立した。
 
■企業情報
株式会社 サザンクロス
〒167-0032
東京都杉並区天沼1-16-9
■URL
http://sc-southerncross.jp/

 
 

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